有理数と無理数とは?意味と見分け方を例でやさしく解説

有理数とは何ですか?無理数とどうちがいますか?
有理数とは、整数pと0でない整数qを使って、分数p/qの形で表せる数です。整数、負の整数、分数、0.75のような有限小数、0.333…のような循環小数はすべて有理数です。√2やπのように、小数がどこまでも終わらず、くり返しもない数は無理数です。
この記事の要点
- 有理数は、整数pと0でない整数qを使ってp/qと書ける数なので、5、−5、0、3/4、0.75はすべて有理数です。
- 無理数は、2つの整数の比で表せない実数で、√2 = 1.41421…やπ = 3.14159…のように、小数がどこまでも終わらず、くり返しもありません。
- 有限小数と循環小数はすべて有理数なので、0.272727…は27/99と書き直せて、約分すると3/11になります。
- 整数の平方根は、その数が平方数のときだけ有理数になるので、√9 = 3は有理数で、√2、√3、√5は無理数です。
- 分数22/7は有理数でπの近似値にすぎません。22/7 = 3.142857142857…はくり返し、π = 3.14159…はくり返さないからです。
中学3年生のお子さんの宿題に「0.333…、√9、πは有理数か」という問題があり、答えには「無理数は最後の1つだけ」と書いてある。有理数とは2つの整数の分数で書ける数のことで、無理数はどれだけがんばっても書けない数です。1つの定義と5つの短いテストで、どんな数でも仕分けられます。電卓にπの終わりが表示されない理由も、これで説明できます。
有理数とは?
有理数とは、整数pと0でない整数qを使って、分数p/qの形で書ける数です。OpenStax Prealgebra 2e の7.1節は「有理数とは、2つの整数の比として書ける数である」と1行で定義しています。英語の rational は「比(ratio)」から来た言葉なので、p/qがあやふやなら分数の解説から始めるとよいでしょう。
同じOpenStaxの節は、もう一方も定義しています。「無理数とは、2つの整数の比として書けない数である。その小数表示は終わらず、くり返さない。」この2つを合わせたものが実数で、数直線上のすべての点にあたります。
日本では、有理数と無理数は中学3年生で学びます。中学校学習指導要領は第3学年で「数の平方根」を扱い、「有理数」と「無理数」を用語として挙げています。アメリカのCommon Coreの8.NS.A.1は8年生に、有理数でない数を無理数と呼ぶことを知り、有理数の小数表示がいずれくり返すことを示し、くり返す小数を有理数に直すことを求めています。
数の集合の家族:ℕ、ℤ、ℚ、ℝ
数の集合は、入れ子の箱のように互いの中に収まっています。自然数ℕ(1、2、3…)は整数ℤの中にあり、整数は0と−5のような負の数を加えたものです(負の数の解説を参照)。整数は有理数ℚの中にあり、有理数は3/4や0.75のような分数と小数を加えたもので、ℚは実数ℝの中にあります。日本の中学校では、自然数は正の整数1、2、3…のことで、0はふくみません。
無理数は、ℝのうちℚの外側の部分をうめています。文字ℚは、わり算の答えである「商(quotient)」を表し、Wolfram MathWorldはドイツ語の Quotient が由来だとしています。アメリカの教科書の多くは、0、1、2、3…を whole numbers と呼んでℕとℤの間の段階に置きます。日本の小学校で「整数」と呼ぶのもこの0、1、2…で、中学校で負の数を学ぶと、整数に負の整数が加わります。

有理数かどうかを見分ける手順
ある数は、下の最初の4つのテストのどれか1つでも「はい」なら有理数で、すべてに当てはまらない数だけが無理数です。順番にテストして、最初の「はい」で止めます。
- 整数の分数を探す。 7/3や−2/5のように、分子も分母も整数のp/qで書かれた数は有理数です。4 = 4/1、0 = 0/1なので、整数も有理数です。
- 終わる小数か確かめる。 有限小数は10、100、1000を分母とする分数なので有理数です。0.75 = 75/100 = 3/4、2.5 = 25/10 = 5/2です。
- くり返す小数か確かめる。 同じ数字のまとまりが永遠にくり返す小数は有理数で、0.333… = 1/3、0.1666… = 1/6です。Common Coreの7.NS.A.2dも、わり算の筆算で有理数を小数に直し、有理数の小数表示が0で終わるか、いずれくり返すことを知るよう求めています。
- 平方根は平方数か調べる。 整数の平方根は、その数が平方数のときだけ有理数です。√9 = 3と√49 = 7は有理数で、√2、√3、√10は無理数です。
- 有名な無理数を覚えておく。 円周率π(3.14159…)、e(2.71828…)、そして1.010010001…のようにくり返さないように作った小数は無理数です。
まちがえやすいところ:22/7と0.333…
分数22/7は有理数で、πは無理数です。日本の小学校では円周率に3.14を使い、英語圏では22/7もよく使われますが、どちらもπそのものではありません。わり算をすると22/7 = 3.142857142857…で、142857のまとまりがくり返します。一方π = 3.14159…は決まったまとまりに落ち着きません。2つの数は小数第3位からちがうので、22/7は近似値です(円周の長さと円の面積では両方を使っています)。
小数0.333…は終わりがないように見えるので、無理数だと思う人が多いのですが、ちょうど1/3です。どこまでも続く小数でも、くり返すなら有理数です。終わらず、しかもくり返さない小数だけが無理数です。
有理数と無理数の例を並べて比べる
有理数と無理数は、よく出る例に同じテストを当てはめてみると見分けやすくなります。下の比較表の各行には、数、判定、理由、分数で書ける場合はその分数があります。
| 数 | 有理数か | 理由 | 分数で書くと |
|---|---|---|---|
| 0 | はい | 整数 | 0/1 |
| −5 | はい | 整数 | −5/1 |
| 0.75 | はい | 有限小数 | 3/4 |
| 0.333… | はい | 循環小数 | 1/3 |
| √9 | はい | 9は平方数で、√9 = 3 | 3/1 |
| √2 | いいえ | 2は平方数ではない | なし |
| π | いいえ | 小数が終わらず、くり返さない | なし(22/7が近い) |
| 22/7 | はい | もともと整数の比 | 22/7 |
| 1.010010001… | いいえ | 規則が伸びていくので、くり返すまとまりがない | なし |
どのテストから試すか
いちばん速いテストは、数がどう書かれているかで決まります。分数や整数は見ただけで有理数、小数は「終わるか、くり返すか」を確かめ、平方根は平方根の解説にある平方数のチェックをします。日本の中学校では、49の平方根は±7の2つで、√49 = 7はそのうち正のほうだと学びます。
比較表の最後の行がいちばんまぎらわしい例です。小数1.010010001…には「0が1つずつ増える」というはっきりした規則がありますが、永遠にくり返す1つのまとまりはないので、無理数です。
循環小数を分数に直す方法
循環小数は、くり返す部分をかけ算で消すと分数になります。x = 0.272727…とすると、くり返すまとまり「27」は2けたなので、100をかけます。
- 100x = 27.272727…
- x = 0.272727…
- ひくと 99x = 27 なので、x = 27/99 です。
27/99は分子と分母を9でわって約分すると3/11になります。この手順は分数の約分のしかたで説明しています。わり算で確かめると、3 ÷ 11 = 0.272727…で、最初の小数にもどります。日本の教科書では、0.272727…のような循環小数を、くり返す部分の最初と最後の数字の上に点をつけて書きます。
少しおくれてくり返しが始まる小数は、手順が1つ増えます。x = 0.1666…なら、10x = 1.666…、100x = 16.666…なので、100x − 10x = 90x = 15、x = 15/90 = 1/6です。この確かめに使う小数のわり算は小学5年生で学ぶ内容で、小数点より右の位取りは小数の解説で説明しています。
無料で印刷できるプリントわり算 — 6年生ワークシート · PDF練習の決まり:まとまりのけた数だけ9を並べる
小数点のすぐ後から始まるn けたのまとまりがくり返すなら、分母は9をn個並べた数になります。0.777… = 7/9、0.272727… = 27/99、0.123123… = 123/999 = 41/333です。
無理数には分数の形がないので、小数の近似値を使って位置を決めます。Common Coreの8.NS.A.2は、無理数の大きさを比べるために有理数の近似値を使うことを求め、√2が「1と2の間、さらに1.4と1.5の間」にあることを示す例を挙げています。確かめは簡単で、1.4² = 1.96、1.5² = 2.25なので、√2はその間にあります。

有理数の理解を確かめる方法
5つの短い問題で、数を仕分けられているのか、当てずっぽうなのかが分かります。何も見ずに答えてから比べましょう。
- 整数: −12は有理数か。−12 = −12/1なので、有理数です。
- 平方根: √16、√20、√25のうち有理数はどれか。√16 = 4と√25 = 5は有理数で、20は平方数でないので√20は無理数です。
- 循環小数: 0.444…を分数で書く。答えは4/9です。
- 2けたのまとまり: 0.454545…を分数で書く。答えは45/99 = 5/11です。
- 大小の順: 7/3、√5、2.2を小さい順に並べる。√5 ≈ 2.236、7/3 ≈ 2.333なので、2.2、√5、7/3の順です。
10分間のセルフテスト
10分間のセルフテストでは、分数、有限小数、循環小数、平方根、πを1つずつ混ぜて出します。何か書く前に判定と理由を声に出し、その理由を5つのテストと照らし合わせましょう。
判定は合っているのに分数をまちがえるなら、つまずいているのは有理数の考え方ではなく計算です。144までの平方数と、9を並べる決まりをすぐに思い出せれば、そうしたミスのほとんどがなくなります。数学を学び直す大人は、大人向けの算数ゲームで毎日短く練習できます。
よくあるまちがいと特別な場合
有理数についてのまちがいの多くは4つにまとめられ、どれも短い直し方があります。
- 終わらない小数をすべて無理数と思う: 0.333…はどこまでも続きますが、1/3です。終わるかどうかではなく、数字がくり返すかどうかを聞きます。
- 22/7や3.14をπと思う: どちらも有理数の近似値です。「π ≈ 3.14」と≈を使って書くと、ちがいが目に見えます。
- 平方根をすべて無理数と思う: √9、√36、√100は整数です。まず平方数かどうかを調べます。
- 0と負の数を忘れる: 0 = 0/1、−7 = −7/1は有理数です。禁止されているのは、分母が0になることだけです。
特別な場合:無理数どうしの和と積
有理数に無理数をたすと、答えはいつも無理数なので、3 + √2やπ − 1は無理数です。0でない有理数に無理数をかけても無理数なので、2πも無理数です。
無理数どうしを組み合わせると、有理数になることがあります。√2 × √2 = 2、√2 + (−√2) = 0で、どちらも有理数です。√2が無理数である理由には有名な証明があります。√2 = p/q(これ以上約分できない分数)とすると、p² = 2q²なのでpは偶数です。p = 2kとおくとq² = 2k²となり、qも偶数になって、「これ以上約分できない」ことに矛盾します。MathWorldも、無理数は「小数表示が終わることも、周期的になることもない」と書いています。
有理数のチェックリストと次のステップ
- 分数の形: 整数で、q ≠ 0のp/qと書けるか。書けるなら有理数。
- 小数の形: 小数が終わるか、くり返すか。どちらかなら有理数。
- 平方根: 根号の中が平方数か。平方数のときだけ有理数。
- 近似値: 22/7や3.14はπの代わりであって、π自身ではない。
- 循環小数: nけたのまとまりは9をn個並べた数の上に置き、約分する。
- 確かめ: 求めた分数をわり算で小数にもどし、一致するか確かめる。
ブラウザで遊べる無料の平方数ゲームでは、平方根のテストに使う平方数を登録なしで練習できます。
MathIt は iOS と Android の無料アプリで、約90種類のゲームがあり、難しさが一人ひとりに合わせて変わります。毎日の短い練習で、これらのテストに使う平方数、分数、わり算をすばやくできるようにします。
よくある質問
無理数とは何ですか?
無理数とは、2つの整数の分数で表せない実数です。小数で表すと、どこまでも終わらず、くり返す数字のまとまりもありません。よく知られた例は√2 = 1.41421…、π = 3.14159…、e = 2.71828…で、平方数でない整数の平方根もすべて無理数です。
0は有理数ですか?
0は有理数です。分子も分母も整数で、分母が0でない分数0/1と書けるからです。0/5や0/−8と書くこともできます。逆の1/0は数ではありません。0でわる計算は定義されないからです。
円周率πは有理数ですか?
円周率πは有理数ではなく、無理数です。小数で表すと3.14159265…とどこまでも終わらず、くり返しもないので、πにぴったり等しい2つの整数の分数はありません。22/7や355/113は、ふだんの計測には十分近い、πの有理数の近似値です。
4は有理数ですか?
4は有理数です。分数4/1と書けるからです。どの整数も同じように書けるので、−4、0、400も有理数です。平方根√4も有理数で、4は平方数なので√4 = 2になります。
循環小数は有理数ですか?
循環小数はいつも有理数です。0.333…や0.272727…のような小数は、2つの整数の分数に書き直せます。0.333… = 1/3、0.272727… = 27/99 = 3/11です。どこまでも終わらず、くり返しもない小数だけが無理数です。
MathIt ブログ


