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負の数をやさしく解説:たし算、ひき算、かけ算、わり算のしかた

執筆 Laura Bennett, MathIt · 公開日 · 読了目安12分
霜のついた冬の窓辺にホットチョコレートのマグがあり、その横の温度計の向こうに鉢植えのある日の当たる窓、地上階の下には階段と木箱のある地下室が見える。

負の数とは何ですか。負の数のたし算・ひき算・かけ算はどうしますか?

負の数は0より小さい数で、−3のようにマイナスの符号をつけて書き、数直線では0の左側にあります。負の数をたすときは左へ進み、負の数をひくときは符号を変えてたすので、5 − (−3) = 8です。かけ算とわり算は、同じ符号どうしなら答えは正、ちがう符号どうしなら負になります。

この記事の要点

  • 負の数は0より小さい数で、−3のようにマイナスの符号をつけて書き、数直線では0の左側にあります。
  • 負の数をたすと数直線を左へ進むので、4 + (−6) = −2です。
  • 負の数をひくことは、符号を変えた数をたすことと同じなので、5 − (−3) = 5 + 3 = 8、−4 − (−6) = 2です。
  • 同じ符号の2つの数の積や商は正、ちがう符号の積や商は負なので、(−3) × (−4) = 12、−12 ÷ 3 = −4です。
  • 「マイナスとマイナスでプラス」はかけ算とわり算だけのきまりなので、−2 + (−3) = −5です。

中1のお子さんが5 − (−3)を見つめて2と書き、温度計は−5 °Cを指し、銀行アプリの残高は−3,000円になっている。この3つの裏には、どれも負の数があります。負の数のたし算・ひき算・かけ算のきまりは、数直線という1枚の絵から出てきます。この絵がはっきりすれば、負の数のひき算も、符号のきまりも、よく聞かれる「負の数ひく負の数」も、同じ動きになります。

負の数とは?

負の数とは0より小さい数で、−1、−7、−3/4のように前にマイナスの符号をつけて書きます。横向きの数直線では、正の数は0の右側、負の数は0の左側にあるので、どの負の数も0より小さく、どの正の数よりも小さくなります。

負の数は、基準より下にある量を表します。OpenStaxの初等代数は、寒い日の気温(「氷点下」)と標高を例にしています。たとえば海面より400 m低い場所は−400 mと書けます。銀行の残高が−3,000円なら、3,000円借りているということです。

日本では、正の数・負の数を中1の数学で学びます。中学校学習指導要領は第1学年で「正の数と負の数の必要性と意味を理解すること」と「正の数と負の数の四則計算をすること」を求めています。アメリカでは州共通基礎スタンダード 6.NS.C.5が6年生に「正の数と負の数が、反対の向きや値をもつ量を表すためにいっしょに使われることを理解する」ことを求め、例として気温、標高、入金と出金をあげています。

符号を変えた数と絶対値

ある数の符号を変えた数は、数直線で0から同じ距離だけ反対側にある数です。4の符号を変えた数は−4、−4の符号を変えた数は4です。アメリカのスタンダード6.NS.C.6aは例をあげて「ある数の符号を変えた数の符号をもう一度変えると、もとの数になる。たとえば−(−3) = 3で、0の符号を変えた数は0自身である」としています。

絶対値は、数直線で0からの距離のことで、2本の縦線ではさんで書きます。|−7|も|7|も7で、どちらも0から7目もりはなれているからです。スタンダード6.NS.C.7cは借金の例を使っています。「残高が−30ドルなら、借金の大きさを|−30| = 30と書いて表す」。

大小は数直線どおりに決まります。右にある数ほど大きいので、8は3より大きいのに、−3 > −8です。スタンダード6.NS.C.7bには「−3 °Cは−7 °Cより暖かい」という読み方があります。

負の数のたし算・ひき算のやり方を順番に

負の数のたし算・ひき算は、数直線の上を動くことです。正の数をたすと右へ、負の数をたすと左へ進み、ひき算はたすときと反対の向きに進みます。アメリカのスタンダード7.NS.A.1cはこのきまりを「有理数のひき算を、符号を変えた数をたすことと理解する。p − q = p + (−q)」と書いています。

  1. はじめの数を数直線に置く。 −4 + 6なら、−4に指を置きます。
  2. すべてのひき算を、符号を変えた数のたし算に直す。 5 − (−3)は5 + 3、2 − 7は2 + (−7)になります。
  3. 正の数なら右へ、負の数なら左へ進む。 −4から6をたすなら右へ6目もり進み、2に着きます。
  4. 数が大きいときは絶対値を使う。 同じ符号なら、絶対値をたして共通の符号をつけます。−20 + (−15) = −35です。ちがう符号なら、絶対値の大きいほうから小さいほうをひき、0から遠いほうの数の符号をつけます。−20 + 15 = −5です。
  5. 見積もりで答えを確かめる。 0より下から始めて、それより小さい正の数をたすなら、答えはまだ0より下のはずです。
−10から10までの数直線に2つの動き。5 − (−3) = 5 + 3 = 8として5から8へ右に3目もり、−4 + 6 = 2として−4から2へ右に6目もりの矢印がかいてある。
−10から10までの数直線に2つの動き。5 − (−3) = 5 + 3 = 8として5から8へ右に3目もり、−4 + 6 = 2として−4から2へ右に6目もりの矢印がかいてある。

負の数をひく:多くの人がつまずくところ

負の数をひく手順は、いちばん多くの生徒がつまずくところです。「ひく」と聞くと、答えが小さくなりそうに思えるからです。5 − (−3)は5 + 3に書き直し、答えは8で、5より大きくなります。

銀行の間違いを考えると理由が見えます。残高が500円のとき、銀行がまちがえて引き落とした300円を取り消すと、−300円を取りのぞいたことになり、残高は800円になります。負の数ひく負の数も同じで、−4 − (−6) = −4 + 6 = 2、−9 − (−2) = −9 + 2 = −7です。

その下では整数のひき算がそのまま働いていて、その部分はくり下がりのあるひき算の解説で扱っています。

負の数のきまりを1つの表に

負の数の符号のきまりは5行にまとまります。たし算が2行、ひき算が1行、かけ算とわり算が2行です。それぞれの行に、きまり、計算例、数直線での動きを書きました。

計算きまり例数直線での動き
たし算、同じ符号絶対値をたし、共通の符号をつける−2 + (−3) = −5−2から左へ3
たし算、ちがう符号絶対値の差をとり、0から遠いほうの符号をつける−7 + 4 = −3−7から右へ4
負の数をひく符号を変えた数をたす−4 − (−6) = 2−4から右へ6
かけ算・わり算、同じ符号答えは正(−3) × (−4) = 12左へ4ずつ3回とんだ動きを、0で折り返したもの
かけ算・わり算、ちがう符号答えは負−12 ÷ 3 = −40から−12まで、等しく3回とぶ

負の数のかけ算は2つの動きです。絶対値どうしをかけて、それから符号を決めます。同じ符号なら積は正、ちがう符号なら積は負なので、3 × (−4) = −12、(−3) × (−4) = 12です。

OpenStaxは、わり算も同じきまりにまとめています。「符号のついた数のわり算は、かけ算と同じきまりに従う」。つまり−12 ÷ 3 = −4、12 ÷ (−3) = −4、−12 ÷ (−3) = 4です。

3つ以上の数をかけるときは、負の符号の数を数えます。偶数個なら答えは正、奇数個なら負なので、(−1) × (−2) × (−3) = −6です。

かけ算の符号のきまりを表す2行2列の表。正×正は正で3 × 4 = 12、正×負は負で3 × (−4) = −12、負×正は負で(−3) × 4 = −12、負×負は正で(−3) × (−4) = 12。
かけ算の符号のきまりを表す2行2列の表。正×正は正で3 × 4 = 12、正×負は負で3 × (−4) = −12、負×正は負で(−3) × 4 = −12、負×負は正で(−3) × (−4) = 12。

負の数×負の数が正になる理由

負の数×負の数が正になるのは、かけ算の規則性が0をこえても続かなければならないからです。−3の段を、かける数を1ずつ減らしながら書いてみます。

  • −3 × 2 = −6
  • −3 × 1 = −3
  • −3 × 0 = 0
  • −3 × (−1) = 3
  • −3 × (−2) = 6

かける数が1減るごとに答えは3ずつ増えるので、0の次の行は3でなければなりません。ほかの答えにすると、ほかのどの行でも成り立っている規則性がくずれてしまいます。

アメリカのスタンダード7.NS.A.2aは正式な理由をあげています。かけ算を負の数に広げるときは「計算の性質、とくに分配法則が成り立ち続けることを求め、その結果(−1)(−1) = 1のような積になる」。式で書くと、0 = −1 × (1 + (−1)) = −1 + (−1)(−1)なので、(−1)(−1)は1でなければなりません。

同じきまりの流れは計算の順序の下にもあり、計算の順序の解説で、かっこ、累乗、積の中で符号がどこに入るかが分かります。

身のまわりの負の数

負の数は、量が基準より下がることがあるところならどこにでも出てきます。よく出会うのは、気温、エレベーター、海面からの高さ、お金の4つです。

  • 気温: 朝が−5 °C、午後が12 °Cなら、上がったのは12 − (−5) = 12 + 5 = 17度です。
  • エレベーター: ヨーロッパなどでは、地上階より下の階を−1、−2と表すことがあります。3階から−2階までは3 − (−2) = 5階分下がります。
  • お金: 残高−3,000円に5,000円入金すると、−3,000 + 5,000 = 2,000円です。
  • 海面からの高さ: −40 mにいるダイバーが15 m上がると、−40 + 15 = −25 mです。

イングランドのナショナルカリキュラムも同じ場面を使っていて、6年目に「場面の中で負の数を使い、0をまたぐ間かくを計算する」ことを求め、手引きでは気温を手本にしています。

2つの数の間の距離

数直線上の2つの数の間の距離は、2つの数の差の絶対値です。アメリカのスタンダード7.NS.A.1cは「数直線上の2つの有理数の間の距離は、その差の絶対値であることを示す」ことを求めています。−5から12までなら|12 − (−5)| = 17で、温度計と同じ17度です。

負の数が身についたかを確かめるには

5つの短い問いで、子どもや大人が負の数を使いこなせているかが分かります。答えだけでなく、考え方も聞きます。

  • 大小: −8と−3はどちらが大きい?答えは−3で、−8より右にあるからです。
  • たし算: −6 + 4は?答えは−2です。
  • 負の数をひく: 7 − (−5)は?7 + 5で、答えは12です。
  • 符号のきまり: (−6) × (−5)と24 ÷ (−8)は?答えは30と−3です。
  • 場面: 気温が4 °Cから−9 °Cまで下がりました。何度下がった?答えは4 − (−9) = 13度です。

2分でできる確認

5つの問いを順番を混ぜて出す2分の確認のほうが、1種類の問題が並んだプリント1枚より多くのことが分かります。たし算は合っているのに7 − (−5)を2と書く生徒には「符号を変えてたす」手順が、−8を−3より大きいとする生徒にはもう一度数直線が必要です。

この力のまわりで小6と中1に求められることは、学年ごとに身につけたい算数の一覧にまとめてあります。x − 4 = 9のような1段階の方程式をさっと練習するなら、xを求めるゲームがブラウザで無料で遊べます。

ブラウザで無料で遊ぶxを求める小6〜

負の数でよくある間違い

負の数の誤答のほとんどは4つの間違いから来ていて、どれも短く直せます。

  • 「マイナスとマイナスでプラス」を使いすぎる: −2 + (−3)は−5です。負の数をたすと左へ進むからです。積が正になるきまりは、かけ算とわり算だけのものです。
  • 数字だけで大小を決める: 8は3より大きくても、−8は−3より小さい数です。数直線を思いうかべて、右にあるほうを選びます。
  • かっこを落とす: 5 − (−3)を5 − 3と書くと、8ではなく2になります。たし算に書き直すまで、かっこを残しておきます。
  • 長い式で符号を見失う: −4 × 3 + 10では、積は−12なので、答えは−12 + 10 = −2です。計算する前に、符号ひとつひとつに丸をつけます。

まぎらわしい場合:−3²と(−3)²

指数は、そのすぐ下にあるものだけにかかるので、−3²と(−3)²は答えがちがいます。−3²は−(3 × 3) = −9、(−3)²は(−3) × (−3) = 9です。このきまりと、別の考え方である負の指数については、累乗(指数)の解説で扱っています。

負の数のチェックリストと次の一歩

  • 絵にする: 計算する前に数直線をかく。
  • 大小: 右にある数ほど大きい。だから−3 > −8。
  • ひき算: 動く前に、p − qをp + (−q)に書き直す。
  • たし算: 同じ符号なら絶対値をたして符号をつける。ちがう符号なら絶対値の差をとり、0から遠いほうの符号をつける。
  • かけ算・わり算: 同じ符号なら正、ちがう符号なら負。
  • 累乗: −3²と(−3)²のかっこに気をつける。

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よくある質問

負の数は整数ですか?

−1、−2、−3のような負の数は、負の整数として整数に入ります。整数は0、1、2、3…と、その符号を変えた−1、−2、−3…を合わせたものです。ただし、自然数(1、2、3…)には負の数は入りません。また、−1/2のような負の分数は整数ではありません。

負の数は有理数ですか?

負の整数と負の分数は有理数です。有理数とは、qが0でない2つの整数で分数p/qと書ける数のことなので、−3 = −3/1も−3/4も有理数です。2の平方根の符号を変えた数のように、負の無理数もあります。

負の数は実数ですか?

負の数は実数です。実数は数直線全体をうめていて、どの負の数も数直線上で0の左側に点があります。負の整数、負の分数、負の小数、負の無理数は、すべて実数です。

負の数×負の数が正になるのはなぜですか?

かけ算の規則性が0をこえても続かなければならないからです。−3 × 2 = −6、−3 × 1 = −3、−3 × 0 = 0と並べると、答えは3ずつ増えているので、次は−3 × (−1) = 3になるはずです。アメリカのスタンダード7.NS.A.2aは、(−1)(−1) = 1というきまりを分配法則と結びつけています。

負の数から負の数をひくとどうなりますか?

負の数から負の数をひくときは、ひく数の符号を変えてたします。−4 − (−6)なら、−6をひくことを6をたすことに変えて、−4 + 6 = 2です。−9 − (−2)なら、同じようにして−9 + 2 = −7です。どちらの数が0から遠いかで、答えは正にも負にもなります。

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