MathIt ブログ

箱ひげ図のかき方・読み方と四分位範囲の求め方

執筆 Laura Bennett, MathIt · 公開日 · 読了目安12分
木の机の上に、黄、緑、青、コーラル色の何も書いていない付せんがきれいに並び、そばに白紙をはさんだクリップボードと黄色いえんぴつが置いてある。

四分位範囲はどうやって求めますか?

四分位範囲は、データを小さい順に並べて中央値を求め、前半の中央値(第1四分位数)と後半の中央値(第3四分位数)を求めてから、第3四分位数 − 第1四分位数で計算します。テストの得点52、61、64、68、70、73、75、78、80、84、95なら、第1四分位数は64、第3四分位数は80なので、四分位範囲は16です。

この記事の要点

  • 箱ひげ図は、最小値、第1四分位数、中央値、第3四分位数、最大値の5つの値からつくります。
  • 四分位範囲は第3四分位数 − 第1四分位数で、データの真ん中の約半分の散らばりを表します。得点52、61、64、68、70、73、75、78、80、84、95の四分位範囲は80 − 64 = 16です。
  • 四分位範囲は極端な値の影響をほとんど受けません。最低点を52から31に変えると範囲は43から64に広がりますが、四分位範囲は16のままです。
  • 2つの箱ひげ図は、まず中央値で、次に箱の長さで比べます。中央値は代表的な値を、箱の長さは真ん中の半分のそろい具合を表すからです。
  • 1.5 × 四分位範囲のルールでは、第1四分位数より1.5 × 四分位範囲以上小さい値と、第3四分位数より1.5 × 四分位範囲以上大きい値を外れ値の候補とします。

通知表に「クラスの中央値は73点」と書いてあり、箱と、そこからのびる2本の線の小さな図がついている。この図が箱ひげ図で、箱の長さを決めている数が四分位範囲です。どの5つの値を求めればよいか分かれば、えんぴつ1本で5分ほどでかけます。

箱ひげ図が表すもの:5つの値

箱ひげ図は、5つの値を使って、データの真ん中がどこにあり、値がどれだけ散らばっているかを表します。OpenStaxの統計入門(Introductory Statistics 2e)は、箱ひげ図は「最小値、第1四分位数、中央値、第3四分位数、最大値の5つの値からつくられる」と説明しています。この5つをまとめて五数要約と呼びます。

四分位数は、小さい順に並べたデータをほぼ同じ個数の4つに分ける区切りの値です。第1四分位数は前半の真ん中、中央値はデータ全体の真ん中、第3四分位数は後半の真ん中です。中央値の求め方があやふやなら、平均値・中央値・最頻値の解説で、データの個数が奇数のときと偶数のときの求め方を確かめましょう。

箱ひげ図は、日本では中学2年生で学びます。中学校学習指導要領は第2学年の「データの活用」で「四分位範囲や箱ひげ図の必要性と意味を理解すること」を求めています。アメリカでは6年生の内容で、Common Coreの6.SP.B.4が箱ひげ図などで数量データを数直線上に表すことを、6.SP.B.5cが四分位範囲などの散らばりの指標を扱うことを求めています。

外れ値があるとき、範囲より四分位範囲が役立つ理由

四分位範囲はデータの真ん中の約半分の散らばりを表すので、極端な値が1つあっても広がりません。OpenStaxの2.3節は、四分位範囲を「データの真ん中の半分、つまり中央の50%の散らばりを表す数」と説明しています。式は、四分位範囲 = 第3四分位数 − 第1四分位数です。

11人のテストの得点、52、61、64、68、70、73、75、78、80、84、95で考えます。範囲は95 − 52 = 43、四分位範囲は80 − 64 = 16です。1人が調子をくずして52点ではなく31点だったとすると、範囲は95 − 31 = 64に広がりますが、第1四分位数、中央値、第3四分位数は64、73、80のままなので、四分位範囲は16のままです。

小さい順に並べた11個の得点52から95のタイル。64の下にQ1、73の下にM、80の下にQ3と書いてあり、点線が50から100の目盛りの箱ひげ図へ下りている。矢印が四分位範囲16を示している(Q1は第1四分位数、Mは中央値、Q3は第3四分位数)。
小さい順に並べた11個の得点52から95のタイル。64の下にQ1、73の下にM、80の下にQ3と書いてあり、点線が50から100の目盛りの箱ひげ図へ下りている。矢印が四分位範囲16を示している(Q1は第1四分位数、Mは中央値、Q3は第3四分位数)。

箱ひげ図のかき方の手順

箱ひげ図は6つの手順でかけます。同じ11人の得点で説明します。

  1. 小さい順に並べる。 値を小さい順に書きます。52、61、64、68、70、73、75、78、80、84、95。個数は11です。
  2. 中央値を求める。 11個なら、中央値は6番目の値です。その両側に5個ずつあるからです。中央値は73です。
  3. 第1四分位数と第3四分位数を求める。 第1四分位数は前半52、61、64、68、70の中央値で64、第3四分位数は後半75、78、80、84、95の中央値で80です。四分位範囲は80 − 64 = 16です。
  4. 最小値と最大値を書く。 最小値は52、最大値は95なので、5つの値は52、64、73、80、95です。
  5. 目盛りをかく。 すべての値が入る数直線を、ここでは50から100まで、5か10ずつの等しい間かくでかきます。読み方は定規の読み方と同じです。
  6. 箱とひげをかく。 64から80まで箱をかき、73に縦の線を引きます。次に、64から左の52までと、80から右の95までひげをのばします。

かいたら、個数を数えて四分位数を確かめます。第1四分位数より下に2個(52と61)、第1四分位数と中央値の間に2個(68と70)、中央値と第3四分位数の間に2個(75と78)、第3四分位数より上に2個(84と95)あります。4つの区間の個数が同じなら、四分位数は合っています。

ブラウザで無料で遊ぶ平均を求める小4〜小6

まちがえやすいところ:中央値を前半・後半に入れるか

データの個数が奇数のとき、中央値を前半と後半に入れるかどうかは、方法によってちがいます。Common Coreの用語集は第1四分位数を「中央値Mより小さい値の中央値」と定義し、注で「四分位数の求め方には多くの方法が使われている」と認めています。日本の中学校学習指導要領解説 数学編も、9個の値の例で5番目の中央値をはさんで前後に分け、1〜4番目の中央値を第1四分位数、6〜9番目の中央値を第3四分位数としています。この記事も、中央値を入れないこの学校の方法を使います。

中央値を入れると、前半は52、61、64、68、70、73になり、第1四分位数は(64 + 68) ÷ 2 = 66、後半から第3四分位数は(78 + 80) ÷ 2 = 79になります。四分位範囲は13に縮みます。表計算ソフトのQUARTILE.INC関数や多くの電卓はこちらの値を返すので、答えをまちがいと決める前に、先生や教科書がどちらの方法を使っているか確かめましょう。

範囲・四分位範囲・平均偏差・標準偏差の比較

範囲、四分位範囲、平均偏差、標準偏差は、どれも散らばりを表しますが、データのちがう部分を見ています。範囲は両端の2つの値だけ、四分位範囲は真ん中の約半分を使い、残りの2つは平均値からの離れ具合ですべての値を使います。

指標何を表すか外れ値1つの影響学ぶ時期(日本/アメリカ)
範囲最大値 − 最小値大きい中1/平均値・中央値・最頻値と一緒に
四分位範囲第3四分位数 − 第1四分位数、真ん中の約半分ほとんどない中2/6年生(6.SP.B.5c)
平均偏差平均値からの離れ具合の平均ある程度ある中学校の学習指導要領にはない/6年生(6.SP.B.5c)
標準偏差離れ具合を2乗して求める、平均値からの代表的な離れ具合ある高校/高校(S-ID.A.2)

どの散らばりの指標を選ぶか

四分位範囲は中央値と、平均偏差は平均値と組にして使う指標です。欠席した1人が0点だったテストのように外れ値があるときは中央値と四分位範囲を、極端な値がないときは平均値と平均偏差を使いましょう。

2つの箱ひげ図の読み方と比べ方

箱ひげ図は、真ん中から外へ向かって読みます。まず中央値の線、次に箱、最後にひげです。2本のひげと、箱の左右の2つの部分の4つには、それぞれデータの約4分の1が入っています。

箱ひげ図がいちばん役に立つのは、2つを同じ目盛りに並べたときです。NIST/SEMATECHの統計手法ハンドブックは、箱ひげ図を「データの位置と散らばりを伝える優れた道具」と呼び、箱は「データの真ん中の50%、つまりデータの『本体』を表す」と書いています。

50から100の同じ目盛りに並んだ2つの箱ひげ図。Aはひげが52から95、箱が64から80、中央値73。Bはひげが58から90、箱が70から82、中央値76。
50から100の同じ目盛りに並んだ2つの箱ひげ図。Aはひげが52から95、箱が64から80、中央値73。Bはひげが58から90、箱が70から82、中央値76。

A組の5つの値は52、64、73、80、95、B組は58、70、76、82、90です。B組の中央値は3点高く、箱の長さはA組の16に対して12、範囲はA組の43に対して32です。B組のほうが少し点数が高く、ずっとそろっています。

無料で印刷できるプリント混合計算 — 6年生ワークシート · PDF

比べ方のルール:中央値が先、箱の長さが次

2つの箱ひげ図は、中央値、箱の長さ、ひげの順に比べます。中央値はどちらの集団が全体として高いかを、箱の長さはどちらの集団の値がそろっているかを教えてくれます。

差の向きと同じくらい、差の大きさも大切です。Common Coreの7.SP.B.3は7年生に、2つの分布の重なりの程度を、散らばりの指標の何倍かで表して判断することを求めています。中央値の差の3点は、B組の四分位範囲12の4分の1で、2つの箱は70から80で重なっているので、2つのクラスの差は小さいといえます。

箱ひげ図の理解を確かめる方法

何も見ずに解く5つの短い問題で、箱ひげ図を理解しているかが分かります。

  • 5つの値: 3、5、6、8、10、11、15の5つの値は3、5、8、11、15で、四分位範囲は11 − 5 = 6と言えますか?
  • 個数が偶数: 2、4、5、7、9、10、12、15の中央値(7 + 9) ÷ 2 = 8、第1四分位数(4 + 5) ÷ 2 = 4.5、第3四分位数(10 + 12) ÷ 2 = 11を求められますか?
  • 読み取り: 箱ひげ図を見て、箱の中に全体のどれくらいの値が入っているか言えますか? 答えは約半分です。
  • 比較: 2つの箱ひげ図から、中央値が高い集団と、値がそろっている集団を、それぞれ1文で言えますか?
  • 説明: いちばん小さい値が大きく下がっても、四分位範囲がほとんど変わらない理由を説明できますか?

身近なデータで5分間のテスト

5分間のテストでは、11回の小テストの点数や、9日分の歩数(千歩単位)など、自分の1週間の数を使います。小さい順に並べ、5つの値を求め、箱ひげ図をかき、4つの区間の個数を数えて確かめます。

採点は手順が先、計算があとです。四分位数の求め方は合っているのにひき算をまちがえるなら、つまずいているのは計算の速さです。小学6年生向けの算数ゲームや大人向けの算数ゲームで取りもどせます。箱ひげ図は百分率でも読めます。箱には約50%、ひげにはそれぞれ約25%が入ります。くわしくは百分率の計算で説明しています。

箱ひげ図のよくあるまちがいと特別な場合

まちがった箱ひげ図の原因の多くは4つで、どれもすぐに直せます。

  • まちがい:並べかえを飛ばす。 並べていないデータの真ん中は、ただの適当な値です。まず小さい順に並べます。
  • まちがい:長いひげをデータが多いと読む。 どのひげにも約4分の1の値が入っています。長いのは散らばっているという意味です。
  • まちがい:目盛りの間かくがばらばら。 50、60、80、100のような目盛りでは、図の一部がのびてしまいます。等しい間かくにし、0からではなく最小値の近くから始めます。
  • まちがい:四分位数の求め方を混ぜる。 前半には中央値を入れ、後半には入れないと、四分位範囲がまちがいます。どちらかの方法に決めて、前半にも後半にも同じ方法を使います。

特別な場合:外れ値と1.5 × 四分位範囲の境目

外れ値はほかの値から大きく離れた値で、1.5 × 四分位範囲のルールで見つけられます。OpenStaxは「第1四分位数より(1.5)(四分位範囲)以上小さいか、第3四分位数より(1.5)(四分位範囲)以上大きい値は、外れ値の可能性がある」とし、「外れ値の候補は必ずさらに調べる必要がある」と付け加えています。

52のかわりに31が入った得点で考えます。第1四分位数は64、第3四分位数は80、四分位範囲は16です。1.5 × 16 = 24なので、下の境目は64 − 24 = 40、上の境目は80 + 24 = 104です。31は40より小さいので外れ値の候補で、104より大きい値はありません。

境目を使う箱ひげ図では、外れ値は31の位置に点でかきます。NISTによると、ひげは下の境目「より大きい最も小さい点」までのびるので、左のひげは61で止まります。

箱ひげ図のチェックリストと次のステップ

  • 並べて数える: 値を小さい順に並べ、個数を書く。
  • 中央値: 真ん中の値を求める。個数が偶数なら真ん中の2つの平均にする。
  • 四分位数: 前半と後半それぞれの中央値を求める。個数が奇数なら中央値はどちらにも入れない。
  • 四分位範囲と境目: 第3四分位数 − 第1四分位数を計算し、1.5 × 四分位範囲より外の値がないか確かめる。
  • かく: 等しい間かくの目盛りに、第1四分位数から第3四分位数までの箱、中央値の線、両端までのひげをかく。
  • 確かめる: 4つの区間の値の個数を数える。4つの個数は同じか、ほぼ同じになるはずです。

ブラウザで遊べる無料の平均を求めるゲームでは、箱ひげ図といっしょに必ず出てくるもう1つの代表値、平均値を登録なしで練習できます。

MathIt アプリで練習する

約90種類の算数ゲーム。答えに合わせて難易度が変わり、毎日の練習や2〜5人の対戦もできます。iOS と Android で無料。

App StoreからダウンロードGoogle Play で手に入れよう

MathIt は iOS と Android の無料アプリで、約90種類のゲームがあり、一人ひとりに合わせて難しさが変わります。毎日数分の練習で、四分位数に必要な並べかえ、ひき算、半分にする計算がすばやくなります。

よくある質問

四分位範囲とは何ですか?

四分位範囲は、データの第1四分位数と第3四分位数の差で、第3四分位数 − 第1四分位数で求めます。データの真ん中の約半分がどれだけ散らばっているかを表す値です。いちばん小さい4分の1といちばん大きい4分の1を使わないので、極端に大きい値や小さい値が1つあっても、ほとんど変わりません。

箱ひげ図とは何ですか?

箱ひげ図は、最小値、第1四分位数、中央値、第3四分位数、最大値の5つの値で、データの分布を数直線の上に表す図です。第1四分位数から第3四分位数までを箱で表して中央値に線を引き、箱の両側から最小値と最大値までひげをのばします。日本では中学2年生で学び、アメリカではCommon Coreの6.SP.B.4で6年生が学びます。

箱ひげ図の「ひげ」とは何ですか?

箱ひげ図のひげは、箱の両端から最小値と最大値までのびる線のことです。箱がデータの真ん中の約半分(第1四分位数から第3四分位数まで)を表し、左右のひげがそれぞれ残りの約4分の1ずつを表します。英語では box plot とも box and whisker plot とも呼び、どちらも同じ図です。

箱ひげ図はどうやって読みますか?

箱ひげ図は、真ん中から外へ向かって読みます。箱の中の線が中央値で、箱にはデータの約半分が入り、左右のひげにはそれぞれ約4分の1が入ります。ひげや箱の片側が長いのは、その4分の1の値が散らばっているという意味で、データの個数が多いという意味ではありません。

四分位範囲を使って外れ値を見つけるにはどうしますか?

外れ値は、1.5 × 四分位範囲のルールで見つけます。四分位範囲に1.5をかけ、その値を第1四分位数からひき、第3四分位数にたします。この2つの境目より外にある値が外れ値の候補です。第1四分位数が64、第3四分位数が80、四分位範囲が16なら、境目は40と104です。

関連する記事

すべての記事 →