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2けた×2けたのかけ算の筆算:身につく順番

執筆 Laura Bennett, MathIt · 公開日 · 更新日 · 読了目安12分
長方形が横に1本、たてに1本切られ、大きさの違う4つの色分けされた部分になっている。

かけ算の筆算は、どんな順番で教えればよいですか?

かけ算の筆算は3つの段階で教えます。先に九九を確かめ、次に問題を面積図で組み立て、最後にその図を筆算の形にたたみます。36 × 24なら、まず36 × 4 = 144を書き、2段目を1つ左へずらして36 × 20 = 720を書き、2つの部分積をたして864を出します。

この記事の要点

  • かけ算の筆算は、九九、位取り、くり上がりの3つを同時に積み上げます。
  • 筆算より先に九九の確認です。出てくるのが遅い九九は、そのまま部分積の間違いに変わります。
  • 36 × 24の面積図は4つの部分、600、120、120、24に分かれ、たすと864になります。
  • 2段目を1つ左へずらし忘れることが、答えを間違える最大の原因です。
  • 見積もりがほとんどの間違いを拾います。36 × 24は40 × 25 = 1,000に近いので、864はあり得ますが216はあり得ません。

かけ算の筆算は、あやしい九九がもう見のがされなくなる場所です。調子のいい日なら6の段を言えるお子さんでも、36 × 24は2段目のどこかで行方不明になり、戻ってくる数は864とは似ても似つきません。そして直し方は、たいてい同じ種類のプリントをもう1枚やることではありません。

かけ算の筆算は、子どもに何を求めていますか?

かけ算の筆算は、3つの力を同時に、しかも決まった順で動かすことを求めます。だから、1けたの計算では隠れていた穴が表に出ます。36 × 24という1問だけで、九九の答えが4回、くり上がりが2回、位を意図的にずらす操作が1回、最後に3けたのたし算が1回必要です。そのどれか1つが弱くても、紙の上ではかけ算の筆算の間違いに見えます。

積み上がっている3つの力

かけ算の筆算は3つの力に支えられていて、それぞれ見分けのつく形でこわれます。

  • 九九。 6 × 4 と 3 × 4 が止まらずに出てきます。出てくるのが遅いこと自体が数字を間違えさせるのではなく、3秒後にくり上がりを忘れさせます。
  • 位取り。 24の2が十が2つを意味すると分かっているので、2段目は72ではなく720の値打ちになります。
  • くり上がり。 先にかけて、あとでくり上がりをたします。順番を逆にすると 36 × 4 が204になり、その先はどうやっても戻りません。

小学校学習指導要領はこの作業を第3学年に置き、「2位数や3位数に1位数や2位数をかける乗法の計算が、乗法九九などの基本的な計算を基にしてできること」と、その筆算の仕方の理解を求めています。アメリカの州共通基礎スタンダード 4.NBT.B.5は同じ内容を4年生に置き、「位取りと計算の性質にもとづく方法で2けたの数どうしをかける」ことを求め、5年生で筆算を流ちょうに使うこと(5.NBT.B.5)へ上げます。つまり日本の子は1年早くここに来ます。小学3年生がまだ図をかいているなら、それは予定どおりです。

36かける24の面積図。600、120、120、24の4つの部分が864になる。
36かける24の面積図。600、120、120、24の4つの部分が864になる。

かけ算の筆算は、始まる前につまずいています

間違った答えのほとんどは、筆算より下の層、つまり九九で生まれています。7 × 8 に3秒かかる子は、問題のあいだじゅう思い出すことに力を使っていて、落ちるのはくり上がりです。その上に新しい手続きを教えても、1週間かけて何も直りません。

九九の確認

九九の確認は2分で終わり、筆算を今月教えるか来月にするかを決めてくれます。6、7、8、9の段から混ぜて12問を読み上げ、答えが出るまでの間をはかります。2秒が目安の線です。

遅い答えが2つ以上あれば、先に九九です。アメリカの実践ガイドAssisting Students Struggling with Mathematics: Intervention in the Elementary Gradesは、教師が「計算の流ちょうさを育てる手立ての1つとして、時間を区切った活動を定期的に取り入れる」ことをすすめています。その前身の支援のためのガイドは、1回につきおよそ10分を基本的な計算の即答に当てるよう置いています。

10分なら学校のある1週間を生きのびます。九九のゲームと2倍のゲームが、重い荷物を運んでいる6、8、9の段を扱い、九九の表のゲームが残りを集めます。本当にふさいでいるのが九九なら、九九を早く覚える方法から始めるほうが近道です。

かけ算の筆算の教え方

うまくいく順番は、子どもが説明できる絵から、子どもが信用できる手続きへ進みます。そしてその道のりは1問で運べます。以下の手順はすべて 36 × 24 を使います。

  1. 何かを書く前に見積もる。 36を40に、24を25にまるめます。40 × 25 = 1,000 なので答えは1000のあたりに着きます。見積もりを紙に書いておくことが、10分後に間違いを目に見えるようにします。
  2. 36 × 24を長方形でかく。 辺を位で分けます。たてに30と6、横に20と4。4つの部分は 30 × 20 = 600、30 × 4 = 120、6 × 20 = 120、6 × 4 = 24 です。
  3. 4つの部分をたす。 600 + 120 + 120 + 24 = 864。これを見積もりの1,000と並べると、答えは最初の関門を通ります。
  4. 4つの部分をたてに書き直す。 600、120、120、24を上下に積んでたします。新しいことは何も起きていません。同じ4つの積が、絵のかわりにたての並びに住んでいるだけです。
  5. 一の位をかける。 36 × 4 = 144。書きながら声に出します。6 × 4 = 24、4を書いて2をくり上げる。3 × 4 = 12、くり上げた2をたして14。
  6. 2段目を1つ左へずらして、十の位をかける。 2段目は2ではなく20をかける段なので、書き出しを1つ左へずらします。日本の教科書は一の位を空けたままにしますが、そこに0を書き入れてもかまいません。理由が目に見えるようになります。36 × 2 = 72 が残りを埋めて、720になります。
  7. 2つの部分積をたして、見積もりに戻る。 144 + 720 = 864。手順1で予想した1,000のすぐ下に、無理なく収まります。
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家庭が段階を飛ばすところ

家庭が手順2から4を飛ばすのは、たたんだ形のほうが見せるのが速いからです。そして子どもには、864と216を見分ける手立てが何も残りません。4つに分けた絵は2回の学習で済み、部分積が1つ行方不明になった最初の1回で元が取れます。子どもが見ないで再現できるようになるまで絵を教え、そこで絵を引退させてください。

2けた×2けたの4つのやり方

書き方は4つあり、36 × 24 はどれでも864になります。違うのは、位取りが紙の上にどれだけ見えたまま残るかです。

やり方しくみ向いている場面弱いところどこに入るか
面積図2つの数を位で分け、4つの積を長方形の部分としてかくはじめて出会うとき。答えが864になる理由を見るときかくのが遅い。3けた×3けたでは9つの部分になる小学3年の考え方
部分積同じ4つの積をたてに並べ、たす絵から筆算へわたる橋たたんだ形より行数が多い小学3年から4年へ
筆算一の位をかけ、2段目をずらし、十の位をかけ、たす速さ、大きい数、のちの文字式位取りが隠れるので、すべっても跡が残らない小学3〜4年で確実に
格子法枠の中で数字どうしをすべてかけ、ななめにたす列がそろわなくなる子枠をかく必要があり、位取りが隠れる。指導要領の外一時的な支え

家ではどれを教えるか

家では、クラスで使っているやり方が勝ちます。4つのどれであってもです。2つ目のやり方を並べて教えると、1つ目がいちばんもろい時期に子どもの注意が割れます。クラスがどの書き方をしているか先生に聞いて、そのまま写してください。別のやり方を見せるのは、クラスのやり方で3回続けて正しく出せてからです。

絵そのものも守る価値があります。実践ガイドImproving Mathematical Problem Solving in Grades 4 Through 8は、「図や絵の使い方を教えること」を、強い根拠のある提案として位置づけています。

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面積図から筆算へ移る

筆算とは、面積図から絵を取り去り、2組の積を先にたしておいたものです。この一文が移行のすべてで、これを聞いた子は2つのやり方をライバルとして扱わなくなります。

4つの部分がどこへ行くかを見てください。20が関わる積は 30 × 20 = 600 と 6 × 20 = 120 で、600 + 120 = 720。これが2段目です。4が関わる積は 30 × 4 = 120 と 6 × 4 = 24 で、120 + 24 = 144。これが1段目です。

この2組を指させるようになれば、たたんだ書き方は新しい決まりではなく省略形になります。NRICH の記事Developing Number Fluency: What, Why and Howは「流ちょうさは、1つの手続きを覚えること以上を子どもに求める」と書いています。いま見た組み合わせこそ、手続きを、忘れても組み立て直せるものに変えるものです。

2段目のずらしと、書き入れる0

2段目をずらすのは、その段が表している十の位に列をそろえるためです。ずらさなければ 36 × 20 は72と書かれ、合計は216につぶれます。日本の教科書は一の位を空けたまま書きますが、数週間だけ一の位に0を書き入れたり、段の横に小さく「×20」と書き添えたりすると、ずらす理由が目に見えるようになります。

36かける24の筆算。部分積の144と720、そして2段目のずれた位置に丸がついている。
36かける24の筆算。部分積の144と720、そして2段目のずれた位置に丸がついている。

身についたかどうかを確かめるには

かけ算の筆算が入ったかどうかは、目に見える4つの合図で分かります。どれもプリントの点数ではありません。

  • 言われなくても見積もりを書く。 始める前に自分から、36 × 24を40 × 25 = 1,000にまるめます。
  • ずらす理由を説明できる。 2段目をなぜ1つ左から書き始めるのかと聞かれて、その段は2ではなく20をかけているからだと答えます。
  • こわれた一手を自分で見つける。 216という間違った答えを見せられて、最初からやり直すのではなく、ずれていない2段目を見つけます。
  • 形が変わっても使える。 36 × 240 も、36 × □ = 864 のような虫食いの問題も、同じ考え方で扱えます。虫食いかけ算のゲームが、それを2分の練習に変えます。

2分でできる自己点検

自己点検は1問と3つの質問で回ります。白い紙に36 × 24を出して、こう聞きます。見積もりはいくつ、ずらした段はどこ、そしてその答えが正しいとどうして分かるのか。3つとも答えられる子は、この方法を自分のものにしています。

よくある間違いと、まぎらわしい場合

かけ算の筆算の誤答のほとんどは4つの間違いで説明でき、そのうち3つは書いた見積もりがその場で拾ってくれます。

  • 2段目をずらし忘れる。 144と書き、次に72と書き、たして216にして先へ進みます。見積もりの1,000があれば一目で分かります。216はそのあたりにかすりもしません。正しい2段目は720です。
  • ちがう列にくり上げる。 ちがう列の上に書かれたくり上がりは、ちがうかけ算に合流します。方眼紙に1マス1文字で書かせるほうが、どんな説明より早く片づきます。
  • 最後の数字でくり上がりをたし忘れる。 36 × 4 で4を書き、2をくり上げ、3 × 4 = 12 を出して、144ではなく124と書いてしまいます。「12、たすくり上がりの2」と声に出させれば1週間で直ります。
  • かけられる数の中に0がある。 306 × 24 では、1段目が 306 × 4 = 1,224 で、0 × 4 = 0 もくり上がりの2を受け取らなければなりません。2段目は 306 × 20 = 6,120 で、合計は7,344です。0をまるごと落とした子は 36 × 24 を計算して、7,344ではなく864に着きます。

かけ算の筆算のチェックリスト

短いチェックリストが、この方法が落ち着くまでの数週間、順番を守らせてくれます。

  • 九九が先、筆算はあと。 混ぜた12問がどれも2秒以内。そうでなければ九九の練習が先です。
  • 1つの問題を、かいて、書く。 同じ 36 × 24 が、長方形として、4つの部分積として、たたんだ筆算として現れます。
  • 見積もりを最初に書く。 どの問題も、まるめた予想を紙の上に書いてから始めます。頭の中ではなく紙の上です。
  • ずらす理由を言ってから書く。 2段目をなぜ1つ左からにするのかを口に出してから書きます。
  • 間違いは直してあげず、見つけさせる。 その段を指さすだけにして、何も名指しせず、子どもに手を見つけさせます。
  • 次はわり算。 36 × 24 = 864 が固まったら、わり算の筆算の教え方が同じ数を逆向きに使います。小学4年生向けのかけ算プリントが、答えつきの練習をそろえてくれます。

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よくある質問

かけ算の筆算は何年生で習いますか?

2けた×2けたのかけ算の筆算は、日本では小学3年です。学習指導要領は第3学年に「2位数や3位数に1位数や2位数をかける乗法の計算が、乗法九九などの基本的な計算を基にしてできること」と、その筆算の仕方の理解を置いています。アメリカでは同じ内容が4年生で、日本のほうが1年早く来ます。

2けた×2けたは手でどう計算しますか?

2けた×2けたは、下の数を十の位と一の位に分けて計算します。36 × 24なら、1段目で36 × 4 = 144、2段目は1つ左へずらして36 × 20 = 720、最後に2つの部分積をたして 144 + 720 = 864 です。

かけ算の面積図とは何ですか?

かけ算の面積図とは、2つの数をそれぞれ位ごとに分けて、長方形のたてと横に並べた図です。36 × 24なら長方形は4つの部分に分かれます。30 × 20 = 600、30 × 4 = 120、6 × 20 = 120、6 × 4 = 24。この4つをたすと864で、筆算の答えと同じです。

2段目はなぜ1つ左へずらすのですか?

2段目を1つ左へずらすのは、その段が一の位ではなく十の位をかけているからです。36 × 24の2段目は 36 × 20 = 720 で、ずらすことが72を720にしています。ずらし忘れると 144 + 72 = 216 になり、正しい864になりません。一の位に0を書き入れると、理由が目に見えます。

格子法は教えたほうがよいですか?

格子法は正しい答えが出ますし、列がそろわなくなる子には合います。ただ日本の学習指導要領には入っておらず、位取りが見えなくなります。字を書く力が落ち着くまでの一時的な支えとして使い、そのあとは部分積か筆算に戻してください。

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