分数のひき算を順番に:分母がちがう分数、整数、帯分数のくり下がり

分母がちがう分数や帯分数のひき算は、どうやって計算しますか?
分数のひき算は、2つの分数を通分して分母をそろえ、分子どうしをひき、分母はそのままにして約分します。3/4 − 1/6なら、分母4と6の最小公倍数12で通分して9/12 − 2/12 = 7/12です。帯分数で前の分数のほうが小さいときは、整数部分から1をくり下げて分数にします。
この記事の要点
- 分数のひき算は、どちらの分数も同じ大きさのピースを数えているときにしかできないので、分母がちがう分数はまず通分します。
- 通分に使う分母は、分母どうしの最小公倍数です。3/4 − 1/6は12等分を使い、9/12 − 2/12 = 7/12になります。
- 分母どうしはひきません。分母はピースの大きさを表していて、ピースを取りのぞいても大きさは変わらないからです。
- 3と1/4 − 1と3/4のような帯分数のひき算では、くり下がりが必要です。1を4/4にして、2と5/4 − 1と3/4 = 1と2/4 = 1と1/2になります。
- 分数のひき算の答えは、ひいた数にたして確かめます。はじめの数に戻れば正解です。
テーブルにパイが3/4残っていて、だれかがパイ全体の1/6にあたる1切れを食べました。残りはどれだけでしょう。かんたんそうに見える問題も、宿題のプリントに3/4 − 1/6と書かれると、4等分と6等分のピースがそろわず、手が止まります。分数のひき算は「同じ大きさのピース」という1つのきまりで動いています。この解説では、分母が同じ分数とちがう分数のひき算、整数から分数をひく方法、帯分数のひき算を、すべての手順を示しながら説明します。
分数のひき算とはどういう意味?
分数のひき算は、同じ全体から切り分けた同じ大きさのピースから、いくつかを取りのぞくことです。ピースの大きさがそろっていれば、個数をひくだけです。5/8 − 2/8 = 3/8で、1/8が5個から2個取ると3個残るからです。
分母はピースの大きさを表し、分子はピースの個数を数えます。ピースを取りのぞくと個数は変わるので、分子は変わり、分母はそのままです。
日本では、分母が同じ分数のたし算・ひき算を小4で、分母がちがう分数のたし算・ひき算を小5で学びます。小学校学習指導要領は第4学年で「同分母の分数の加法及び減法の計算ができること」、第5学年で「異分母の分数の加法及び減法の計算ができること」を求め、第5学年の用語として「通分」「約分」をあげています。アメリカの州共通基礎スタンダード 4.NF.B.3aは1行でまとめています。分数のたし算とひき算を「同じ全体についての部分を合わせたり分けたりすること」と理解する、です。アメリカでも4年生は同じ分母、5年生でちがう分母に進みます。
ピースの大きさをそろえる理由
4等分のピースと6等分のピースは、そのままではひけません。1/4は1/6より大きく、「1/4が3個ひく1/6が1個」には、数えるための共通の単位がないからです。そこで、どちらにもぴったり入る、もっと小さいピースに切り直します。
12等分ならどちらにも使えます。1/4のピースは1/12が3個、1/6のピースは1/12が2個に分かれます。つまり3/4は9/12、1/6は2/12になり、残りは9/12 − 2/12 = 7/12です。

分数のひき算のやり方を順番に
分数のひき算は5つの手順で、手順2と3は分母がちがうときだけ必要です。OpenStaxの初等代数も同じ順番です。共通の分母を見つけ、それぞれの分数を直し、ひいて、約分します。
- 分母をくらべる。 5/8 − 2/8のように同じなら、手順4に進みます。
- 分母どうしの最小公倍数を見つける。 これが通分に使う分母です。4と6なら、4の倍数は4、8、12、16、6の倍数は6、12、18なので、12です。
- それぞれの分数を通分する。 分子と分母に同じ数をかけます。3/4 = (3 × 3)/(4 × 3) = 9/12、1/6 = (1 × 2)/(6 × 2) = 2/12です。
- 分子どうしをひき、分母はそのままにする。 9/12 − 2/12 = 7/12です。
- 答えを約分する。 分子と分母を最大公約数でわります。7と12の公約数は1だけなので、7/12はもうこれ以上約分できません。
分母がちがう分数のひき算:あと2つの例
分母がちがう分数では、一方の分母がもう一方の倍数になっていることがよくあり、そのときは大きいほうの分母で通分します。7/10 − 1/2なら、1/2を5/10にしてひくと2/10で、約分すると1/5です。
分母どうしに1以外の公約数がないときは、分母の積で通分します。2/3 − 1/4なら3 × 4 = 12で通分し、8/12 − 3/12 = 5/12です。数が大きくなったときに最小公倍数をすばやく見つける方法は、最大公約数と最小公倍数の解説にあります。
アメリカのスタンダード 5.NF.A.1は、まさにこの動きを「等しい分数に置きかえて、分母がちがう分数(帯分数を含む)をたしたりひいたりする」と書いています。たし算も同じ通分を使い、たし算のほうは保護者のための分数の解説でくわしく説明しています。
分数のひき算、5つの方法をくらべる
小4から小6で出会う分数のひき算は、ほとんど5つの方法でカバーできます。どれも同じ答えになり、ちがうのは途中の数がどれだけ大きくなるかです。
| 方法 | やり方 | 例 | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|---|---|
| 分母が同じ | 分子どうしをひき、分母はそのまま | 5/8 − 2/8 = 3/8 | ピースがそろっている小4の問題 | ピースがそろっているときだけ使える |
| 分母どうしをかける | b × dを共通の分母にする | 3/4 − 1/6 = 18/24 − 4/24 = 14/24 = 7/12 | どんな分数でも、最小公倍数がいらない | 数が大きくなり、約分がひと手間増える |
| 最小公倍数で通分 | 分母どうしの最小公倍数を使う | 3/4 − 1/6 = 9/12 − 2/12 = 7/12 | 数がいちばん小さく、約分も少ない | 倍数を知っている必要がある |
| 仮分数に直す | 帯分数を先に仮分数にする | 13/4 − 7/4 = 6/4 = 1と1/2 | 帯分数、くり下がりがいらない | 整数部分が大きいと分子が大きくなる |
| 数直線で数えたし | 小さい数から大きい数までの距離を数える | 2と1/4 − 1と3/4 = 1/4 + 1/4 = 1/2 | 暗算、近い数どうし | 分母がちがうと難しい |
どの方法を選ぶか
ふだんは最小公倍数で通分するのがいちばんです。数が小さいままで、答えを約分しなくてよいことも多いからです。最小公倍数がすぐに分からないときは、分母どうしをかける方法が安全な予備になります。最後に約分を忘れなければだいじょうぶです。
帯分数では、数の大きさでくり下がりと仮分数を選びます。整数部分が小さければ仮分数が向いていて、12と1/5 − 9と3/5は61/5 − 48/5にするより、くり下がり(11と6/5 − 9と3/5 = 2と3/5)のほうが楽です。
帯分数と整数のひき算
帯分数のひき算は、分数部分と整数部分の2つに分けて計算します。4と3/4 − 1と1/4なら、分数部分は3/4 − 1/4 = 2/4、整数部分は4 − 1 = 3で、答えは3と2/4、つまり3と1/2です。
前の分数が後ろの分数より小さいときは、くり下がりが必要です。3と1/4 − 1と3/4では1/4から3/4はひけないので、3から1をとって4/4にし、3と1/4を2 + 4/4 + 1/4 = 2と5/4にします。
それからいつものようにひきます。2と5/4 − 1と3/4 = 1と2/4で、2/4を約分すると1/2なので、答えは1と1/2です。仮分数で計算しても同じで、13/4 − 7/4 = 6/4 = 1と1/2です。

分数のくり下がりは、整数のくり下がりのあるひき算と同じ考え方で、ちがうのは1つだけです。位取りでは10を1つくずして1を10個にしますが、分数では1を分母の数だけのピースにくずします。4/4、3/3、8/8のようにです。
整数から分数をひく
整数から分数をひくときは、整数のうち1を、同じ分母の分数にします。5 − 2/3なら、5を4と3/3と書いて、4と3/3 − 2/3 = 4と1/3です。
分母がちがう帯分数では、2つの動きを組み合わせます。4と1/3 − 1と1/2は6で通分して4と2/6 − 1と3/6、2/6は3/6より小さいのでくり下げて3と8/6 − 1と3/6 = 2と5/6です。
アメリカのスタンダード 4.NF.B.3cは4年生に「分母が同じ帯分数を、たとえば等しい分数に置きかえて、たしたりひいたりする」ことを求めています。イングランドのナショナルカリキュラムは6年目にこの力を仕上げ、「等しい分数の考えを使って、分母がちがう分数や帯分数をたしたりひいたりする」ことを求めています。
分数のひき算が身についたかを確かめるには
この解説の技能1つにつき1問、5つの短い問題で、分数のひき算が身についたかどうかが分かります。
- 分母が同じ: 7/9 − 4/9。答えは3/9で、約分すると1/3です。
- 一方の分母がもう一方の倍数: 5/6 − 1/3。1/3を2/6にして、5/6 − 2/6 = 3/6 = 1/2です。
- 分母がちがう: 3/5 − 1/4。20で通分して、12/20 − 5/20 = 7/20です。
- 整数: 6 − 3/5。6を5と5/5にして、答えは5と2/5です。
- くり下がり: 2と1/3 − 1と2/3。くり下げて1と4/3 − 1と2/3 = 2/3です。
毎回、途中の式を書いてもらいます。通分した分数がどこにも書かれていない正解は、たまたま当たっただけかもしれず、次の分母がちがう問題ではっきりします。
たし算で答えを確かめる
ひき算はたし算で確かめます。答えにひいた数をたすと、はじめの数になるはずです。3/4 − 1/6 = 7/12なら、7/12 + 2/12 = 9/12で、約分すると3/4に戻ります。
確かめの前に見積もりをすると、大きな間違いに気づけます。アメリカのスタンダード 5.NF.A.2は「目安になる分数と分数の感覚を使って暗算で見積もり、答えが妥当かどうかを判断する」ことを求めています。3/4から小さいピースを取るなら、答えは1/2と3/4の間になるはずで、7/12は6/12 < 7/12 < 9/12なので、ちゃんと入っています。
アメリカのWhat Works Clearinghouseの分数の実践ガイドは、教師が「分数の計算の手順がなぜ筋が通っているのかを理解させる」ようすすめています。たして戻すことと見積もることは、手順が筋の通った答えを出していることを子どもに見せる、2つの手早い方法です。
分数のひき算でよくある間違い
分数のひき算の誤答のほとんどは4つの間違いから来ていて、どれも短く直せます。
- 分母どうしをひく: 3/4 − 1/6を(3 − 1)/(4 − 6)とすると2/−2になり、5/8 − 2/8なら3/0になります。分母はピースの大きさを表すのでそのままにし、ひくのは分子だけです。
- 分母だけを直す: 3/4を3/12と書くと、量が3/4から1/4に変わってしまいます。分子にも分母と同じ数をかけて、3/4 = 9/12にします。
- 1ではなく10をくり下げる: 3と1/4 − 1と3/4で2と11/4と書くのは、分数を一の位のようにあつかっています。1は4/4なので、3と1/4は2と5/4です。
- 分数を入れかえる: 3と1/4 − 1と3/4で分数部分を3/4 − 1/4と入れかえると2と2/4になり、1多すぎます。入れかえずに、くり下げます。
まぎらわしい場合:後ろの分数のほうが大きいとき
1/4 − 3/4のようなひき算は、持っている以上をひくことになり、答えは負の数です。1/4 − 3/4 = −2/4 = −1/2です。小学校では前の数のほうが大きい問題だけをあつかい、負の数は中1の「正の数・負の数」で学びます。
文章題で負の答えが出たら、たいていは数の順番を逆にしています。はじめにあった量はどれかを読み直して、それを前に書きます。分数が各学年のどこで出てくるかは、学年ごとに身につけたい算数の一覧で分かります。
分数のひき算のチェックリストと次の一歩
- ピースをそろえる: ひく前に分母をくらべる。
- 通分する: 分母どうしの最小公倍数を使う。予備は分母どうしをかける方法。
- 分子と分母の両方を直す: 分子と分母に同じ数をかける。
- ひくのは分子だけ: 分母はそのまま。
- くり下がりは1を分数に: 1を4/4、3/3、8/8にくずす。10にはしない。
- 約分して確かめる: 答えを約分し、ひいた数にたして戻す。
分数のひき算は倍数の上に成り立っているので、九九がすぐに出てくるほど通分の分母も見つけやすくなります。5年生向けのひき算プリントは答えつきで印刷して練習でき、5年生向けの算数ゲームのページには学年に合った練習がそろっています。次の計算に進む準備ができたら、分数のわり算のやり方の解説へどうぞ。
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無料で印刷できるプリントひき算 — 5年生ワークシート · PDFよくある質問
分母がちがう分数のひき算はどうしますか?
分母がちがう分数は、まず通分してからひきます。分母どうしの最小公倍数を見つけ、それぞれの分数の分子と分母に同じ数をかけてその分母にそろえ、分子どうしをひいて約分します。2/3 − 1/4なら、共通の分母は12で、8/12 − 3/12 = 5/12です。
整数から分数をひくにはどうしますか?
整数から1をとり、それを分数と同じ分母の分数にしてからひきます。5 − 2/3なら、5を4と3/3と書いて、4と3/3 − 2/3 = 4と1/3です。数えたしでもできます。2/3から1までは1/3、1から5までは4なので、答えは4と1/3です。
帯分数のひき算で、前の分数のほうが小さいときはどうしますか?
整数部分から1をくり下げて、分数部分に入れます。3と1/4 − 1と3/4では、1/4は3/4より小さいので、3から1をとって4/4にし、3と1/4を2と5/4にします。すると2と5/4 − 1と3/4 = 1と2/4で、約分すると1と1/2です。
分数のひき算では分母どうしもひきますか?
分数のひき算で分母どうしはひきません。分母はピースの大きさを表し、ピースを取りのぞいても大きさは変わらないので、ひくのは分子だけです。5/8 − 2/8 = 3/8で、分母までひくと3/0になり、意味のない数になってしまいます。
分数のひき算の答えはどうやって確かめますか?
答えに、ひいた数をたして確かめます。3/4 − 1/6 = 7/12なら、7/12 + 2/12 = 9/12で、約分するとはじめの数3/4に戻ります。1/2のような目安になる分数で答えを見積もっておくと、大きくずれた答えにも気づけます。
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