四則演算の順番:一歩ずつ計算してみる

教室ノート · 執筆 MathIt チーム · 公開日 · 読了目安9分

方眼紙の上で、かっこを含む式を1行に1手ずつ書きながら鉛筆で解いている。

計算の順序は、どの順番で計算するのが正しいですか?

かっこの中を先に、次に累乗、次にかけ算とわり算を左から順に、最後にたし算とひき算を左から順に計算します。これだけです。多くの人が落とすのは最後の一手で、かけ算はわり算より強くなく、たし算もひき算より強くありません。同じ段の中では、左にあるほうから計算します。

この記事の要点

  • 段は6つではなく4つ。かっこ、累乗、かけ算とわり算、たし算とひき算です。
  • かけ算とわり算は同じ段、たし算とひき算も同じ段。同じ段の中では左から順に計算します。
  • 国によって頭文字の覚え方は違いますが、順序のきまりは同じです。
  • 話題になる 6 ÷ 2(1 + 2) の言い争いは、計算ではなく書き方の問題です。かっこで終わります。

きまりを一文で言うと?

式はこの順で進めます。かっこの中が先、次に累乗、次にかけ算とわり算を左から順に、最後にたし算とひき算を左から順に。きまりはこれで全部です。以下はすべて、この一文をていねいに当てはめただけです。

このきまりが何ではないかを知っておくと役に立ちます。ここには証明も、自然の法則もありません。4 + 3 × 5を読んだ人が全員同じ数にたどり着くように決めた、書き方の約束です。約束がなければ、先に足す人は35、先にかける人は19になり、どちらが読み違えたのか誰にも言えません。約束があるので、答えは19です。3 × 5を先にして、4をたします。

かっこは上書きのスイッチです。きまりで表せることは、かっこならもっとはっきり表せます。だから式が読みにくいときは、かっこを足すのがいつでも正しい直し方です。

海外の PEMDAS や BODMAS は別のきまりですか?

いいえ。同じ約束を、学んだ国ごとにちがう頭文字で覚えているだけです。日本語の言い方、つまり「かっこの中を先に、累乗を次に、かけ算とわり算を先に、左から順に」と、中身は完全に同じです。文字は変わりますが、手の順番は変わりません。

頭文字文字が表すものおもに教わる国
PEMDASかっこ、累乗、かけ算とわり算、たし算とひき算アメリカ、フィリピン
BODMASかっこ、累乗、わり算とかけ算、たし算とひき算イギリス、インド、オーストラリア、南アフリカ
BIDMASかっこ、累乗、わり算とかけ算、たし算とひき算イギリス、アイルランド
BEDMASかっこ、累乗、わり算とかけ算、たし算とひき算カナダ、ニュージーランド

気づいておくとよいことが3つあります。

  • 頭のPとBはどちらもかっこです。E、O、Iはどれも累乗、つまり3の2乗や2の3乗を指します。
  • PEMDASはMがDより前、BODMASはDがMより前に並びます。これは何も変えません。2つは同じ強さで、頭文字はどちらかを先に印刷するしかなかっただけです。算数のほうは気にしていません。
  • どの並びも、いちばん大事な一手を隠しています。同じ強さなら左から、という決め手です。

多くの人が間違えるのはどこですか?

頭文字を6つの段として数えてしまうことです。段は4つです。かけ算とわり算が1つの段を分け合い、たし算とひき算がもう1つを分け合うからです。

  1. かっこ。いちばん内側から。
  2. 累乗。
  3. かけ算とわり算を、左から順に。
  4. たし算とひき算を、左から順に。

同じ段の中では、式を文のように左から読み、先に出てきたほうを取ります。短い3行が、それぞれ頭文字が誘う間違った答えつきで、そこを見せてくれます。

  • 10 − 4 + 3 = 6 + 3 = 9。10 − 7 = 3ではありません。
  • 100 ÷ 5 ÷ 2 = 20 ÷ 2 = 10。100 ÷ 2.5 = 40ではありません。
  • 20 − 12 ÷ 4 × 2 = 20 − 3 × 2 = 20 − 6 = 14。20 − 12 ÷ 8 = 18.5ではありません。

どの場合も、間違った答えは、左から読むかわりに頭文字を1文字ずつ守ったところから出ています。自分で確かめるなら、1つの式に×と÷が両方、または+と−が両方あるとき、どちらが左にあるかを先に口に出してください。

例題5つを一歩ずつ

やさしい順に5行、1回のかけ算から、入れ子のかっこと累乗まで。どれも1行に1手で書いてあります。まねしてほしいのはこの形です。

1. 4 + 3 × 5

かけ算はたし算より強いので、先に来ます。

  1. 3 × 5 = 15
  2. 4 + 15 = 19

答えは19。

2. 8 + 2 × (7 − 3)

中身が何であれ、かっこが先です。

  1. 7 − 3 = 4
  2. 2 × 4 = 8
  3. 8 + 8 = 16

答えは16。

3. 20 − 12 ÷ 4 × 2

かっこも累乗もないので、3段目から始めて左から読みます。わり算のほうが左にあるので、先に来ます。

  1. 12 ÷ 4 = 3
  2. 3 × 2 = 6
  3. 20 − 6 = 14

答えは14。

4. 5 + 2 × 3の2乗

累乗がついているのは3だけで、2 × 3にではありません。

  1. 3の2乗 = 9
  2. 2 × 9 = 18
  3. 5 + 18 = 23

答えは23。累乗が出てくると2乗はいつも顔を出すので、形で覚えておく価値があります。平方数のゲームがそこを練習します。

5. 2 × (3 + (10 − 4) ÷ 2)の2乗 − 7

入れ子のかっこです。いちばん内側を片づけ、外側のかっこを同じ4段で仕上げ、そのあと累乗、かけ算、ひき算の順に進みます。

  1. 10 − 4 = 6。式は 2 × (3 + 6 ÷ 2)の2乗 − 7 になります
  2. かっこの中は、たし算よりわり算が先。6 ÷ 2 = 3
  3. 3 + 3 = 6。式は 2 × 6の2乗 − 7 になります
  4. 6の2乗 = 36
  5. 2 × 36 = 72
  6. 72 − 7 = 65

答えは65。

1行に1手で書くのは手間ではありません。左から読み落とすのを止める習慣であり、計算の順序のゲームが間違いを見せるときに使う形でもあります。

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なぜ 6 ÷ 2(1 + 2) で意見が割れるのですか?

計算が難しいからではなく、式の書き方が悪いからです。数年ごとに 6 ÷ 2(1 + 2) や 8 ÷ 2(2 + 2) のような式が広まり、コメントの半分が1、もう半分が9や16と言い、どちらもきまりを持ち出せます。

教わったとおりに約束を当てはめると、こうなります。

  • 6 ÷ 2(1 + 2) は 6 ÷ 2 × 3 になり、3 × 3 = 9
  • 8 ÷ 2(2 + 2) は 8 ÷ 2 × 4 になり、4 × 4 = 16

ここでの 2(1 + 2) は、記号を省いたかけ算です。標準の読み方はこれをふつうのかけ算として扱うので、わり算と同じ強さになり、左から順が順番を決めます。

もう一方は、2(1 + 2) を1つにくっついた量として読みます。記号を省いたかけ算が、わり算の記号よりも強く結びついて見えるからです。この読み方だと 6 ÷ 6 = 1、8 ÷ 8 = 1 になります。まったくの思いつきではありません。文字式では 2x を1つのかたまりとして読みますし、電卓の機種によって本当に答えが分かれるので、同じ部屋の2台がちがう数を出します。

つまり言い争いの中身は計算ではなく、どの頭文字もカバーしなかった書き方のすき間です。まじめに数学を書く人は、あの行を世に出しません。次のどちらかに書き、そうすれば争うところは何も残りません。

  • (6 ÷ 2) × (1 + 2) = 9
  • 6 ÷ (2 × (1 + 2)) = 1

この話題全体から取るべき教訓はこれです。読む人が2通りに取れるなら、かっこを足す。

よくある4つの間違い

4つの誤りで、間違った答えのほとんどが説明できます。うち3つは、左から順よりも頭文字を信じたところから来ます。

  1. かけ算とわり算を別の段にする。 20 − 12 ÷ 4 × 2 で 4 × 2 = 8 を先にすると 20 − 1.5 = 18.5 になります。答えは14です。
  2. たし算とひき算を別の段にする。 10 − 4 + 3 で 4 + 3 を先にすると3になります。答えは9です。
  3. 累乗が隣まで飲み込む。 2 × 3の2乗 では累乗は3だけにかかるので 2 × 9 = 18 であって、(2 × 3)の2乗 = 36 ではありません。
  4. 書くつもりだったかっこを落とす。 分数の線は上と下をまとめますが、1行に書いたわり算の記号はまとめません。3 + 1 の全部を下に置くつもりで 12 ÷ 3 + 1 と書くと、3ではなく5になります。12 ÷ (3 + 1) と打ってください。

きまりを体に入れるには?

長い式ではなく、短い混合の式を、4つの段を目の前に置いて解くことです。きまりを読むのは2分ですが、時間に追われながら使うのは別の技術です。

すること決め手
1かっこ。いちばん内側から各かっこの中も、この4段で処理する
2累乗と根号累乗がついている相手だけ
3かけ算とわり算左から順に
4たし算とひき算左から順に

それを速くするものが4つあります。

  1. 化け物のような式ではなく、演算が3つの式を練習する。20 − 12 ÷ 4 × 2 のほうが、半ページもある式より多くを教えます。順番だけを試しているからです。
  2. いま行った一手を、例題のように1行ずつ書く。
  3. 土台の計算を先に速くする。12 ÷ 4 に3秒かかるなら、きまりそのものに残る注意がありません。本当に使える暗算のコツがその層を扱います。
  4. 1回の練習で演算を混ぜる。かけ算だけのプリントでは順番は試されません。混ざったプリントなら試されます。印刷できる小学5年生向けのまとめプリントがそのためのもので、答えもついています。
無料で印刷できるプリント 混合計算 — 5年生 ワークシート · PDF

日本では四則の混じった式とかっこは小学4年で登場し、累乗と文字式は中学1年に入ってから扱います。文字が来ると 3(x + 4) − 2 のような行は読み方が1つしかなくなり、xを求めるゲームもそれが読める前提で作られています。小学5年生向けの算数ゲームのページに、その前後のブラウザゲームがまとまっています。

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よくある質問

計算の順序は、なぜ決まっているのですか?

同じ式を読んだ人が全員同じ数にたどり着くようにするためです。証明されたきまりではなく、書き方の約束です。約束がなければ 4 + 3 × 5 は19にも35にもなり、どちらが読み違えたのか決められません。だからこそ、迷う書き方をしたときはかっこで直すのが正しい手当てになります。

かけ算は、いつもわり算より先ですか?

いいえ。これがいちばん多い読み違いです。かけ算とわり算は1つの段で、左にあるほうから順に取ります。20 − 12 ÷ 4 × 2 ではわり算が先に来るので、答えは14であって18.5ではありません。

6 ÷ 2(1 + 2) の答えは何ですか?

学校で教わる約束にしたがえば9です。2(1 + 2) はわり算と同じ強さのふつうのかけ算なので、左から順が効きます。記号を省いたかけ算のほうが強く結びつくと読む人は1になります。式そのものがあいまいなので、(6 ÷ 2) × (1 + 2) か 6 ÷ (2 × (1 + 2)) と書いてください。

計算の順序は何年生で習いますか?

日本では、四則の混じった式とかっこは小学4年で登場し、5年と6年でくり返し使います。累乗と文字を使った式は中学1年です。かっこ自体は文章題の中でもっと早く出てきますが、4つの段としてのきまりがそろうのはこの時期です。

電卓は計算の順序にしたがいますか?

関数電卓と表計算ソフトはしたがいます。四則だけの簡単な電卓の多くはしたがわず、打った順にそのまま左から計算するので、4 + 3 × 5 は19ではなく35を返します。記号を省いたかけ算の扱いも機種によって分かれ、それが話題の式で画面がそろわない理由です。

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