一度に覚えられる暗算のやり方

教室ノート · 執筆 MathIt チーム · 公開日 · 読了目安9分

ノートに計算が短い手順に分けて書かれている。横にコーヒーカップが置かれている。

本当に使える暗算のコツは、どれですか?

暗算の土台は2つです。数を分けるか、まるめてから直すか。その上に、5倍と25倍は半分と4分の1で出す、9倍はひき算にする、割合は10%から組み立てる、といった型が乗ります。6つ選んで1日5分続けると、コツではなく数の扱い方そのものになります。

この記事の要点

  • 作業の大半は2つの動きでできています。数を分けるか、まるめて直すか。
  • 5倍・25倍・50倍は、かけずに半分や4分の1で出します。
  • 割合はすべて10%から組み立て、割合が半端なときは2つの数を入れかえます。
  • 計算の前に見積もると、間違った答えが間違って見えます。
  • 週に1時間より、1日5分です。

暗算は才能ですか、技術ですか?

技術です。速く計算する人が見ているものは、こちらに見えないものではありません。覚えた型を短い一覧から選んで走らせているだけで、その型はどれも普通に身についたものです。一度読み、二十回使い、考えなくなる。

先に自動化しておくものが2つあります。以下の型はすべてこの上に立ちます。10や20を作る数の組と、九九です。ここを確かめずに始めるのがよくある失敗で、7×8をまだ計算しているなら、型のほうが長い筆算より注意を食うので、1週間で捨てられます。

まずこの層を直してください。数の合成と分解2倍の練習九九。学校で「自分は数に向いていない」と思い込まされたなら、先に大人の算数のやり直しを読んでください。労力より順番のほうが効きます。

「分ける」と「まるめて直す」:すべての土台

ここから先の型は、ほぼすべてこの2つの動きから出てきます。数を扱いやすい部分に分ける。あるいはまるめて直す、つまり切りのいい数にして、楽な計算をして、変えた分を戻す。

左から足す。 筆算が一の位から始まるのは、くり上がりのためです。頭の中では、意味のある大きいほうから始めます。

  • 347 + 265
  • 百:300 + 200 = 500
  • 十:500 + 100 = 600
  • 一:600 + 12 = 612

くり上がりの列が、走っていく1つの数に置きかわります。しかも最初の一歩で、答えが600あたりだとすでにわかります。

まるめて、直す。 切りのいい数のすぐ下にある数は、動かします。

  • 197 + 356 → 200 + 356 = 556、そこから3を戻して553
  • 498 + 275 → 500 + 275 = 775、そこから2を戻して773

この型の失敗は1つに決まっています。切り上げたのに、戻さずに足してしまう。楽な計算に入る前に、戻す分を口に出してください。

ひき算は数え上げる。 筆算でいちばん遅いのはくり下がりで、しかも避けられます。小さいほうから上がっていきます。

  • 82 − 47 → 47から50まで3、50から82まで32、合わせて3 + 32 = 35

999からひく。 1,000から何かをひくと、くり下がりが連鎖します。どの位も借りる必要のない999からひいて、あとで1を足します。

  • 1,000 − 638 → 999 − 638 = 361、+1で362

5・9・11・25のコツは?

どれも、面倒なかけ算を半分・2倍・ひき算に取りかえます。毎日元が取れる型です。

5倍は、10倍の半分。 10倍はただですし、半分にするほうがかけるより楽です。

  • 48 × 5 → 480 ÷ 2 = 240
  • 37 × 5 → 370 ÷ 2 = 185

9倍は、10倍から1つ分ひく。 9の段は面倒で、ひき算は簡単です。

  • 47 × 9 → 470 − 47 = 423
  • 26 × 9 → 260 − 26 = 234

11倍は、あいだにはさむ。 2桁なら、十の位、2つの数字の和、一の位の順に書きます。

  • 53 × 11 → 5、次に5 + 3 = 8、次に3 → 583
  • 78 × 11 → 7、次に7 + 8 = 15、次に8 → くり上げて858

抜けるのはくり上げです。2つの数字の和が10以上になると、まん中に入りきらないので、十の位分が左へ移ります。78 × 11は858で、7158ではありません。

25倍は、100倍の4分の1。 25は100の4分の1だからです。

  • 36 × 25 → 3,600 ÷ 4 = 900
  • 18 × 25 → 1,800 ÷ 4 = 450

同じ理屈で50倍は100倍の半分、4倍は2倍を2回です。23 × 4 → 46 → 92。

片方を2倍、もう片方を半分。 積は変わらないので、どちらかが切りのいい数になるまで続けます。

  • 14 × 35 → 7 × 70 = 490
  • 16 × 25 → 8 × 50 = 400

5で終わる数の2乗にはきまりがあります。 十の位の数と、その次の数をかけて、うしろに25を書きます。

  • 35の2乗 → 3 × 4 = 12 → 1,225
  • 65の2乗 → 6 × 7 = 42 → 4,225

割合・割引・消費税は暗算でどう出しますか?

すべて10%から組み立てます。位を1つずらして10%を出し、あとは半分にする、2倍する、部品を足す。割合が難しく感じるのは小数をかけようとするからで、その方法は捨ててください。

  • 8,400円の10%は840円
  • 5%はその半分で420円
  • 20%は2倍で1,680円
  • 15%は10%と5%で1,260円

4,650円の商品の消費税10%は465円、税込で5,115円です。6,000円の15%なら、10%が600円、その半分が300円で、合わせて900円。

この方法の後半はあまり教えられません。xのy%は、yのx%と同じです。割合のほうが半端で相手の数が素直なときは、入れかえます。

  • 75の4%は面倒です。4の75%は、4の4分の3で3。
  • 50の18%は面倒です。18の50%は9。
  • 25の16%は面倒です。16の25%は4。

割引は、引かれる額ではなく払う額を出します。7,000円の30%引きなら払うのは70%。10%が700円なので、7つ分で4,900円です。2,100円で止めて値段だと思うのが、決まった取りちがえです。割合のゲームは、割引、消費税、何%かを1回のなかで混ぜて出します。

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なぜ計算の前に見積もるのですか?

見積もりが誤りの検査で、しかも2秒しかかからないからです。しかも実際に起きる失敗を捕まえます。桁の落ち、小数点の位置ちがい、2倍と半分の取りちがえ。

どちらの数も上から1桁だけ残して、あとを0にしてかけます。

  • 312 × 48 → だいたい300 × 50 = 15,000
  • 正確には:312 × 50 = 15,600、そこから312 × 2 = 624をひいて14,976

見積もりと答えが合っています。1,497や149,760なら、この検査で一目で落ちます。見積もりは、正確な答えを出す価値がないときも教えてくれます。1個1,275円を4つなら、だいたい4 × 1,300 = 5,200円で、実際は5,100円です。

切りのいい数に近い数には、専用の型があります。19 × 21は20の2乗から1をひいて399、48 × 52は50の2乗から2の2乗をひいて2,496。切りのいい数から同じだけ離れた2数なら、まん中の数を2乗して、離れた分の2乗をひきます。

コツを1ページにまとめると

12のきまりを、例1行ずつ。覚える価値があるのはまん中の列です。型を走らせることより、どの型を選ぶかのほうが難しいからです。

使いどころ
左から足す2桁・3桁のたし算347 + 265 → 500 → 600 → 612
まるめて直す切りのいい数のすぐ下197 + 356 → 556 − 3 = 553
数え上げるひき算、とくに近い2数82 − 47 → 3 + 32 = 35
999を使う1,000のような切りのいい数からひく1,000 − 638 → 361 + 1 = 362
5倍5をかけるとき48 × 5 → 480 ÷ 2 = 240
9倍9をかけるとき47 × 9 → 470 − 47 = 423
11倍2桁 × 1153 × 11 → 5、8、3 → 583
25倍お金、4分の1、25や5036 × 25 → 3,600 ÷ 4 = 900
2倍と半分片方が偶数のとき14 × 35 → 7 × 70 = 490
10%を土台にする割合、割引、消費税4,650円の20% → 465 × 2 = 930円
割合を入れかえる割合が半端で相手が素直なとき75の4% = 4の75% = 3
まず見積もる間違えそうな長い計算312 × 48 ≒ 15,000、正確には14,976

毎日どれくらい練習すればいいですか?

5分です。読んだ型は、まだ持っている型ではありません。あいだを埋めるのは、軽い時間の圧力のもとでの反復です。日曜の1時間より毎日5分が勝つのは、速さが合計時間ではなく思い出す回数から来るからです。

  1. 1週間に1つの型。 今週は9倍、来週は10%の土台。6つをいちど混ぜると、練習時間がどれを使うかの判断に消えます。
  2. 1分は基礎の準備運動。 2倍、数の組、段を1つ。すべてが乗っている層です。
  3. 今週の型を3分、時間を計って。 計らない練習では、気づかないうちに長い方法に戻っています。
  4. 最後の1分は見積もり。 レシート、単価、距離を取って、確かめる前に当てます。
  5. その日のうちに1回、実際に使う。 割り勘、割引、口座の残高。1回の実用は、50問のドリルより速く型を定着させます。

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最初の1週間は電卓より遅く感じます。それは立ち上げの費用です。3週目には、伝票を読み終える前に10%が出てきます。

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よくある質問

どの型から覚えればいいですか?

割合を10%から組み立てる型です。割引、消費税、利息と、ほぼ毎日使いますし、位を1つずらす以外に覚えることがありません。次は5倍を半分に置きかえる型です。半分だけ知っている段が、いつでも使える半分の計算に変わります。

暗算が速くなるまで、どれくらいかかりますか?

1日5分を2〜4週間で、いくつかの型は自動になります。ただし数の組と九九がすでに固まっている場合です。そうでなければ、最初の2週間はその基礎だけに使ってください。速さは1回の練習の長さではなく、思い出す回数から来ます。

電卓がある時代に、暗算を学ぶ意味はありますか?

あります。実用的な理由が1つあって、電卓は打ち間違えても10倍ちがう答えを堂々と返します。頭の中の見積もりがその検査になります。単価を比べる、割り勘にする、見積書を確かめるといった小さな判断でも、端末を取り出すほうが計算より高くつきます。

子どもにもこの型は使えますか?

九九が入っていれば、ほとんどは使えます。分ける、まるめる、5倍と9倍の型は、だいたい8歳以上に向きます。割合の入れかえと2乗のきまりは11〜13歳ごろのほうがなじみます。基礎が自動になる前に型を教えると、たいてい裏目に出ます。

型で出した答えと筆算の答えが違うときは?

まず見積もりをやり直してください。暗算の間違いはほぼすべて、直す向きを取りちがえたものです。切り上げたのに戻さず足した、半分にする側を取りちがえた、など。おおよその見積もりと比べれば数秒で見つかります。だからこそ、計算の前に見積もる習慣がここでいちばん価値があります。

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