平均値、中央値、最頻値のちがいを例題で確かめる

平均値、中央値、最頻値のちがいは何ですか。それぞれどう求めますか?
平均値、中央値、最頻値は、データのまん中を表す3つの見方です。平均値は合計を個数で割った値です。中央値は小さい順に並べたときのまん中の値で、個数が偶数のときはまん中2つの平均です。最頻値はいちばん多く出てくる値です。
この記事の要点
- 平均値は、値を全部たした合計を、値の個数で割った数です。
- 中央値は小さい順に並べたときのまん中の値で、個数が偶数のときはまん中2つの平均です。
- 最頻値はいちばん多く出てくる値で、1つのデータに複数あることも、1つもないこともあります。
- 範囲は最大値から最小値を引いた数なので、まん中ではなく散らばりを表します。
- 極端な値が1つあるときに信じるべきなのは中央値です。外れ値は平均値を動かしますが、中央値はほとんど動きません。
お子さんが、平均値・中央値・最頻値・範囲と書かれたプリントと、7個の数の並びを持って帰ってきます。3つの答えがそれぞれ違うので、2つは間違いのように見えます。3つとも正解です。同じ並びを、それぞれ違うまとめ方で見ているからです。
平均値、中央値、最頻値は何を測っていますか?
平均値、中央値、最頻値は、1つの数の並びを3通りにまとめたもので、それぞれ別の問いに答えます。平均値が答えるのは、合計を全員に等しく配ったら1つ分はいくつになるか、です。
中央値が答えるのは、小さい順に並べたときにまん中に来るのは何か。最頻値が答えるのは、いちばん多く顔を出す値はどれか、です。
2、5、7、9、9、10という6個の数で見ます。平均値は42 ÷ 6 = 7、中央値はまん中の2つ、7と9の平均で8、最頻値は9で、くり返している値はこれだけです。
3つの答えは7、8、9で、どれも間違いではありません。
3つをまとめて「代表値」と呼ぶ理由
日本語の「平均」は、ふだんの会話ではほぼ平均値だけを指します。英語の average は3つ全部を指してしまうので、保護者と教科書が別のものを思い浮かべたまま話が進むことがあります。算数や統計で断りなく「平均」と言えば、合計を個数で割った平均値のことです。
学習指導要領はこのあいまいさを、3つをまとめて代表値と呼ぶことで避けています。小学校学習指導要領は第6学年に「代表値の意味や求め方を理解すること」を置き、用語・記号としてドットプロット、平均値、中央値、最頻値、階級を挙げています。平均そのものは1つ手前の第5学年で、「平均の意味について理解すること」として出てきます。アメリカの州共通基礎スタンダードも同じ立場で、6年生にデータの「中心の量的な尺度(中央値や平均値)と散らばり」を示すことを求めています(6.SP.B.5c)。

なぜ3つの答えは違うのですか?
3つの答えが違うのは、それぞれがデータの別の特徴を見ているからです。
平均値は全部の値を使うので、どの数も平均値を引っぱります。中央値は値の位置だけを使うので、端がどれだけ遠くにあるかを見ません。最頻値はくり返しだけを使うので、1回しか出てこないものをすべて無視します。
外れ値が1つあると平均値はどうなりますか
外れ値とは、ほかから遠く離れた値のことで、平均値を動かしながら中央値はほとんど動かしません。小テストの点が78、82、85、85、90なら、平均値は420 ÷ 5 = 84、中央値は85、最頻値も85です。
この78を、受けそこねた分の0に置きかえると、並べた列は0、82、85、85、90になります。合計は342に落ちるので、平均値は342 ÷ 5 = 68.4、15.6点も下がります。
中央値は85のままです。まん中の位置にはまだ85がいるからです。統計でいう「中央値は頑健だ」とは、この動かなさのことです。
アメリカの国勢調査局と住宅都市開発省は、2026年7月に売れた新築住宅の価格について、中央値39万3,800ドル、平均値50万8,800ドルと発表しました。その差11万5,000ドルは、標本の中のいちばん高い住宅が開けた差です。
平均値、中央値、最頻値の求め方
平均値、中央値、最頻値は、どれもデータを1回ずつ通れば出ますが、通る順番が大事です。ある子どもが7日間に本を読んだ分数、12、5、9、5、15、7、3で進めます。
- 先に個数を数える。 並びを書き出して、数がいくつあるかを数えます。ここは7個なので n = 7 です。
- 小さい順に並べかえる。 新しい行に並べ直します。3、5、5、7、9、12、15。この先の手はすべて、この並べかえた行を読みます。
- 平均値のために合計する。 合計は 3 + 5 + 5 + 7 + 9 + 12 + 15 = 56 です。
- 合計を個数で割る。 平均値は 56 ÷ 7 = 8 分で、最小値3と最大値15の間に入っています。
- 中央値はまん中の値を取る。 個数が奇数なら、まん中の位置は (7 + 1) ÷ 2 = 4 なので、並べかえた4番目の値、7分が中央値です。
- 個数が偶数なら、まん中2つの平均を取る。 2、5、7、9、9、10のような6個なら、まん中は3番目と4番目なので、中央値は (7 + 9) ÷ 2 = 8 です。
- 最頻値はくり返しを数え、範囲は引き算で出す。 5だけが2回、ほかは1回ずつなので最頻値は5、範囲は 15 − 3 = 12 分です。
みんながつまずくところ:中央値の前に必ず並べかえる
中央値の前には必ず並べかえます。毎回です。ここを飛ばすのが、この単元でいちばん多い間違いです。並べかえていない12、5、9、5、15、7、3は4番目に5がいるので、並べかえずにまん中を数えた人は中央値を5と読みます。
並べかえた列では4番目が7で、中央値は7です。数を順に並べる力は大小をくらべるゲームが鍛え、合計を個数で割る手はわり算のゲームが体に入れます。平均を求めるゲームは、その2つを時間つきで合わせて出します。
ブラウザで無料で遊ぶ平均を求める小4〜小6平均値・中央値・最頻値・範囲をくらべると
平均値、中央値、最頻値、範囲は、1つのデータについて4つの別々の問いに答えます。どれを選ぶかは、その1つの数に何を語らせたいかという判断です。
| 代表値など | 求め方 | 向いている場面 | 弱いところ | 3、5、5、7、9、12、15では |
|---|---|---|---|---|
| 平均値 | 全部たして、個数で割る | テストの点など、極端な値がないデータ | 外れ値が1つあると端へ引っぱられる | 56 ÷ 7 = 8 |
| 中央値 | 並べかえて、まん中を取る | 収入、住宅価格、待ち時間などかたよったデータ | ほとんど崩れないが、端の遠さを見ない | 7 |
| 最頻値 | 値ごとの回数を数え、いちばん多いものを取る | 靴のサイズや服のサイズなど、種類のデータ | くり返しがなければ存在せず、同点だと複数出る | 5 |
| 範囲 | 最大値から最小値を引く | まん中ではなく散らばりを見せたいとき | 外れ値1つですっかり変わる | 15 − 3 = 12 |
どれを発表するか
どれを使うかはデータの形が決めます。公的な統計を見ると、その使い分けがそのまま出ています。収入や住宅価格は高いほうへ長い尾を引くので、アメリカの国勢調査局は2024年の世帯所得を中央値8万3,730ドルとして発表し、平均値は使いません。
同じ職業の中の給与は左右がそろいに近いので、アメリカの全米教育統計センターは2020〜21年の公立学校の常勤教員について基本給の平均6万1,600ドルを出しています。どちらの役所も平均を発表していますが、データの形が違うので別のものを選んでいます。
割合の変化も、分母に何を置くかという同じ種類の判断です。百分率の計算のしかたがそこをたどります。
身の回りの例で確かめる
身近な3つのデータを見ると、どの場面でどれが本当のことを言うのかが分かります。
テストの点、住宅価格、靴のサイズ
テストの点はふつう平均値です。通知表は、実際に取った点をどれも数に入れるべきだからです。小テストの78、82、85、85、90は合計420で、420 ÷ 5 = 84。いちばん低い点を落として計算する先生は、平均値が1日の失敗に弱いことを認めていることになります。
住宅価格は中央値です。ごく一部のとても高い家が、ほかからはるか上に座っているからです。2026年7月の中央値39万3,800ドルと平均値50万8,800ドルの差は11万5,000ドルで、買う人が計画を立てられるのは中央値のほうです。
靴のサイズは最頻値です。店がほしいのはいちばん売れるサイズであって、小数ではありません。23.0、23.5、23.5、24.0、24.5、24.5、25.0の7足なら、平均値も中央値も24.0ですが、最頻値は23.5と24.5の2つで、仕入れ担当が追加で注文すべきなのはこちらです。

3つの例の下で動いている計算は、たし算とわり算、そして数を順に並べることだけです。印刷できる小学5年生向けのまとめプリントが、その計算を答えつきで練習させます。
無料で印刷できるプリント混合計算 — 5年生ワークシート · PDF身についたかどうかを確かめるには
平均値、中央値、最頻値が分かっている子は、言われなくても次の4つをします。
- 中央値の前に並べかえる。 元の並びのまん中を指さすのではなく、新しい行に小さい順で書き直します。
- 偶数個のときを扱える。 6個渡されたら、どちらか1つを選ぶのではなく、まん中2つをたして半分にします。
- 最頻値がないデータを言える。 3、5、8、11を出されて、0と書いたり当てずっぽうを言ったりせず、最頻値はないと答えます。
- 場面に合う代表値を選べる。 住宅価格や靴のサイズにはどれが合うかと聞かれて、1つ挙げて、理由を一言で言えます。
食卓で5分の確認
6個の数の並び1つで、この記事の決まりが全部試せます。紙に4、6、6、8、10、14と書いて、4つとも聞いてみてください。
答えは平均値が 48 ÷ 6 = 8、中央値が (6 + 8) ÷ 2 = 7、最頻値が6、範囲が 14 − 4 = 10 です。中央値を6と答えた子は偶数個の決まりを飛ばしていますし、最頻値を10と答えた子は範囲を答えています。
日本では平均が小学5年、代表値としての中央値と最頻値が小学6年です。学年ごとに身につけたい算数に、その前後に何が来るかをまとめてあります。
よくある間違いと、まぎらわしい場合とチェックリスト
平均値、中央値、最頻値の問題で落とす点のほとんどは、5つの間違いで説明できます。
- 中央値の前に並べかえるのを忘れる。 並べかえずに取ったまん中は、当たるより外れるほうがずっと多いので、まず順に書き直してください。
- 平均値で割る数を間違える。 割る数は値がいくつあるかであって、何種類あるかでも、いちばん大きい値でもありません。
- 偶数個からまん中を1つだけ取る。 個数が偶数ならまん中は2つあり、中央値はその平均です。2、5、7、9、9、10なら (7 + 9) ÷ 2 = 8 です。
- 範囲を代表値だと思う。 範囲は最大値から最小値を引いた数で、散らばりを表します。まん中を聞かれた問いには決して答えません。
- 最頻値がないときに0と書く。 どの値も1回ずつのデータには最頻値がありません。0は「0という値が最も多い」という別の主張になります。
最頻値が2つあるとき、1つもないとき
データの最頻値は、1つのことも、複数のことも、1つもないこともあり、どれもふつうのことです。サイズの23.0、23.5、23.5、24.0、24.5、24.5、25.0には最頻値が2つ、23.5と24.5あり、山が2つあるデータです。
3、5、8、11には最頻値がありません。くり返しが1つもないからです。2つ目の山は残しておく価値のある情報で、クラスのテストの点に山が2つ立つのは、1つの教室に2つのグループが座っているしるしであることがよくあります。
次のチェックリストは、この方法をどんな並びにも当てられる順番に直したものです。
- 個数を数える。 何より先に n を書きます。平均値も中央値も、これに寄りかかっています。
- 並べかえる。 新しい行に小さい順で書き、元の並びはそのまま残します。
- 平均値はたしてから割る。 全部たして n で割り、答えが最小値と最大値の間に入っているか確かめます。
- 中央値はまん中、または、まん中2つの平均。 n が奇数ならまん中の値、偶数ならまん中2つの平均です。
- 最頻値と範囲は最後に。 くり返しを数え、なしや複数も受け入れ、最大値から最小値を引いて範囲を出します。
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よくある質問
平均値、中央値、最頻値のちがいは何ですか?
平均値は全部の値をたして個数で割った数、中央値は小さい順に並べたときのまん中の値、最頻値はいちばん多く出てくる値です。3、5、5、7、9、12、15という並びなら、平均値は8、中央値は7、最頻値は5になります。
個数が偶数のとき、中央値はどう求めますか?
個数が偶数のときの中央値は、小さい順に並べたまん中2つの値の平均です。2、5、7、9、9、10の6個なら、まん中の2つは7と9なので、中央値は(7 + 9) ÷ 2 = 8です。並べかえが先、これはいつでも変わりません。
最頻値がないデータもありますか?
どの値も同じ回数しか出てこないとき、そのデータに最頻値はありません。3、5、8、11はどれも1回ずつなので最頻値なしで、ここに0と書くとまったく別のことを主張したことになります。いちばん多い値が2つあるデータは、2つの山をもつといいます。
算数でいう範囲とは何ですか?
範囲とは、データの最大値から最小値を引いた数です。3、5、5、7、9、12、15なら範囲は15 − 3 = 12です。範囲は散らばりを表すので、まん中がどこかではなく、値どうしがどれだけ離れているかを言っています。
平均値ではなく中央値を使うのはどんなときですか?
少数の極端な値が平均値をゆがめてしまうときは、中央値のほうが向いています。収入や住宅価格が中央値で発表されるのはそのためです。アメリカの国勢調査局が2024年の世帯所得を中央値8万3,730ドルで発表したのも、同じ理由によります。
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