分数がわからない子への教え方:学校で習うことと、おうちでできる手助け

分数がわからない小学生に、どう教えればいいですか?
分数は、1つのものを等しく分けた大きさを表す数です。分母は全体をいくつに等しく分けたか、分子はそのうちのいくつ分かを表します。いまの学校は分数を数直線の上の数として扱い、1⁄4のような単位分数のいくつ分で組み立て、分母が違う分数のたし算は小学5年で通分して学びます。
この記事の要点
- 分数は1つのものを等しく分けた部分を表す数で、分母は分けた数を、分子はそのうちのいくつ分をとるかを数えます。
- 小学3年では、分数を1⁄4のような単位分数のいくつ分として表し、0から1までの数直線の上の数としても扱います。
- 大きさの等しい分数は、分子と分母に同じ数をかけてつくれるので、1⁄2 = 2⁄4 = 4⁄8になります。
- 分母が大きいほど1つ分は小さくなるので、同じピザの1⁄8は1⁄4より少なくなります。
- 分母が違う分数のたし算は、先に通分して分母をそろえます。1⁄3 + 1⁄4 = 4⁄12 + 3⁄12 = 7⁄12です。
分数とは何か、子どもにわかる言葉で言うと?
分数は、1つのものを等しく分けたうちのいくつ分があるかを表す数です。サンドイッチを4つに等しく切って3つ食べたら、食べたのは3⁄4です。いちばん大事な言葉は「等しく」で、大きさのばらばらな4切れは4分の1ではありません。
分数には2つの数があり、はじめのうち子どもはこの2つを取りちがえます。
- 分母(下の数)は、全体をいくつに等しく分けたかを表します。1つ分の大きさを決める数です。
- 分子(上の数)は、そのうちのいくつ分があるかを表します。数える数です。
分子が1の分数を単位分数といいます。1⁄2、1⁄3、1⁄4、1⁄8です。ほかの分数はすべて、この単位分数からできています。アメリカのコモン・コア基準は3⁄4を「1⁄4の大きさが3つ分」と説明していて(3.NF.A.1)、日本の小学校学習指導要領も第3学年で「分数が単位分数の幾つ分かで表すことができること」を求めています。この考え方は、のちにお子さんが分数のたし算をするときの土台にもなります。3⁄4は1⁄4 + 1⁄4 + 1⁄4です。
多くの子にとって、分数の入り口は「分けること」です。アメリカ教育省の What Works Clearinghouse がまとめた手引きDeveloping Effective Fractions Instruction for Kindergarten Through 8th Gradeは、子どもがふだんの生活で身につけている「分ける」感覚をもとに分数を導入するよう、先生たちにすすめています。子ども2人とクッキー1枚があれば、数字を1つも書く前に「2分の1」の授業ができます。
学校はなぜ分数を数直線に表すのですか?
学校が分数を数直線に表すのは、分数が大きさをもつ1つの数であり、数直線がその大きさを見せてくれるからです。分数をピザの切れ目だけで習った保護者は多いでしょう。けれどもその絵は大事なことを隠します。3⁄4は、7が6と8の間にあるのと同じように、0と1の間にある数です。
コモン・コア基準は小学3年で、分数を数直線の上の数として理解することを求めています(3.NF.A.2)。日本の学習指導要領も第3学年で、小数の0.1と分数の1⁄10などを数直線を使って関係づけて扱うよう定めています。家でやるなら、次のようになります。
- 線を1本かき、片方のはしに0、もう片方に1と書きます。
- その間を4つの等しいはばに分けます。
- 最初の目もりが1⁄4です。0から2つ進むと2⁄4、3つ進むと3⁄4です。
- 4つ進むと1に着くので、4⁄4 = 1です。
What Works Clearinghouse の手引きは、低学年からずっと数直線を表し方の中心の道具として使うようすすめています。アメリカの全米数学諮問委員会も2008年に同じような見方を示しました。分数のつまずきは広く見られ、代数へ進むうえで大きな壁になると述べ、分数を数直線に置ける力を、分数の理解と分数の計算をつなぐ鍵の1つに挙げています。
大きさの等しい分数は、どう説明すればいいですか?
大きさの等しい分数とは、1⁄2 = 2⁄4 = 4⁄8のように、同じ量を別の形で表した分数です。いちばん早く見せられるのは、細長い紙のテープです。
- テープを半分に折り、半分に色をぬります。これが1⁄2です。
- もう一度半分に折ってから開きます。色をぬった部分は、4つの等しい部分のうち2つ分、つまり2⁄4です。
- さらにもう一度折ります。色の部分は8つのうち4つ分、4⁄8です。
色をぬった量は一度も変わっていません。1つ分が小さくなり、数が増えただけです。きまりはこれで全部で、コモン・コア基準の小学4年の項目も1行で言っています。分子と分母に同じ数をかけると、大きさの等しい分数ができる(4.NF.A.1)。日本の学習指導要領は第5学年で、同じ数を「乗除」してできる分数はもとの分数と同じ大きさだと扱います。分子と分母を同じ数でわって4⁄8を1⁄2にするのが約分です。
- 1⁄2 = (1 × 2)⁄(2 × 2) = 2⁄4
- 2⁄3 = (2 × 2)⁄(3 × 2) = 4⁄6
- 3⁄4 = (3 × 3)⁄(4 × 3) = 9⁄12
どの手順も九九の1つなので、九九に時間がかかる子は大きさの等しい分数でつまずきます。分数のプリントを増やすより、数分の九九の練習のほうが、ここではよく効きます。
ブラウザで無料で遊ぶ九九小3〜分数の大きさは、どう比べればいいですか?
子どもは、2つの分数に何が共通しているかを見て大きさを比べます。分母が同じか、分子が同じか、どちらも違うか。それぞれに手早い見分け方があります。
| 場合 | きまり | 例 |
|---|---|---|
| 分母が同じ | 1つ分の大きさが同じなので、数が多いほうが大きい | 5⁄8 > 3⁄8 |
| 分子が同じ | 数が同じなので、1つ分が大きいほう、つまり分母が小さいほうが大きい | 3⁄4 > 3⁄5 |
| どちらも違う | それぞれを1⁄2と比べる | 3⁄8 < 1⁄2 < 5⁄6 なので 3⁄8 < 5⁄6 |
| 大きさが近い | 通分して分母をそろえる | 2⁄3 = 8⁄12、3⁄4 = 9⁄12 なので 3⁄4 のほうが大きい |
いちばん多いまちがいは、8は4より大きいから1⁄8は1⁄4より大きい、と考えることです。What Works Clearinghouse の手引きもこの形をそのまま挙げていて、子どもは分母が大きい分数を大きいと見てしまうと書いています。直すには、人の数の質問が効きます。1枚のピザを、友だち3人と分けるのと7人と分けるのと、どちらがいい? お子さんはすぐに答えられ、その答えがきまりそのものです。
基準にはもう1つ、声に出して伝えたい点があります。大きさ比べができるのは、2つの分数が同じ全体をもとにしているときだけです。小さいピザの半分と大きいピザの半分は、同じ量ではありません。大きさを比べる力は、子どもが整数ですでに練習しているものです。等号・不等号の準備には、数の大小くらべを1回やると肩ならしになります。
分母が違う分数のたし算は、どうすればいいですか?
分母が違う分数は、両方を同じ大きさの1つ分に分け直してから、はじめてたせます。この分け直しが通分です。コモン・コア基準の小学5年の項目は、これをもとの分数を大きさの等しい分数に置きかえることで分母をそろえる、と言っています(5.NF.A.1)。日本でも、異分母の分数のたし算・ひき算は第5学年の内容です。
例題:1⁄3 + 1⁄4。
- 両方の分母でわり切れる数を見つけます。 3の段と4の段を順に言うと、12がどちらにも出てきます。
- それぞれの分数を直します。 1⁄3 = 4⁄12(分子と分母に4をかける)。1⁄4 = 3⁄12(分子と分母に3をかける)。
- 分子どうしをたし、分母はそのままにします。 4⁄12 + 3⁄12 = 7⁄12。
- 大きさを確かめます。 どちらの分数も1⁄2より少し小さいので、答えは1⁄2より少し大きくなるはずです。7⁄12は6⁄12より少し大きい。合っています。
よくあるまちがいは、分子どうし、分母どうしを別々にたして1⁄3 + 1⁄4 = 2⁄7とする答えです。WWC の手引きは、このまちがいの根を、分数を大きさのある数として見ていないことにあるとし、見積もりで気づかせるようすすめています。ここでも見積もりが効きます。2⁄7は1⁄3より小さく、1⁄3に1⁄4をたして、もとより小さくなることはありません。コモン・コア基準の小学5年の項目も同じ確かめ方を使い、3⁄7は1⁄2より小さいので2⁄5 + 1⁄2 = 3⁄7はまちがいだと気づく例を挙げています。
12かけに割れる板チョコがあれば、この例が目の前で見えます。板チョコの3分の1は4かけ、4分の1は3かけで、合わせると12かけのうちの7かけです。
分数は、何年生で何を習いますか?
日本の算数では、分数は小学2年から6年まで、学年ごとに決まった段階を踏んで進みます。小学2年で1⁄2や1⁄4のような簡単な分数に出会い、小学6年で分数のかけ算・わり算に進みます。その間の中心になる3学年を、学習指導要領にそってまとめると次のようになります。ほかの分野も含めた学年ごとの内容は、各学年で身につけたい算数にまとめています。
| 学年 | お子さんが学ぶこと | 出てくる分数 |
|---|---|---|
| 小学3年 | 等しく分けた大きさを分数で表す、単位分数のいくつ分、数直線、簡単な場合の分数のたし算・ひき算 | 単位分数と、1より小さい簡単な分数 |
| 小学4年 | 大きさの等しい分数があること、分母が同じ分数のたし算・ひき算 | 真分数・仮分数・帯分数 |
| 小学5年 | 分数と小数・わり算の関係、分数の大小、通分・約分、分母が違う分数のたし算・ひき算 | 分母が違う分数 |
小学5年では、3⁄4が3 ÷ 4を表すことも学びます。このつながりがあるので、わり算の力もここで役に立ちます。わり算の練習を1回やるか、小学3年生向けのわり算プリントを1枚やれば、力が落ちません。小学4年生の段階に合わせた練習は、小学4年生向けの算数ゲームのページにあります。
無料で印刷できるプリントわり算 — 3年生ワークシート · PDF食卓でできる、分数が身につく遊び
家でする短い手作業の遊びは、プリントの束より分数をよく教えます。お子さんが等しい部分を自分の目で見て、手で動かせるからです。
- 計量カップ。 200mLの計量カップの1⁄4の目もりまで水を入れ、それを2回くり返すと1⁄2の目もりに届きます。目の前で2⁄4 = 1⁄2になるわけです。次は1カップの水を同じコップ3つに等しく分け、1つが1⁄3になるのを見せます。
- 紙を折る。 1枚の紙を半分、4分の1、8分の1に折り、毎回同じ量に色をぬります。テープを並べて、同じ大きさの分数に名前をつけます。
- 板チョコを分ける。 12かけの板チョコを使います。1⁄2、1⁄3、1⁄4、1⁄6はそれぞれ何かけかを聞きます。答えは6、4、3、2です。
- パイやピザを切る。 8つに等しく切ります。3⁄8と1⁄2のどちらが多いかを聞き、お子さんに数えて確かめさせます。
- 冷蔵庫に数直線。 0から1までの紙テープをはり、毎晩1つずつ新しい分数を書き足します。
10分までにして、まだ楽しいうちにやめてください。親子で一緒にできる算数のアイデアは、親子で遊べる算数ゲームのページにもっとあります。
よくある質問
分数は何年生で習いますか?
日本の子どもは、学習指導要領にそって小学2年から6年まで分数を少しずつ学びます。小学2年で1⁄2や1⁄4のような簡単な分数を知り、小学3年で分数の意味と表し方、単位分数のいくつ分を学びます。小学4年で大きさの等しい分数と分母が同じ分数のたし算・ひき算、小学5年で通分・約分と分母が違う分数のたし算・ひき算、小学6年で分数のかけ算・わり算に進みます。
1⁄8が1⁄4より小さいのはなぜですか?
8分の1が4分の1より小さいのは、同じ全体をより多くの数に分けているからです。1枚のピザを8人で分けると、4人で分けるときより1切れは小さくなります。分母は分けた数を数えるので、分子が同じなら、分母が大きいほど1つ分は小さくなります。
学校で分数を数直線に表すのはなぜですか?
学校が数直線を使うのは、数直線が分数を大きさのある1つの数として見せてくれるからです。円の絵は、図形の一部分しか見せません。0から1までの数直線なら、3⁄4が1⁄2より先にあり、4⁄4がちょうど1に着くことが目で見てわかります。アメリカ教育省の研究機関がまとめた手引きも、低学年から数直線を中心の道具にするようすすめています。
分数を教えるのに、九九は必要ですか?
九九は、大きさの等しい分数と通分の計算の大部分を支えています。1⁄3を4⁄12に直すのは1 × 4と3 × 4で、4分の1と6分の1を通分するには、12が4の段にも6の段にもあると気づく必要があります。九九に時間がかかる子は、分数の計算にも時間がかかります。
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