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三平方の定理(ピタゴラスの定理)の使い方:直角三角形の辺を求める

執筆 Laura Bennett, MathIt · 公開日 · 読了目安12分
明るい木の作業台の上に、大工さんの金属のさしがね、折りたたみ式の木の定規、えんぴつがあり、3本の木の棒が直角三角形の形に並べてある。

三平方の定理とは何ですか?どうやって辺の長さを求めますか?

三平方の定理は、直角三角形で直角をはさむ2辺をa、b、斜辺をcとすると、a² + b² = c²が成り立つという定理です。斜辺を求めるには、2辺をそれぞれ2乗してたし、その平方根をとります。2辺が3と4なら9 + 16 = 25なので、斜辺は5です。

この記事の要点

  • 三平方の定理は、どんな直角三角形でも、斜辺の2乗が直角をはさむ2辺の2乗の和に等しいという定理で、a² + b² = c²と書きます。
  • 斜辺は直角三角形でいちばん長い辺で、いつも90°の角の向かい側にあります。
  • 斜辺を求めるには、2辺を2乗してたし、平方根をとります。2辺が6と8なら36 + 64 = 100で、斜辺は10です。
  • 残りの辺を求めるときは、たすかわりにひきます。斜辺13と1辺5なら169 − 25 = 144で、もう1辺は12です。
  • 三平方の定理は直角三角形だけに使え、逆を使うと直角かどうかの判定になります。3辺が3、4、5の三角形は必ず直角三角形です。

ウッドデッキを組む大工さんが、1枚の板に沿って30 cm、もう1枚に沿って40 cmの印をつけ、2つの印の間がちょうど50 cmかをはかります。そうなら、その角は直角です。この確かめ方が三平方の定理で、同じきまりを使えば、中3のお子さんが今夜の宿題で斜辺や分からない辺の長さを求められます。

三平方の定理とは何か

三平方の定理は、直角三角形で、短い2辺の2乗の和が、いちばん長い辺の2乗に等しいという定理です。OpenStaxの初等代数9.3節は「どんな直角三角形ΔABCでも、a² + b² = c²」と書いていて、cが斜辺、aとbが直角をはさむ2辺です。

右上の小さな2は「2乗」、つまり同じ数を2回かけることで、3² = 3 × 3 = 9です。書き方を忘れていたら累乗(指数)の解説を見てください。直角をはさむ2辺が3と4、斜辺が5の直角三角形は、9 + 16 = 25なのでこのきまりに合います。

3辺がa = 3、b = 4、c = 5の直角三角形。それぞれの辺に正方形がかかれ、9、16、25個の小さな正方形に区切られている。3² + 4² = 5²と9 + 16 = 25の式がそえてある。
3辺がa = 3、b = 4、c = 5の直角三角形。それぞれの辺に正方形がかかれ、9、16、25個の小さな正方形に区切られている。3² + 4² = 5²と9 + 16 = 25の式がそえてある。

図を見ると、このきまりが正方形の話だと分かります。長さ3の辺にかいた正方形には小さな正方形が9個、長さ4の辺には16個、長い辺には25個入ります。小さい2つの正方形を合わせると、大きな正方形がぴったりうまります。「三平方」という名前も、この3つの正方形から来ています。

どの辺が斜辺か

斜辺は直角の向かい側にある辺で、いつもいちばん長い辺です。OpenStaxも同じように「90°の角の向かい側にある辺を斜辺といい、ほかの2辺を脚という」と定義しています。

まず直角の小さな四角い印を見つけ、三角形の反対側で、その角にふれていない辺を見ます。それがcです。aとbはどちらをどちらにしてもかまいません。a² + b²はどちらでも同じ和になるからです。分度器を使わずに直角を見分ける方法は、三角形と角の種類で紹介しています。

日本では三平方の定理を中学3年生で学びます。中学校学習指導要領は第3学年で「三平方の定理の意味を理解し,それが証明できることを知ること」と「三平方の定理を具体的な場面で活用すること」を求めています。

斜辺の求め方を順番に

斜辺は、2乗、2乗、たし算、平方根の4つの計算で求めます。直角をはさむ2辺が9 cmと12 cmの直角三角形で考えましょう。

  1. 辺に名前をつける。 直角を見つけ、その向かい側の辺をc、残りの2辺をaとbとします。ここではa = 9、b = 12で、cが分かりません。
  2. 2辺をそれぞれ2乗する。 それぞれ同じ数をかけて、9 × 9 = 81、12 × 12 = 144です。
  3. 2乗をたす。 81 + 144 = 225です。この和がc²で、斜辺にかいた正方形の面積です。
  4. 平方根をとる。 2乗すると225になる数を考えます。答えは15なので、c = 15 cmです。
  5. 大きさを確かめる。 斜辺はどちらの辺よりも長く、2辺の和よりは短くなるはずです。15は12より大きく、9 + 12 = 21より小さいので、もっともらしい答えです。

大人がいちばん忘れやすいのはステップ4です。手で平方根を求める方法は平方根の解説にあり、15 × 15 = 225までの平方数を覚えておくと、宿題のほとんどがすぐ解けます。

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つまずきやすいところ:辺をそのままたす

いちばん多い間違いは、2乗ではなく辺の長さそのものをたすことです。3、4、5の直角三角形で斜辺を3 + 4 = 7と書くのは長さをたしただけで、ななめの辺が2辺をつなげた長さと同じになることはありません。

2番目の間違いは、ステップ3で止まることです。2辺が3と4ならc² = 25で、25は斜辺にかいた正方形の面積なので、辺の長さは5です。「2乗して、たして、平方根」と声に出し、順番が自然に出るまでくり返しましょう。

残りの辺の求め方

残りの辺を求めるときは、1つの手順を逆にして、たすかわりにひきます。斜辺の2乗がいちばん大きいので、直角をはさむ辺の2乗はc² − b²になります。

長さ13 mのはしごの下の端が、壁から5 mはなれているとします。はしごが斜辺なので、13² = 169、5² = 25です。169 − 25 = 144で、144の平方根は12なので、はしごは壁の高さ12 mまで届きます。

同じ問題は、分からない数が1つの方程式としても書けます。OpenStaxは25 + b² = 169として解いていて、bを求めるにはxの求め方と同じ動きを使います。両辺から25をひき、平方根をとります。中学校では、b > 0なので正の平方根だけを答えにします。

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覚えておきたい3辺が整数の直角三角形

3つの整数がa² + b² = c²にぴったり合う組を、ピタゴラス数といいます。次の5組で、宿題も現場の作業もほとんどまかなえます。

3辺 (a, b, c)a² + b²c²出てくる場面
3, 4, 59 + 16 = 2525直角の確かめ、教科書の最初の例
6, 8, 1036 + 64 = 1001003:4:5の2倍、大きな直角の確かめ
5, 12, 1325 + 144 = 169169はしごの問題
8, 15, 1764 + 225 = 289289中3のテスト問題
7, 24, 2549 + 576 = 625625大きな数の練習問題

ピタゴラス数を整数倍しても、またピタゴラス数になります。3、4、5を2倍すると6、8、10、3倍すると9、12、15で、手順の例に出てきた三角形です。ピタゴラス数に気づけば、平方根の計算をとばせます。日本の教科書では、3:4:5、5:12:13のような辺の比として覚えることも多くあります。

身近な使い方:画面、はしご、直角のかど

三平方の定理は、2つの長さが直角に交わり、その両端の間のななめの距離を知りたいところならどこでも使えます。アメリカの州共通基礎スタンダード8.G.B.7は「2次元と3次元の現実の問題や数学の問題で、三平方の定理を使って直角三角形の分からない辺の長さを求める」ことを求めています。

  • 画面の対角線: テレビやモニターの「何型」は、かどからかどまでの対角線の長さをインチで表したものです。横48インチ、たて36インチの画面は、2,304 + 1,296 = 3,600で、3,600の平方根は60なので、対角線は60インチ、つまり60型です。
  • 壁に立てかけたはしご: 壁と地面が直角をつくり、はしごが斜辺です。下の端が壁から6 m、上の端が高さ8 mなら、10 mのはしごが必要です。
  • 方眼の上の距離: 8.G.B.8は「座標平面上の2点間の距離を、三平方の定理を使って求める」ことを求めています。東へ3ブロック、北へ4ブロック歩くと、出発点からまっすぐ5ブロックの位置にいます。
線でかかれた、壁に立てかけたはしご。壁の高さは8、はしごの下の端は壁から6はなれていて、はしごにはcと書いてある。6² + 8² = c²、36 + 64 = 100、c = 10の式がそえてある。
線でかかれた、壁に立てかけたはしご。壁の高さは8、はしごの下の端は壁から6はなれていて、はしごにはcと書いてある。6² + 8² = c²、36 + 64 = 100、c = 10の式がそえてある。

3:4:5で直角を確かめる

3:4:5の確かめ方を使えば、メジャー1本でかどが直角かどうかを確かめられます。かどから一方の辺に沿って3 m、もう一方に沿って4 mの印をつけ、2つの印の間をはかります。ちょうど5 mなら、そのかどは直角です。日本の大工さんが昔から使う「大矩(おおがね)」も、この3:4:5の比で作った大きな直角の定規です。

この確かめ方は、三平方の定理の逆を使っています。a² + b² = c²なら、その三角形には直角があります。スタンダード8.G.B.6は「三平方の定理とその逆の証明を説明する」ことを求めています。対角線が5 mより長ければ角は90°より広く、短ければせまくなっています。大きな枠なら、6 m、8 m、10 mや9 m、12 m、15 mを使いましょう。三角形が大きいほど、小さなずれがはっきり出ます。

三平方の定理の理解度を確かめる

5つの短い質問で、定理を理解しているのか、公式を写しているだけなのかが分かります。

  • 斜辺を見つける: 横にたおした直角三角形を見せます。計算の前に、直角の向かい側の辺を指せるかを見ます。
  • 斜辺を求める: 直角をはさむ2辺が6と8。答えは10で、36 + 64 = 100と書けていれば十分です。
  • 残りの辺を求める: 斜辺が17、1辺が8。289 − 64 = 225なので、答えは15です。
  • 逆を使う: 3辺が5、12、13の三角形は直角三角形か。25 + 144 = 169なので、直角三角形です。
  • 直角でない三角形を見分ける: 3辺が4、5、6の三角形は直角三角形か。16 + 25 = 41、6² = 36なので、ちがいます。

5分の確認テスト

5分の確認テストでは、斜辺を求める問題、残りの辺を求める問題、逆を使う問題を1問ずつまぜ、2乗の計算も書いてもらいます。a² + b² = c²を正しく立てられるのに、12 × 12や169の平方根で止まる場合は、図形よりも平方数の練習が必要です。

数学を学び直す大人にも、ここが本当の弱点だとよくあります。大人が数学を学び直す方法では短い毎日の練習で計算を立て直す方法を、大人向けの算数ゲームのページではその助けになるテンポのよい練習を紹介しています。

三平方の定理でよくある間違いとまぎらわしい場合

誤答のほとんどは4つの間違いから来ていて、どれも短く直せます。

  • 直角三角形でないのに使う: このきまりが成り立つのは、1つの角が90°のときだけです。直角の印を確かめるか、先に逆を使って3辺を調べます。
  • cに別の辺を入れる: 斜辺の2乗を直角をはさむ辺の2乗にたすと、大きすぎる数になります。斜辺はいつも等号の片側に1つだけです。
  • ひくところでたす: 直角をはさむ辺を求めるにはc² − b²です。答えが斜辺より長くなったら、たしてしまっています。
  • 早く四捨五入する: 四捨五入は最後の答えだけにします。途中で平方根を四捨五入してからまた2乗すると、答えがずれます。

まぎらわしい場合:答えが整数にならないとき

斜辺が整数にならない直角三角形はたくさんあります。1辺が1の正方形の対角線は、1² + 1² = 2なので√2で、およそ1.41です。2辺が2と3なら4 + 9 = 13なので、斜辺は√13、およそ3.61です。

日本の中学校では、答えは√13のように根号のまま書くのが基本です。長さをはかる場面では「およそ3.61」と書きます。四捨五入した答えは2乗して確かめます。3.61 × 3.61は13に近い数です。

この定理はとても古いものです。OpenStaxによるとピタゴラスは紀元前500年ごろの人ですが、MacTutorのバビロニア数学の歴史の記事は、紀元前1800年から1650年の粘土板プリンプトン322を「3辺が整数の直角三角形の数の組の一覧」と説明し、「バビロニア人はピタゴラスの定理を知っていた」と結論づけています。

三平方の定理のチェックリストと次の一歩

  • まず直角: きまりを使う前に、1つの角が90°であることを確かめる。
  • cを見つける: 直角の向かい側の辺を斜辺とする。
  • 斜辺: 2辺を2乗してたし、平方根をとる。
  • 残りの辺: 斜辺を2乗し、分かっている辺の2乗をひいて、平方根をとる。
  • ピタゴラス数: 計算の前に3:4:5、5:12:13、8:15:17とその整数倍をさがす。
  • 大きさの確認: 斜辺はどちらの辺よりも長く、2辺の和よりは短い。

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よくある質問

斜辺とは何ですか?

斜辺は、直角三角形で90°の角の向かい側にある辺です。斜辺はいつも3辺の中でいちばん長く、a² + b² = c²のcにあたります。3辺が3、4、5の直角三角形なら、斜辺は5です。直角をはさむ残りの2辺は、ふつうaとbで表します。

直角三角形の斜辺はどうやって求めますか?

斜辺は、直角をはさむ2辺をそれぞれ2乗し、その2つをたして、和の平方根をとって求めます。2辺が9と12なら81 + 144 = 225で、225の平方根は15なので、斜辺は15です。答えが2辺のどちらよりも長いことも確かめましょう。

三平方の定理はどんな三角形にも使えますか?

三平方の定理が使えるのは、90°の角が1つある直角三角形だけです。3辺が4、5、6の三角形では、4² + 5² = 41、6² = 36なので成り立ちません。小さい2辺の2乗の和が最も長い辺の2乗より大きければすべての角が鋭角、小さければ1つの角が鈍角です。

三平方の定理はだれが発見したのですか?

三平方の定理は、紀元前500年ごろのギリシャの数学者ピタゴラスにちなんで「ピタゴラスの定理」とも呼ばれますが、この関係はずっと前から知られていました。紀元前1800〜1650年ごろのバビロニアの粘土板プリンプトン322には3辺が整数の直角三角形の数の組が並び、MacTutorの歴史家は、バビロニア人がこの定理を知っていたと結論づけています。

直角三角形の残りの辺はどうやって求めますか?

直角をはさむ辺の長さが分からないときは、斜辺を2乗し、分かっている辺の2乗をひいて、その差の平方根をとります。斜辺が10、1辺が6なら100 − 36 = 64で、64の平方根は8なので、残りの辺は8です。答えが斜辺より短いことも確かめましょう。

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