わり算の筆算:たてる・かける・ひく・おろすを例題で

わり算の筆算は、どう教えればいいですか?
わり算の筆算は「たてる・かける・ひく・おろす」の4つをくり返します。始めるのは、九九を使ったわり算、位取り、くり下がりのあるひき算ができてからです。まず3桁÷1桁の問題で1手ずつ書かせ、答えは「商×わる数+あまり」がわられる数になるかで確かめます。
この記事の要点
- わり算の筆算は、たてる・かける・ひく・おろすの4つの手順のくり返しです。
- わり算の筆算が分かるには、九九を使ったわり算、位取り、くり下がりのあるひき算が先に必要です。
- 部分商と筆算は同じ答えになります。部分商は大きくて分かりやすいかたまりで引くので、行数が増えます。
- わり算の筆算でいちばん多い間違いは、612 ÷ 6 = 102 のように商の途中の0を書き忘れることです。
- わり算の筆算の答えはいつでも確かめられます。商×わる数+あまりが、わられる数と同じになるはずです。
わり算の筆算の前に、何ができていればいいですか?
わり算の筆算を始められるのは、3つの力がしっかりしてからです。九九を使ったわり算、位取り、くり下がりのあるひき算です。筆算は1問の中でこの3つを何度もつなげるので、どれか1つに穴があると、筆算そのものが苦手に見えます。
- 九九を使ったわり算。 42 ÷ 7 や 56 ÷ 8 に、数えずに答えられることが目安です。アメリカの州共通基礎スタンダードも、筆算の1年前にあたる3年生の終わりまでに「1桁どうしのかけ算の答えをすべて記憶する」こと(3.OA.7)を求めています。九九がまだ遅いなら、九九を速く覚える方法が先です。
- 位取り。 952の9が「9百」を表すと分かっていること。位取りのゲームでその読み方を練習できます。
- くり下がりのあるひき算。 筆算の1回ごとに 25 − 21 や 144 − 144 のようなひき算で終わるので、くり下がりを1回まちがえると、残りがすべてくずれます。
わり算の筆算の手順は?
わり算の筆算の手順は、たてる・かける・ひく・おろすの4つで、わられる数の数字をすべて使い切るまでくり返します。アメリカの教室では、同じ4つを「Dad, Mom, Sister, Brother」の頭文字で覚えます。
- たてる。 いまの数をわる数でわり、整数の答えをその上に書きます。
- かける。 たてた商にわる数をかけます。
- ひく。 いまの数からその積をひきます。
- おろす。 わられる数の次の数字をおろして、はじめに戻ります。
例題:952 ÷ 7
952 ÷ 7 は、3桁の数を1桁の数でわる、あまりの出ない問題です。
- たてる:9 ÷ 7 = 1。9の上に1を書きます。
- かける:1 × 7 = 7。ひく:9 − 7 = 2。
- 5をおろして25。たてる:25 ÷ 7 = 3。5の上に3を書きます。
- かける:3 × 7 = 21。ひく:25 − 21 = 4。
- 2をおろして42。たてる:42 ÷ 7 = 6。2の上に6を書きます。
- かける:6 × 7 = 42。ひく:42 − 42 = 0。おろす数字はもうありません。
答え:952 ÷ 7 = 136。
あまりのある例題:745 ÷ 6
745 ÷ 6 は、最後にわれないほど小さい数が残る問題で、その数があまりです。
- たてる:7 ÷ 6 = 1。かける:1 × 6 = 6。ひく:7 − 6 = 1。
- 4をおろして14。たてる:14 ÷ 6 = 2。かける:2 × 6 = 12。ひく:14 − 12 = 2。
- 5をおろして25。たてる:25 ÷ 6 = 4。かける:4 × 6 = 24。ひく:25 − 24 = 1。
- おろす数字はもうなく、1は6より小さい数です。
答え:745 ÷ 6 = 124あまり1。
2桁で割る筆算の例題:864 ÷ 24
864 ÷ 24 は日本では小学4年で習う2桁で割る筆算で、新しく必要になるのは商の見当をつける力です。
- 最初の数字の8は24より小さいので、86から始めます。見当をつけます。24を20とみると、86 ÷ 20 はおよそ4です。確かめると 4 × 24 = 96 で86より大きいので、商を3に直します。
- かける:3 × 24 = 72。ひく:86 − 72 = 14。
- 4をおろして144。見当:144 ÷ 24 はおよそ6。かける:6 × 24 = 144。ひく:0。
答え:864 ÷ 24 = 36。見当をつけた商(仮の商)が1大きすぎるのはよくあることです。商を1小さくして、かけ直せば大丈夫です。
部分商とはどんな方法で、なぜアメリカの学校で教えるのですか?
部分商は、わる数の10倍、20倍、100倍のような分かりやすいかたまりをひいていき、全部で何倍ひいたかをたして商を出す方法です。日本の学校では教えませんが、アメリカの学校で使われていて、筆算で何をしているのかを理解する助けになります。
アメリカの学校が部分商を教えるのは、州共通基礎スタンダード 4.NBT.B.6 があるからです。4年生に「4桁までのわられる数と1桁のわる数」で、商とあまりを「位取り、計算のきまり、かけ算とわり算の関係のいずれかにもとづく方法で」求めることを求めています。5年生(5.NBT.B.6)は同じ言い方を2桁のわる数に広げます。「複数桁の数のわり算を標準の筆算で正確に速く行う」ことを求めるのは6年生(6.NS.B.2)になってからです。部分商は、多くの学校が最初の2年間に使う位取りの方法です。
部分商で解く:952 ÷ 7
同じ 952 ÷ 7 を部分商で解くと、3つのかたまりで終わります。
- 100 × 7 = 700。ひく:952 − 700 = 252。横に100と書きます。
- 30 × 7 = 210。ひく:252 − 210 = 42。横に30と書きます。
- 6 × 7 = 42。ひく:42 − 42 = 0。横に6と書きます。
- 横の数をたします:100 + 30 + 6 = 136。
慎重なお子さんは、もっと小さいかたまりでもかまいません。100、次に20(140をひいて112が残る)、次に10(70をひいて42が残る)、最後に6。合計はやはり136です。かたまりが小さいと行が増えるだけなので、最初の一手で止まってしまうお子さんに向いています。
| 特徴 | 筆算(標準の方法) | 部分商 |
|---|---|---|
| 1回にわる部分 | 数字1つか数個ずつ | 残っている数全体 |
| かたまりの大きさ | 数字で決まる | お子さんが選ぶ(100、10、5、1…) |
| 行の数 | いちばん少ない | 多い(かたまりが小さいとさらに増える) |
| 位取り | 列の位置に隠れている | 書き出される(1ではなく100) |
| アメリカでの学年 | 6年生で正確に速く | 4年生と5年生の方法 |
| おもな落とし穴 | 列のずれ、商の0の書き忘れ | 横の数のたし間違い |
筆算で習った保護者が、お子さんのやり方を変えさせる必要はありません。学校でどの方法を使っているかを聞き、家でもそれに合わせ、もう一方の方法は学校の方法が身についてから見せてください。
わり算の筆算でよくある間違い
わり算の筆算の間違いの大半は4つの間違いから生まれ、それぞれにすぐできる確かめ方があります。
- 商の途中の0の書き忘れ。 612 ÷ 6 で、6 ÷ 6 = 1 とたて、1をおろし、1 ÷ 6 はたたないので、何も書かずに先へ進んでしまいます。答えは12になります。正しい商は102です。わる数がいまの数に入らないときは、その数字の上に0を書き、次の数字をおろします。確かめ:12 × 6 = 72 で、612には遠く届きません。
- 列のずれ。 商の数字が1つずれると、答えは10倍ちがってしまいます。方眼のノートを使うと、どの数字も正しい列に収まります。
- わる数より大きいあまり。 745 ÷ 6 で 14 ÷ 6 に1をたてると、14 − 6 = 8 が残り、8は6より大きい数です。ひいて残る数は、いつもわる数より小さくなければなりません。そうでなければ、たてる商を大きくします。
- 数字のおろし忘れ。 商の桁が1つ足りなくなります。確かめ:おろした数字の数を数え、答えの大きさを見積もりと比べます。たとえば 952 ÷ 7 は 1,000 ÷ 7 に近く、140を少し超えるくらいです。
わり算の筆算の答えは、どう確かめますか?
わり算の筆算の答えは、商にわる数をかけ、あまりをたして確かめます。その結果は、わられる数と同じになるはずです。
| 問題 | 答え | 確かめ |
|---|---|---|
| 952 ÷ 7 | 136 | 136 × 7 = 952 |
| 745 ÷ 6 | 124あまり1 | 124 × 6 = 744、744 + 1 = 745 |
| 864 ÷ 24 | 36 | 36 × 24 = 864 |
| 612 ÷ 6 | 102 | 102 × 6 = 612 |
この確かめがあれば、お子さんは大人の助けなしで0の書き忘れを見つけられます。日本の小学校学習指導要領も、第4学年で除数が1位数や2位数の「筆算の仕方について理解すること」と並べて、「(被除数)=(除数)×(商)+(余り)」の関係を理解することを求めています。イングランドでも同じ習慣を求めていて、イングランドの算数・数学のナショナルカリキュラムは6年生(Year 6)に、4桁までの数を2桁の数でわる計算を「わり算の筆算で行い、あまりを整数のあまり、分数、または四捨五入で表す」ことを求めています。
1日15分の練習メニュー
わり算の筆算は、週末にまとめて長くやるより、毎日の短い練習のほうが早く身につきます。
- わり算九九を5分。 すぐに答えが出れば、注意を手順に回せます。算数につまずく子どもの支援についての What Works Clearinghouse の実践ガイドは、先生が「算数の流暢さを育てる方法の1つとして、時間を計る活動を定期的に取り入れる」ことをすすめています。わり算九九のゲームと小学4年生向けのわり算ゲームがこの部分を受け持ちます。
- 例題を2問、声に出して。 お子さんは書きながら、たてる・かける・ひく・おろすと手順を1つずつ言います。1問は 612 ÷ 6 や 824 ÷ 4 = 206 のように、商に0が入る問題にします。
- 自分で3問、1問ずつ確かめる。 印刷できる小学4年生向けのわり算プリントには答えがついています。小学5年生向けのわり算プリントはもっと大きな数に進みます。
- 間違いの見直しを1分。 それぞれの間違いが始まった手順に丸をつけます。2回つまずいた手順が、翌日の練習です。
1桁でわる筆算から2桁で割る筆算に進むのは、3桁の問題が正しく解けて、確かめもきれいに合うようになってからにしてください。学年ごとに身につけたい算数のまとめを見ると、わり算の筆算が分数や小数とどう並んでいるかが分かります。
MathIt の iOS と Android の無料アプリは難しさが答えに合わせて動くので、やさしいわり算が正しく解けてから問題が難しくなります。約90種類のゲームのうち22種類は、登録なしでブラウザで遊べます。
よくある質問
わり算の筆算は何年生で習いますか?
わり算の筆算は、日本では小学4年で習います。小学3年であまりのあるわり算を学び、4年で1桁や2桁でわる、2桁や3桁のわられる数の筆算に進みます。アメリカの州共通基礎スタンダードでは4年生が1桁でわる計算、5年生が2桁でわる計算で、筆算を正確に速く使えることは6年生に求めます。
わり算の筆算の手順は何ですか?
わり算の筆算の手順は、たてる・かける・ひく・おろすの4つで、おろす数字がなくなるまでくり返します。最後のひき算で残った数があまりです。教室によっては「たしかめる」を5つ目に加え、ひいて残った数がわる数より小さいかを毎回見ます。
アメリカの学校では、なぜ筆算の前に部分商を教えるのですか?
アメリカの学校が部分商を教えるのは、州共通基礎スタンダードが4年と5年で、位取りや計算のきまりにもとづくわり算の方法を求めているからです。部分商は位取りを紙の上に見せてくれます。筆算は6年生で続きます。日本の学校では教えませんが、筆算の意味を理解する助けになり、答えも商とあまりも同じです。
わり算の筆算の答えは、どう確かめますか?
わり算の筆算の答えは、商にわる数をかけ、あまりをたして確かめます。その結果がわられる数と同じなら正解です。745 ÷ 6 = 124あまり1なら、124 × 6 = 744、744 + 1 = 745 となるので、答えは合っています。
あまりがわる数より大きくなったらどうしますか?
あまりがわる数より大きいか、同じになったときは、最後にたてた商が小さすぎます。その商を1大きくして、かけ算とひき算をやり直します。745 ÷ 6 で 14 ÷ 6 に1をたてると8が残り、8は6より大きいので、たてる商は2です。
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