MathIt ブログ

保護者のためのくり下がりのひき算:十が1つ、一が10個になる理由

執筆 Laura Bennett, MathIt · 公開日 · 更新日 · 読了目安12分
テーブルの上に青い十の棒が4本とばらの小さなブロックが12個あり、横に銀色と銅色の硬貨の山とピンクのぶたの貯金箱が置かれている。

くり下がりのあるひき算の筆算は、どういうしくみですか?

くり下がりのあるひき算は、ある位の上の数が下の数より小さいとき、1つ上の位から1をくり下げて10にかえる計算です。52 − 27では、一の位の2から7はひけないので、52を十が4つと一が12と見直します。12 − 7 = 5、4 − 2 = 2で、答えは25です。数の大きさは変わらず、まとまり方が変わるだけです。

この記事の要点

  • くり下がりのあるひき算は、ある位の上の数が下の数より小さいとき、十を1つ一10個に、または百を1つ十10個にかえて計算します。
  • くり下げても数は変わりません。52と、十が4つと一が12は同じ大きさなので、あとで何かを返す必要はありません。
  • 52 − 27では、くり下げると一の位は12 − 7 = 5、十の位は4 − 2 = 2になり、答えは25です。
  • 403 − 168のように0をまたいでくり下がるときは、計算を始める前に403を百が3つ、十が9つ、一が13と見直します。
  • 答えとひいた数をたすと確かめられます。25 + 27 = 52で、元の数に戻るからです。

小2のお子さんが52 − 27で手が止まっていて、プリントには「くり下がりに気をつけよう」とある。くり下がりのあるひき算の筆算は、あなたが習ったのと同じ方法ですが、今の教室では数字に斜線を引く前に、ブロックやお金で中身を見せます。10円玉と1円玉を何枚か食卓に並べれば、52 − 27から3けたのくり下がりのあるひき算まで、なぜうまくいくのかが見えます。

くり下がりのあるひき算とは?

くり下がりのあるひき算とは、ある位の上の数が小さすぎるとき、1つ上の位の1を、すぐ下の位の10にかえて計算する筆算です。52 − 27では、一の位が2 − 7となり、整数の答えがないので、十が5つのうち1つを一10個にかえます。52は十が4つと一が12になり、どちらの位もひけるようになります。

かえても数の大きさは変わりません。52円は、10円玉5枚と1円玉2枚でも、10円玉4枚と1円玉12枚でも同じお金です。くり下げるとは、ひき算に合うように1つの数を別の形で書くことで、その考えは保護者のための位取りの解説の上に立っています。

「借りる」ではなく「くり下げる」と言う理由

「借りる」は同じ手順の昔ながらの言い方で、実際には起きない貸し借りを表しています。十の位には何も返しません。十が1つこわれて一10個になり、52の中にとどまるだけです。アメリカのWhat Works Clearinghouseの実践ガイド『算数につまずく子どもを支える』は、明確で簡潔な算数の言葉を教えるようすすめていて、「くり下げる」「かえる」は、子どもがブロックで見られる動きをそのまま名前にしています。

家で「借りる」と言う保護者も多く、それでかまいません。ただ、お子さんが1つの言葉で聞けるように、プリントにある教室の言葉を使ってください。

十進ブロックの3つの場面。52を十が5つと一が2つで表し、次に十を1つ一10個にかえて十が4つと一が12にし、最後に十を2つと一を7つ消して、十が2つと一が5つ残る。下に52 − 27 = 25の式がある。
十進ブロックの3つの場面。52を十が5つと一が2つで表し、次に十を1つ一10個にかえて十が4つと一が12にし、最後に十を2つと一を7つ消して、十が2つと一が5つ残る。下に52 − 27 = 25の式がある。

2けたのくり下がりのあるひき算の教え方

2けたのくり下がりのあるひき算は、先にもの、あとで数字の順で教えるといちばん分かりやすくなります。52として10円玉5枚と1円玉2枚を机に置き、横の紙に52と27を位をそろえて書きます。お金を1回動かすたびに、紙の上にも同じ印がつくようにします。

  1. 位をそろえる。 52の下に、一の位は一の位、十の位は十の位にそろえて27を書きます。位がずれた筆算は、くり下がりそのものよりも多くの誤答を生みます。
  2. 一の位から始める。 1円玉2枚で7円を払えるか聞きます。払えないので、この位にはくり下がりが必要です。何かをひく前に、ここで決めます。
  3. 十を1つ一10個にかえる。 10円玉1枚を1円玉10枚と両替します。紙の上では5に斜線を引いて上に4と書き、2の上に小さく10を書きます。机の上は10円玉4枚と1円玉12枚です。
  4. 一の位をひく。 1円玉を7枚取ります。12 − 7 = 5です。日本の教室では、くり下げた10から7をひいて3、残りの2とたして5と考える「減加法」もよく使います。一の位の下に5を書きます。
  5. 十の位をひく。 10円玉を2枚取ります。4 − 2 = 2です。十の位の下に2を書き、答えを25と読みます。
  6. たし算で確かめる。 答えとひいた数をたします。25 + 27 = 52。たした結果がひかれる数になれば、ひき算は正しいです。

3けたの数でも同じ6つの手順で進めます。ちがうのは、十の位でも百の位からくり下げが必要になる場合があることだけです。

ブラウザで無料で遊ぶ2桁のひき算小1〜小2

子どもが飛ばしてしまう判断

子どもが飛ばすのは手順2、くり下げるかどうかの判断です。どの問題でもくり下げる子もいれば、まったくくり下げない子もいて、どちらもくり下がりを決まった儀式のように扱うことから来ています。

えんぴつを動かす前に、位ごとに1つだけ聞いてください。「上の数は下の数と同じか、それより大きい?」答えが「いいえ」ならくり下げます。同じ問いを逆にするとたし算のくり上がりになるので、ひき算といっしょにくり上がりのあるたし算を練習すると、両方に効きます。

筆算、数えたす方法、両方をずらす方法、数直線

くり下がりのある筆算は、学校で教えるひき算の4つの方法の1つです。アメリカの州共通基礎スタンダードは2年生に、位取りと計算のきまりを使って、たし算とひき算のやり方がなぜうまくいくかを説明すること(2.NBT.B.9)を求めています。52 − 27を4通りで解くと次のようになります。

方法52 − 27での進め方向いている場面弱点
くり下がりのある筆算十が4つと一が12。12 − 7 = 5、4 − 2 = 2で25大きな数のひき算を紙の上でするとき位取りがあやふやだとくずれる
数えたす(ひく数からたしていく)27 → 30で3、30 → 50で20、50 → 52で2。3 + 20 + 2 = 252つの数が近いとき、おつりを数えるときジャンプが3回以上になると追いにくい
両方をずらす両方に3をたす。55 − 30 = 25片方がきりのよい数に近いときの暗算片方だけずらしてしまいやすい
数直線52から20もどって32、さらに7もどって25ちがいの大きさを見るとき3けたの数では遅い

どの方法を選ぶか

お子さんがくり下がりをお金やブロックで説明できるようになったら、筆算を選んでください。どんな大きさの数にも広げられるからです。数えたす方法は、多くの大人が店のレジで使う方法で、確かめ用に残しておく値打ちがあります。両方をずらす方法は、10の合成と分解をすぐに言えることに頼っていて、その力は数の合成と分解で育ちます。

3けたのくり下がりと、0をまたぐくり下がり

3けたのくり下がりのあるひき算も、位ごとに同じきまりで進めます。一の位、十の位、百の位の順に、上の数が小さければくり下げます。日本の小学校学習指導要領は第2学年で「2位数の加法及びその逆の減法の計算が,1位数などについての基本的な計算を基にしてできることを理解し,それらの計算が確実にできること。また,それらの筆算の仕方について理解すること」を求め、第3学年で3位数や4位数の加法及び減法の筆算の仕方へ進みます。アメリカのスタンダード2.NBT.B.7も、3けたの数のひき算では百から百、十から十、一から一をひき、「ときには十や百をまとめたり分けたりする必要がある」としています。

むずかしいのは、403 − 168のようにまん中に0がある場合です。一の位でくり下げが必要なのに、くり下げる十がありません。

そこで、くり下がりをもう1つ上の位から始めます。百が4つのうち1つを十10個にかえ、その十10個のうち1つを一10個にかえます。上の数は百が3つ、十が9つ、一が13になり、それでも403のままです(300 + 90 + 13)。

403 − 168の筆算。4に斜線を引いて上に3、0に斜線を引いて10、さらに9と書き、3に斜線を引いて上に13と書いて、答えは235。横に13 − 8 = 5、9 − 6 = 3、3 − 1 = 2と、確かめの235 + 168 = 403がある。
403 − 168の筆算。4に斜線を引いて上に3、0に斜線を引いて10、さらに9と書き、3に斜線を引いて上に13と書いて、答えは235。横に13 − 8 = 5、9 − 6 = 3、3 − 1 = 2と、確かめの235 + 168 = 403がある。

くり下げが済めば、どの位も1つの計算です。13 − 8 = 5、9 − 6 = 3、3 − 1 = 2。答えは235で、235 + 168 = 403で確かめられます。

0をまたぐときの近道:403を十が40と読む

0をまたぐくり下がりの近道は、上の2けたを十がいくつかという1つの数として読むことです。403は十が40と一が3。十を1つくり下げると、十が39と一が13になり、3、9、13が一度に出てきます。ある数に十がいくつあるかを聞く位取りのゲームで、この習慣が育ちます。

両方をずらす方法でも0を避けられます。両方から4をひくと403 − 168は399 − 164になり、くり下がりがまったくいらないまま、やはり235になります。

お子さんの伸びの確かめ方

くり下がりのあるひき算の伸びは、5分で試せるいくつかの目に見える合図に表れます。

  • 説明できるか: 52 − 27で5が4になった理由を、「十」と「一」という言葉を使って言えますか。「くり下がるから」とだけ言って、両替の中身を言えない子は、きまりはあっても絵がありません。
  • 混ぜた問題: くり下がりのある問題3つと、ない問題3つを出します。52 − 27と58 − 23のような組です。速さより、6問すべてで正しく判断できることが大切です。
  • お金でやり直す: 43 − 18を10円玉と1円玉で演じて、25にたどり着けますか。お金ではできて紙ではできないなら、すき間は書き方にあります。
  • 0の場合: 300 − 147(答えは153)を試します。2回続けてくり下げられる子は、大きな数へ進む準備ができています。
  • たし算での確かめ: 言われなくても、たして確かめていますか。その習慣で、うっかりミスのほとんどがつかまります。

何年生でくり下がりのあるひき算を習うか

日本では、小1で13 − 8のような1けたのくり下がりを習い、小2で2けたのひき算の筆算、小3で3けたと4けたの筆算を学びます。アメリカの州共通基礎スタンダードは2年生に、100までのひき算をすらすらできること(2.NBT.B.5)と、ものや図を使った1000までのひき算(2.NBT.B.7)を置いています。3年生は1000までをすらすら(3.NBT.A.2)、4年生で標準的な筆算の名前が出てきて、「何けたの整数でも標準的な筆算ですらすらたしひきする」ことを求めます(4.NBT.B.4)。

イングランドのナショナルカリキュラムは3年目で、3けたまでの数を正式な筆算でひき、逆の計算で答えを確かめることを求めます。筆算の前にいろいろな方法を学ぶ理由は、アメリカの共通基礎スタンダードの算数を保護者向けに解説でまとめています。

くり下がりのあるひき算でよくある間違い

くり下がりのあるひき算の誤りのほとんどは、いくつかのくせから来ていて、どれも家ですぐに直せます。

  • 大きいほうから小さいほうをひく: 2 − 7ではなく7 − 2を計算して、52 − 27を35と書きます。どの位も上から下へ「2ひく7」と声に出して読んでもらいます。
  • 十の位を減らし忘れる: 12は作ったのに5をそのままにして、やはり35になります。一の位をひく前に、5の斜線と新しい4を必ず書くようにします。
  • 毎回くり下げる: 58 − 23でもくり下げて、一の位に15と書きます。どの位でも、まず手順2の問いをします。
  • 0を飛ばす: 403 − 168で百の位から一の位へ直接くり下げ、百が3つ、十が0、一が13と書くと、313にしかなりません。お金を並べるか、十が40という読み方を使います。
  • 位がずれる: 403 − 68で、68を40の下に書くと、403 − 680になってしまいます。1マスに1つの数字を書けるマス目のノートを使います。
無料で印刷できるプリントひき算 — 2年生ワークシート · PDF

35という答えに注目する理由

52 − 27の誤答35は、2つの別々の間違いから同じように出てくるので、見つける値打ちがあります。大きいほうから小さいほうをひいても、十の位を減らし忘れても35になるので、答えだけではどちらが起きたか分かりません。お子さんに一度、問題を声に出して説明してもらってください。説明を聞けば、1分以内に原因が分かります。

くり下がりのあるひき算のチェックリスト

  • 最初の1週間はお金かブロック: 紙の上のくり下がり1回ごとに、机の上で10円玉1枚を1円玉10枚に両替する。
  • 位ごとに1つの問い: 「上の数は下の数と同じか、それより大きい?」でくり下げるかを決める。
  • 斜線の数字はきちんと書く: ひく前に、新しい4と小さな10を位の上に書く。
  • 混ぜた問題: 半分はくり下がりあり、半分はなしにして、判断をいつも働かせる。
  • 0は2けたが確実になってから: 52 − 27が楽になってから、403 − 168や300 − 147へ。
  • たして確かめる: 答えとひいた数をたすと、ひかれる数になる。

宿題のない日も、毎日の短い時間で手順を新しく保てます。2年生向けの算数ゲームや無料のオンラインひき算ゲームで手早く混ぜた練習ができ、MathIt アプリはお子さんの答え方に合わせて難しさを調整します。

MathIt アプリで練習する

約90種類の算数ゲーム。答えに合わせて難易度が変わり、毎日の練習や2〜5人の対戦もできます。iOS と Android で無料。

App StoreからダウンロードGoogle Play で手に入れよう

よくある質問

「借りる」と「くり下げる」はちがうのですか?

ひき算の筆算では、どちらも同じ手順を指しています。日本の教科書は「くり下がり」「十の位から1くり下げる」と言います。何が起きているかをそのまま表しているからです。十が1つ、同じ数の中で一10個にかわるだけで、何も返しません。「借りる」は返さなければならない借金のように聞こえ、言葉どおりに受け取る子を迷わせます。

くり下がりのあるひき算は何年生で習いますか?

日本では小1で13 − 8のような1けたのくり下がりを習い、小2で2けたのひき算の筆算、小3で3けたや4けたの筆算を学びます。学習指導要領は第2学年で、2位数の減法の計算が確実にできることと、その筆算の仕方を理解することを求めています。アメリカでは2年生で100まで、続いて1000までのひき算をあつかいます。

0をまたいでくり下がるときは、どうしますか?

0をまたぐときは、最初の位を計算する前に、2回続けてくり下げます。403 − 168では、百を1つ十10個にかえ、その十を1つ一10個にかえるので、403は百が3つ、十が9つ、一が13になります。あとは13 − 8 = 5、9 − 6 = 3、3 − 1 = 2で、答えは235です。

52 − 27を35と答えてしまうのはなぜですか?

52 − 27を35と答える子は、たいていどの位でも大きい数から小さい数をひいています。7 − 2 = 5、5 − 2 = 3です。くり下げたあとに十の位を1減らし忘れても、同じまちがった答えになります。手順を1つずつ声に出してもらい、たし算で確かめてください。35 + 27 = 62で、52になりません。

関連する記事

すべての記事 →