MathIt ブログ

素数をやさしく解説:見分け方と、どこで役に立つのか

執筆 Laura Bennett, MathIt · 公開日 · 更新日 · 読了目安13分
机の上に3つのおはじきの集まり。12個が長方形に、8個が長方形に、9個が正方形に並び、7個だけはまっすぐ1列にしか並べられない。

素数とは何ですか。子どもにはどう説明すればよいですか?

素数とは、1より大きい整数のうち、約数が1とその数自身の2つだけの数です。50までの素数は2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37、41、43、47の15個です。それ以外の1より大きい整数は、3つ目の約数をもつ合成数です。1は素数でも合成数でもありません。

この記事の要点

  • 素数とは、1より大きい整数で、約数が1とその数自身の2つだけの数です。
  • 1は素数でも合成数でもなく、2は偶数でただ1つの素数です。
  • 50までの素数は2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37、41、43、47の15個です。
  • 割る数を2回かけて元の数をこえたら、そこで止めてかまいません。それで素数だと確かめられます。
  • 9、21、51、57、91は素数に見えて合成数です。9 = 3 × 3、21 = 3 × 7、51 = 3 × 17、57 = 3 × 19、91 = 7 × 13。

お子さんが、どれが素数かを選ぶプリントを持って帰ってきて、9と51に丸をつけ、2には手をつけていない。素数は簡単に見えますが、91のような数が出てきたとたんに当てずっぽうが始まります。素数の決まりは1つだけで、100までの数ならおよそ1分で片がつく短い調べ方があります。

素数とはどんな数ですか?

素数とは、1より大きい整数で、約数が1とその数自身しかない数です。合成数はそれ以外に約数をもつので、同じ数を等しいグループに分ける分け方が2通り以上あります。

おはじきを並べると目に見えます。7個は7個1列にしか並びませんが、12個は1 × 12、2 × 6、3 × 4と並べられます。

50までの素数は2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37、41、43、47です。15個しかないので、九九と同じように見た瞬間に分かるようにしておく値打ちがあります。

2は偶数でただ1つの素数です。ほかの偶数はどれも1と自分自身のほかに2を約数にもち、約数が3つ以上になるので合成数です。

1が素数ではない理由

1は素数でも合成数でもありません。約数が1つしかないからです。決まりは異なる約数がちょうど2つあることを求めていて、1はそのうち1つしか用意できません。

数学者は1をわざと外しています。1より大きい整数はどれも素数の積にただ1通りに分かれ、これを算術の基本定理と呼びます。1を素数に入れてしまうと、12は2 × 2 × 3とも、1 × 2 × 2 × 3とも、1 × 1 × 2 × 2 × 3とも書けてしまい、「ただ1通り」が意味を失います。

理由を聞かれたお子さんには、こう答えてあげてください。素因数分解が1通りのままでいられるように、1は外してある。

1から50までの数を並べた表。素数だけに色がつき、ほかの数には斜線が引かれている。
1から50までの数を並べた表。素数だけに色がつき、ほかの数には斜線が引かれている。

素数は学校の算数や社会のどこに出てきますか?

素数は、小学校の算数の「約数と倍数」の柱を支えています。アメリカの州共通基礎スタンダード 4.OA.B.4は4年生に「1から100までの整数について、かけ算になる数の組をすべて見つける」ことと「1から100までの整数が素数か合成数かを判断する」ことを求めています。

イギリスは同じ内容を5年目に置いています。イングランドの算数・数学のナショナルカリキュラムは「100までの数が素数かどうかを確かめ、19までの素数を覚える」ことを求めます。

日本の並びは少し違います。小学校学習指導要領は第5学年に「約数、倍数について知ること」を置き、用語として最大公約数と最小公倍数を挙げますが、「素数」という語は小学校には出てきません。素数が正式に登場するのは中学1年で、中学校学習指導要領は第1学年の用語・記号に「自然数 素数」を並べ、内容の取扱いで「自然数を素数の積として表すことを取り扱うものとする」と定めています。つまり日本の小学生にとって素数は、約数の学習の一歩先にある話で、先に見せておくと中学の入口が軽くなります。

学校の外では、ネット決済が他人に読まれないでいられる理由が素数です。公開鍵暗号はとても大きな素数を2つかけ合わせて、その積だけを公開します。安全さは、その積を元の2つに戻すのがどれほど大変かに寄りかかっています。

約数や分数とのつながり

素因数分解は、分数を約分する道具です。だから分数の計算より先に来ます。84/126を約分するには、両方を素数に分けます。84 = 2 × 2 × 3 × 7、126 = 2 × 3 × 3 × 7。共通する素数は2 × 3 × 7 = 42なので、84 ÷ 42 = 2、126 ÷ 42 = 3、つまり84/126 = 2/3です。

日本では、この最大公約数で割るやり方そのものが第5学年の「約分」で、学習指導要領は最大公約数を形式的に求めることに偏らず、場面に即して扱うよう求めています。倍数のゲームは同じ関係を反対側から、つまりある数の倍数がどこまで届くかという形で練習します。

ブラウザで無料で遊ぶ倍数ラッシュ小3〜小5

素数かどうかを調べる手順

100までの数は、2、3、5、7のどれでも割り切れなければ素数です。この4回の確認で120までは足ります。次の素数11が最初に効いてくるのは11 × 11 = 121だからです。

  1. 0と1と2を先に片づける。 0と1は素数でも合成数でもなく、2は素数、3から先の偶数はすべて合成数です。
  2. 2で割る。 nrichの割り切れるかどうかの見分け方によれば「一の位が偶数なら、その数は2で割り切れる」ので、下1けたが0、2、4、6、8なら外れます。
  3. 3で割る。 各位の数をたします。その和が3の倍数なら、元の数も3の倍数です。51なら和は6で、51 = 3 × 17。57なら和は12で、57 = 3 × 19です。
  4. 5で割る。 一の位が0か5なら5で割り切れます。ひと目で済みます。
  5. 7で割る。120をこえたら11でも割る。 どちらもひと目の見分け方がないので、実際に割って整数になるか見ます。91が捕まるのはここで、91 ÷ 7 = 13です。
  6. 元の数をこえたら止める。 いま試している割る数を2回かけた値が元の数をこえたら、もう見つかる約数は残っていません。その数は素数です。
ブラウザで無料で遊ぶ約数の組小3〜小5

どこで止めるか:平方根

止める位置の決まりは、調べる手間を短くします。素数だと示すには、その数の平方根までの数で割ってみれば足ります。平方根より大きい約数があるなら、組になるもう一方は平方根より小さいので、そちらに先に出会っているはずだからです。

97で試します。10 × 10 = 100は97をこえているので、確認は10より下で終わり、残るのは2、3、5、7だけです。どれでも割り切れないので、97は素数です。なお「平方根」という語を習うのは中学3年なので、小学生には「その数を2回かけて元の数をこえたら止める」と言い換えてください。平方数のゲームは、どの2乗がどのあたりに来るかという感覚を育てます。

素数を見つける3つの方法:試し割り、エラトステネスのふるい、約数の組

素数を見つける方法は3つあります。試し割りは1つの数を決め、ふるいは一覧をまとめて作り、約数の組は合成数がなぜ合成数なのかを見せます。

方法やり方向いている場面手で解く速さ落とし穴
試し割り2、3、5、7、11で、止める位置まで割るある1つの数を決めたいとき1つにつき1分以内止める位置より手前でやめる
エラトステネスのふるい1から100まで書き、2、3、5、7の倍数を消す100までの素数を一度に出したいとき表を全部で10分ほど素数そのものを消してしまう
約数の組かけてその数になる組をすべて書く。1 × 24、2 × 12、3 × 8、4 × 6合成数である理由を子どもに見せたいとき1つにつき2、3分途中の組を書き落とす

どれを選ぶか

100までの素数を全部そろえたいなら、エラトステネスのふるいが勝ちます。1回のふるいで25個すべてが出てくるからです。1から100までを10 × 10の表に書き、1を消し、2に丸をつけてほかの2の倍数を消します。次に3に丸をつけてその倍数を消し、5と7でも同じことをします。

100までの表なら2、3、5、7の倍数を消すだけで足ります。次の素数11が、まだ消えていない数に最初に届くのは11 × 11 = 121だからです。最後まで残ったものが素数です。

決まりは言えるのに手ごたえがない子には、約数の組が合います。約数の組のゲームがその方法を扱います。24は合成数だと言われるより、1 × 24の隣に4 × 6が並ぶのを見るほうがずっと効きます。

素因数分解をやってみる

素因数分解は、ある数を素数の積で書き表すことです。1より大きい整数には、そういう積がちょうど1通りだけあります。84ならその積は2 × 2 × 3 × 7で、どの道を通っても変わりません。

1つ目の道は、入る中でいちばん小さい素数で割り続けるやり方です。84 ÷ 2 = 42、42 ÷ 2 = 21、21 ÷ 3 = 7、そして7は素数。割った数を読み上げると2 × 2 × 3 × 7、よく2² × 3 × 7と書かれます。

大きい数でも同じです。360 ÷ 2 = 180、180 ÷ 2 = 90、90 ÷ 2 = 45、45 ÷ 3 = 15、15 ÷ 3 = 5なので、360 = 2³ × 3² × 5です。

樹形図で分ける

樹形図は、その数を好きな2つの数の積に分け、さらにその2つを分け、どの枝の先も素数になるまで続けます。84を4 × 21から始めると、4 = 2 × 2、21 = 3 × 7となり、枝の先は2、2、3、7です。

同じ84を12 × 7から始めると、12 = 3 × 4、4 = 2 × 2となり、枝の先はやはり2、2、3、7です。木の形は変わるのに素数は変わりません。これが算術の基本定理を紙の上に描いたものです。お子さんに両方の木を作ってもらってください。2つの並びが一致した瞬間が、分かった瞬間です。

60を6と10に分け、さらに素因数の2、3、2、5へと分けていく樹形図。
60を6と10に分け、さらに素因数の2、3、2、5へと分けていく樹形図。

身についたかどうかを確かめるには

素数が身についたかどうかは、5つの合図で分かります。どれも1分もかかりません。

  • 決まりを声に出して言えるか。 例を出さずに、素数とは何かを聞いてください。「約数がちょうど2つ、1と自分自身」なら正解、「割れない数」は不正解です。
  • 例外を挙げられるか。 偶数に素数はあるかと聞きます。答えは2、2だけです。
  • 50までの素数を30秒で。 順番に言ってもらいます。2から47までの15個で、1も9も入りません。
  • 難しい数を、理由つきで判定できるか。 91を出して、答えと途中の計算を求めます。「7 × 13だから合成数」と答えられれば方法が身についています。「素数」と答える子は形だけで当てています。
  • 分解して、かけ戻せるか。 60の素因数分解を聞き、次にそれをかけ戻してもらいます。2 × 2 × 3 × 5 = 60が出れば、行きと帰りの両方ができています。

5分でできる確認

長いテストより、5分の確認のほうが役に立ちます。アメリカの算数につまずく子どもを支えるための実践ガイド(What Works Clearinghouse)は、教師が「計算の流ちょうさを育てる手立ての1つとして、時間を区切った活動を定期的に取り入れる」ことをすすめています。

同じガイドは「明確で簡潔な数学の言葉を教える」ことも求めています。ここでは4つの言葉を正確に使うということです。素数、合成数、約数、倍数。約数と倍数を取り違える子は、考え方ではなく言葉でつまずいています。

わり算のゲームは、この手順が寄りかかっている暗算の土台を育てます。割り切れるかどうかの確認は、どれもわり算の問題だからです。

よくある間違いと、まぎらわしい数

6つの間違いで、素数のプリントの誤答のほとんどが説明できます。どれも一言で直せます。

  • 1を素数にする。 1は約数が1つしかないので「ちょうど2つ」の決まりを満たさず、素数でも合成数でもありません。
  • 2を合成数にする。 2は偶数でただ1つの素数です。「偶数は合成数」と覚えた子には、この例外をプリントの上に書いておいてあげてください。
  • 0まで調べる。 0は素数でも合成数でもありません。0より大きいどの整数でも割り切れてしまうからです。
  • 9や21を素数にする。 奇数であることと素数であることは別です。9 = 3 × 3、21 = 3 × 7。
  • 51や57を素数にする。 どちらも各位の和で3の倍数だと分かります。51 = 3 × 17、57 = 3 × 19。
  • 91を素数にする。 91は2でも3でも5でも割り切れないので、5で止める調べ方だと素数と判定されます。7で割ると13になり、91 = 7 × 13です。

負の数や分数はこの話の外です。素数と合成数は1より大きい整数について決めた言葉だからです。

素数のチェックリスト

  • 決まりを言う。 約数がちょうど2つ、1と自分自身。
  • 2を押さえる。 偶数でただ1つの素数で、一覧を半分にする例外。
  • 順に確かめる。 2、3、5、7、120をこえたら11。
  • 止める位置を守る。 割る数を2回かけて元の数をこえたら、その数は素数。
  • 答えを確かめる。 素因数をかけ戻して、元の数と見比べる。

最後の2行は、説明より練習のほうが早く直ります。印刷できる小学4年生向けのかけ算プリントには答えもついていますし、九九を早く覚える方法は割り切れるかどうかの確認が頼っている暗算の層を扱います。学年ごとに身につけたい算数を読むと、素数が学習の流れのどこに座っているかが見えます。

MathIt の無料の iOS・Android アプリは難しさが答えに合わせて動くので、やさしい数が正しく出せるようになってから約数の練習が難しくなります。約90種類のゲームのうち22種類は登録なしでブラウザで遊べます。

MathIt アプリで練習する

約90種類の算数ゲーム。答えに合わせて難易度が変わり、毎日の練習や2〜5人の対戦もできます。iOS と Android で無料。

App StoreからダウンロードGoogle Play で手に入れよう

よくある質問

素数とはどんな数ですか?

素数とは、1より大きい整数で、約数が1とその数自身の2つだけの数です。7は1と7でしか割り切れないので素数です。8は1、2、4、8のどれでも割り切れるので合成数です。1より大きい整数は、必ず素数か合成数のどちらかになります。

1はなぜ素数ではないのですか?

1が素数でないのは、約数が自分自身の1つしかなく、決まりが求める「ちょうど2つ」に足りないからです。1をわざと外すのは、1より大きいどの整数も素数の積で表す表し方がただ1通りになるようにするためです。1を素数に入れると、12は2 × 2 × 3とも1 × 2 × 2 × 3とも書けてしまい、その「ただ1通り」が消えます。

50までの素数は何ですか?

50までの素数は2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37、41、43、47の15個です。1はどちらでもないので入らず、2以外の偶数もすべて外れます。50から100までにはさらに10個あり、最後は97です。

91は素数ですか?

91は素数ではありません。91 = 7 × 13だからです。2でも3でも5でも割り切れないため、途中でやめる調べ方をすると見逃されます。7で割れば正体が出ますし、2けたの数をまじめに調べるなら7までは必ず届かせてください。

素数かどうかは、どうやって調べますか?

2、3、5、7、11の順に割っていき、割る数を2回かけた数が元の数をこえたところで止めます。97なら10 × 10 = 100が元の数をこえるので、止める位置は10、つまり2、3、5、7を試せば十分です。どれでも割り切れなければ、その数は素数です。

関連する記事

すべての記事 →