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四則演算の順番:一歩ずつ計算してみる

執筆 Laura Bennett, MathIt · 公開日 · 更新日 · 読了目安9分
方眼紙の上で、かっこを含む式を1行に1手ずつ書きながら鉛筆で解いている。

計算の順序は、どの順番で計算するのが正しいですか?

かっこの中を先に、次に累乗、次にかけ算とわり算を左から順に、最後にたし算とひき算を左から順に計算します。これだけです。多くの人が落とすのは最後の一手で、かけ算はわり算より強くなく、たし算もひき算より強くありません。同じ段の中では、左にあるほうから計算します。

この記事の要点

  • 計算の順序の段は6つではなく4つで、かっこ、累乗、かけ算とわり算、たし算とひき算の順に進みます。
  • かけ算とわり算は1つの段を分け合い、たし算とひき算ももう1つを分け合います。段の中では左から順に計算します。
  • 国によって頭文字の覚え方は違いますが、順序のきまりは同じです。
  • 話題になる 6 ÷ 2(1 + 2) の言い争いは書き方の問題で、かっこを足せば終わります。

きまりを一文で言うと?

計算の順序は、式を決まった1つの順で進めます。かっこの中が先、次に累乗、次にかけ算とわり算を左から順に、最後にたし算とひき算を左から順に。この一文がきまりのすべてです。

このきまりは、4 + 3 × 5を読んだ人が全員同じ数にたどり着くように決めた書き方の約束です。アメリカの州共通基礎スタンダードも同じ立場で、6年生(6.EE.2c)に「特定の順序を指定するかっこがないときは、慣習的な順序で」計算することを求めています。約束がなければ、先に足す人は35、先にかける人は19になります。約束があるので、答えは19です。3 × 5を先にして、4をたします。

かっこは上書きのスイッチです。式が読みにくいときは、かっこを足すのがいつでも正しい直し方です。

海外の PEMDAS や BODMAS は別のきまりですか?

PEMDAS、BODMAS、BIDMAS は1つの約束を別の頭文字で覚えたもので、どれに出会うかは学んだ国で決まります。日本語の言い方、つまり「かっこの中を先に、累乗を次に、かけ算とわり算を先に、左から順に」と、中身は完全に同じです。

頭文字文字が表すものおもに教わる国
PEMDASかっこ、累乗、かけ算とわり算、たし算とひき算アメリカ、フィリピン
BODMASかっこ、累乗、わり算とかけ算、たし算とひき算イギリス、インド、オーストラリア、南アフリカ
BIDMASかっこ、累乗、わり算とかけ算、たし算とひき算イギリス、アイルランド
BEDMASかっこ、累乗、わり算とかけ算、たし算とひき算カナダ、ニュージーランド

大事な点が3つあります。

  • 頭のPとBはどちらもかっこで、E、O、Iはどれも累乗、つまり3の2乗や2の3乗を指します。
  • PEMDASはMがDより前、BODMASはDがMより前に並びますが、2つは同じ強さなので何も変わりません。
  • どの並びも、いちばん大事な一手、つまり同じ強さなら左からという決め手を隠しています。

こうした頭文字は教室の習慣で、教育課程の本文には出てきません。イングランドの算数・数学のナショナルカリキュラムはBIDMASという語を一度も印刷せず、6年生(Year 6)に「計算の順序についての知識を使って四則の計算を行う」ことを求めるだけです。日本の小学校学習指導要領も同じで、第4学年に「四則の混合した式や( )を用いた式について理解し,正しく計算すること」と書いています。

多くの人が間違えるのはどこですか?

計算の順序でいちばん多い間違いは、頭文字を6つの段として数えてしまうことです。段は4つです。かけ算とわり算が1つの段を分け合い、たし算とひき算がもう1つを分け合うからです。

  1. かっこ。いちばん内側から。
  2. 累乗。
  3. かけ算とわり算を、左から順に。
  4. たし算とひき算を、左から順に。

同じ段の中では、式を左から読みます。短い3行が、それぞれ頭文字が誘う間違った答えつきで、そこを見せてくれます。

  • 10 − 4 + 3 = 6 + 3 = 9。落とし穴は 10 − 7 = 3。
  • 100 ÷ 5 ÷ 2 = 20 ÷ 2 = 10。落とし穴は 100 ÷ 2.5 = 40。
  • 20 − 12 ÷ 4 × 2 = 20 − 3 × 2 = 20 − 6 = 14。落とし穴は 20 − 12 ÷ 8 = 18.5。

どの間違った答えも、左から読むかわりに頭文字を1文字ずつ守ったところから出ています。1つの式に×と÷が両方、または+と−が両方あるとき、どちらが左にあるかを先に口に出してください。

例題5つを一歩ずつ

この5つの例題は、1回のかけ算から入れ子のかっこと累乗まで、やさしい順に並べてあり、どれも1行に1手で書いてあります。

1. 4 + 3 × 5

かけ算はたし算より強いので、先に来ます。

  1. 3 × 5 = 15
  2. 4 + 15 = 19

答えは19。

2. 8 + 2 × (7 − 3)

かっこは、中身が何であれ先に来ます。

  1. 7 − 3 = 4
  2. 2 × 4 = 8
  3. 8 + 8 = 16

答えは16。

3. 20 − 12 ÷ 4 × 2

式 20 − 12 ÷ 4 × 2 にはかっこも累乗もないので、3段目から始めて左から読みます。わり算のほうが左にあります。

  1. 12 ÷ 4 = 3
  2. 3 × 2 = 6
  3. 20 − 6 = 14

答えは14。

4. 5 + 2 × 3の2乗

累乗がついているのは3だけで、2には届きません。

  1. 3の2乗 = 9
  2. 2 × 9 = 18
  3. 5 + 18 = 23

答えは23。累乗が出てくると2乗はいつも顔を出します。平方数のゲームがそこを練習します。

5. 2 × (3 + (10 − 4) ÷ 2)の2乗 − 7

入れ子のかっこは内側から外へ解きます。いちばん内側の組、次に外側のかっこを同じ4段で、そのあと累乗、かけ算、ひき算の順です。

  1. 10 − 4 = 6。式は 2 × (3 + 6 ÷ 2)の2乗 − 7 になります
  2. かっこの中は、たし算よりわり算が先。6 ÷ 2 = 3
  3. 3 + 3 = 6。式は 2 × 6の2乗 − 7 になります
  4. 6の2乗 = 36
  5. 2 × 36 = 72
  6. 72 − 7 = 65

答えは65。

1行に1手で書くと左から読み落とすのを止められますし、計算の順序のゲームが間違いを見せるときもその形を使います。

ブラウザで無料で遊ぶ計算の順序小5〜

なぜ 6 ÷ 2(1 + 2) で意見が割れるのですか?

式 6 ÷ 2(1 + 2) で意見が割れるのは書き方があいまいだからで、中の計算そのものはやさしいものです。数年ごとにこうした式が広まり、コメントの半分が1、もう半分が9や16と言い、どちらもきまりを持ち出せます。

教わったとおりに約束を当てはめると、こうなります。

  • 6 ÷ 2(1 + 2) は 6 ÷ 2 × 3 になり、3 × 3 = 9
  • 8 ÷ 2(2 + 2) は 8 ÷ 2 × 4 になり、4 × 4 = 16

どちらの式でも、かっこの前にあるのは記号を省いたかけ算です。標準の読み方はこれをわり算と同じ強さに置くので、左から順が順番を決めます。

もう一方は、2(1 + 2) を1つにくっついた量として読みます。記号を省いたかけ算が、わり算の記号よりも強く結びついて見えるからです。この読み方だと 6 ÷ 6 = 1、8 ÷ 8 = 1 になり、しっかりした支持もあります。ハーバード大学数学科の Oliver Knill は両方の約束をたどり、こうした行は本当にあいまいだと結論づけています。Texas Instruments の解説によれば、TI-80、TI-81、TI-82、TI-85 は記号を省いたかけ算を強いほうに置き、TI-83、TI-84 Plus、TI-89、TI-Nspire の各シリーズは同じ強さに置いています。同じ部屋の電卓2台が別の答えを出すのはそのためです。

この言い争いの中身は、どの頭文字もカバーしなかった書き方のすき間です。まじめに数学を書く人なら、あいまいさのない次の2つの形のどちらかを使います。

  • (6 ÷ 2) × (1 + 2) = 9
  • 6 ÷ (2 × (1 + 2)) = 1

実際の教訓はこれです。読む人が2通りに取れるなら、かっこを足す。

よくある4つの間違い

4つの誤りで間違った答えのほとんどが説明でき、うち3つは左から順よりも頭文字を信じたところから来ます。

  1. かけ算とわり算を別の段にする。 20 − 12 ÷ 4 × 2 で 4 × 2 = 8 を先にすると18.5になります。答えは14です。
  2. たし算とひき算を別の段にする。 10 − 4 + 3 で 4 + 3 を先にすると3になります。答えは9です。
  3. 累乗が隣まで飲み込む。 2 × 3の2乗 では累乗は3だけにかかるので、式は 2 × 9 = 18 です。2 × 3 を先に2乗すると36になります。
  4. 書くつもりだったかっこを落とす。 分数の線は上と下をまとめますが、1行に書いたわり算の記号はまとめません。3 + 1 を下に置くつもりで 12 ÷ 3 + 1 と書くと、3ではなく5になります。12 ÷ (3 + 1) と打ってください。

きまりを体に入れるには?

きまりが体に入るのは、4つの段を目の前に置いて短い混合の式をくり返し解いたときです。きまりを読むのは2分ですが、時間に追われながら使うのは別の技術です。

段すること決め手
1かっこ。いちばん内側から各かっこの中も同じ4段で
2累乗と根号累乗がついている相手だけ
3かけ算とわり算左から順に
4たし算とひき算左から順に

それを速くする習慣が4つあります。

  1. 演算が3つの式を練習する。20 − 12 ÷ 4 × 2 のほうが、半ページもある式より多くを教えます。順番だけを試しているからです。
  2. いま行った一手を、5つの例題と同じように1行ずつ書く。
  3. 土台の計算を先に速くする。12 ÷ 4 に3秒かかるなら、きまりに残る注意がありません。使える暗算のコツがその層を扱います。
  4. 1回の練習で演算を混ぜる。かけ算だけのプリントでは順番は試されませんが、混ざったプリントなら試されます。印刷できる小学5年生向けのまとめプリントには答えもついています。
無料で印刷できるプリント混合計算 — 5年生ワークシート · PDF

日本では四則の混じった式とかっこが小学4年、累乗と文字式は中学1年です。文字が来ると 3(x + 4) − 2 のような行は読み方が1つしかなくなり、xを求めるゲームもそれが読める前提で作られています。小学5年生向けの算数ゲームのページに、その前後のブラウザゲームがまとまっています。

MathIt の約90種類のゲームのうち22種類は登録なしでブラウザで動き、iOS と Android の無料アプリでは難しさが答えに合わせて動くので、短い式が取れるようになってから式は長くなります。

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よくある質問

計算の順序は、なぜ決まっているのですか?

計算の順序が決まっているのは、同じ式を読んだ人が全員同じ数にたどり着くようにするためです。証明されたきまりではなく、書き方の約束です。約束がなければ 4 + 3 × 5 は19にも35にもなり、どちらが読み違えたのか決められません。だからこそ、迷う書き方をしたときはかっこで直すのが正しい手当てになります。

かけ算は、いつもわり算より先ですか?

かけ算がいつもわり算より先に来るわけではなく、そう思い込むのがいちばん多い読み違いです。かけ算とわり算は1つの段で、左にあるほうから順に取ります。20 − 12 ÷ 4 × 2 ではわり算が先に来るので、答えは14であって18.5ではありません。

6 ÷ 2(1 + 2) の答えは何ですか?

学校で教わる約束にしたがえば 6 ÷ 2(1 + 2) = 9 です。2(1 + 2) はわり算と同じ強さのふつうのかけ算なので、左から順が効きます。記号を省いたかけ算のほうが強く結びつくと読む人は1になります。式そのものがあいまいなので、(6 ÷ 2) × (1 + 2) か 6 ÷ (2 × (1 + 2)) と書いてください。

計算の順序は何年生で習いますか?

計算の順序は、日本では小学4年で四則の混じった式とかっこの式として登場し、5年と6年でくり返し使います。学習指導要領は第4学年に「四則の混合した式や( )を用いた式について理解し,正しく計算すること」を置いています。累乗と文字を使った式は中学1年です。かっこ自体は文章題の中でもっと早く出てきます。

電卓は計算の順序にしたがいますか?

関数電卓と表計算ソフトは計算の順序にしたがいます。四則だけの簡単な電卓の多くはしたがわず、打った順にそのまま左から計算するので、4 + 3 × 5 は19ではなく35を返します。記号を省いたかけ算の扱いも機種によって分かれ、それが話題の式で画面がそろわない理由です。

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