算数の文章題:固まってしまう子のための7つの手順

算数の文章題が解けるように、どう手伝えばよいですか?
文章題は、毎回同じやり方で回す決まった手順があるといちばんよく解けます。2回読み、数を使わずに言い直し、何を問われているかを書き、場面を図にかき、見積もり、計算し、最後に答えを問いと照らします。この手順が、話を分かることと計算することを切り分けます。多くの子が固まるのは、ちょうどその境目です。
この記事の要点
- 文章題は、場面の絵を頭に作ることと、式を選んで計算することの2つを同時に求めます。
- 合図の言葉はあてになりません。「ぜんぶで」がひき算を求めることも、「のこり」がたし算を求めることもあります。
- 当てずっぽうより図が勝ちます。テープ図、数直線、おはじき、表は、それぞれ違う種類の問題に向いています。
- 計算の前に出した見積もりが、式のまちがいをその場でほとんど拾います。
- 日本では1つの場面を式に表すことが小学2年、□を使った式が小学3年、2段階の問題が小学3年から続きます。
7 × 8 はすらすら言えるお子さんが、車と遠足についての4行の話を前にして固まってしまう。算数の文章題がうまくいかない理由は、計算がうまくいかない理由とは別のところにあり、計算の練習をもう1回しても何も動きません。効くのは、毎回同じやり方で回す手順です。
同じ式なのに、文章題のほうが難しいのはなぜですか?
文章題が裸の式より難しいのは、計算が最初ではなく最後に来るからです。何かを計算する前に、お子さんは文を読み、何が起きているのかを組み立て、どの計算が場面に合うかを決めなければなりません。24 − 18 という計算はやさしいのです。この問題が 24 − 18 を求めていると決めるところが難しいのです。
2つの仕事を同時に
読む負担と計算は、同じ注意を取り合います。読むのに時間がかかる子は、覚えておく力のほとんどを文を追うことに使ってしまい、算数に回す分がほとんど残りません。計算が得意な子が文章題では弱く見えるのはそのためですし、問題を声に出して読むと急に解けることがあるのもそのためです。
小学校学習指導要領は、この仕事を早い段階に置いています。第2学年に「加法及び減法が用いられる場面を式に表したり、式を読み取ったりすること」があり、数学的活動として「日常の事象から算数の問題を見いだして解決し、結果を確かめたり、日常生活等に生かしたりする活動」が全学年に置かれています。アメリカの標準も2年生に、100までのたし算とひき算で1段階と2段階の文章題を、分からない数がどの位置にあっても解くことを求めています(2.OA.A.1)。

固まってしまうとき、何が起きていますか?
文章題で固まる原因は、たいてい3つのうちのどれかで、計算力の弱さはその中に入っていません。場面を絵にできていないか、何を問われているかがはっきりしていないか、読むかわりに引き金になる言葉をさがしているかです。3つ目は、子どもがいちばん早く身につけて、いちばん長く持ち続けます。
合図の言葉のわな
合図の言葉は近道を約束しますが、ふつうの問題であっさりこわれます。「ぜんぶで」はたし算、「のこり」はひき算と教わりますが、どちらの決まりも、小学3年生が今年出会う問題で外れます。
- 「ぜんぶで」なのにひき算。 あやさんはシールをぜんぶで12まい持っていて、そのうち5まいが星のシールです。星でないシールは何まいですか。答えは 12 − 5 = 7。
- 「のこり」なのにたし算。 けんたさんはビー玉を3こあげて、のこりが4こになりました。はじめは何こ持っていましたか。答えは 4 + 3 = 7。
- 「多い」なのにひき算。 ゆいさんはさくらさんよりりんごを3こ多く持っていて、ゆいさんは5こ持っています。さくらさんは何こですか。答えは 5 − 3 = 2。
3つ目の例は、アメリカの州共通基礎スタンダードの用語表の表1からそのまま取ったものです。この表はたし算とひき算の場面を、ふえる、へる、合わせる・分ける、くらべる、に分けています。作成チームの加法・減法の学習の道すじは、こうした場合をまちがった式を思わせる紛らわしい言い方として名指しし、1年生でいちばん難しい型の1つに数えています。
文章題を解く手順
手順がうまくいくのは、計算を最後に置くからです。次の1問が手順の全部を運びます。24人のクラスが遠足に行きます。1台に6人ずつ乗れる車があり、すでに3台がいっぱいです。まだ待っているのは何人ですか。
- 2回読む。 1回目は話のため、2回目は数のため。1回目は数字を指でかくして読ませてください。
- 自分の言葉で、何が起きているかを言う。 数をまったく使わずに言い直します。何人かが車で遠足に行く、もう乗っている子がいて、残りが待っている。
- 何を問われているかを書く。 問いは待っている人数で、車の台数でも空いた席でもありません。何よりも先に、その言葉を紙の上に書きます。
- 図にかく。 いっぱいの車3台は6のかたまり3つ、クラス全体はその上にある24のテープ。テープのはしの余った部分が答えです。
- 見積もる。 車3台で18席、24の大部分なので、答えは小さいはずです。10をこえる答えは、計算する前にまちがいだと決まります。
- 計算する。 3 × 6 = 18人が座っていて、24 − 18 = 6人が待っています。
- 答えを問いと照らす。 問いは人数で、答えは6人。6は見積もりの中に入っています。
手順3は、学習指導要領が名指しで求めていることです。第3学年に「数量の関係を表す式について理解するとともに、数量を□などを用いて表し、その関係を式に表したり、□などに数を当てはめて調べたりすること」があり、この□が小学6年で文字に変わります。アメリカの標準では、3年生が四則を使った2段階の文章題を解き、分からない量を文字で表した式で書くこと(3.OA.D.8)にあたります。xを求めるゲームを何回かやっておくと、文字を使うことが中学よりずっと前からふつうのことになります。
ブラウザで無料で遊ぶxを求める小6〜家庭がいちばん落とす一手
計算の前に見積もること。これが宿題から最初に消える一手で、しかもまちがった答えを拾ってくれる一手です。アメリカの実践ガイドImproving Mathematical Problem Solving in Grades 4 Through 8は、問題を解く過程を見張って振り返ることを、いちばん強い根拠のある提案に入れ、各段階で子ども自身が自分に問いかける言葉で支えることをすすめています。
同じ第3学年の内容には、およその数や暗算を使って答えが妥当かどうかを確かめることも含まれます。声に出した見積もりは5秒しかかからず、けたのちがう答えを全部ふるい落とします。
文章題を図にする4つの方法
図は、話を、量どうしの関係の絵に変えます。お子さんに足りていないのは、まさにそこです。先のガイドは、多くの図をいいかげんに教えるより、少ない図をしっかり教えることをすすめ、テープ図、数直線、表、関係図を使えるひとそろいとして挙げています。
| 図 | 見えるもの | 向いている問題 | 弱いところ | 学年 |
|---|---|---|---|---|
| テープ図・線分図 | 1本のテープの中の部分と全体 | くらべる、部分と全体、どれだけ多いか | 単位のちがうものや速さには使いにくい | 小2〜6 |
| 数直線 | 線の上の距離と向き | 時間の変化、時計、前後へのジャンプ | まとまりが見えないので、同じ数ずつには弱い | 小1〜6 |
| おはじきなど具体物 | 場面をそのまま動かして見せる | 小さい数、はじめて出会う型 | 30個あたりをこえると成り立たない | 小1〜3 |
| 表 | くり返す2つの数の組を1行ずつ | 同じ数ずつ、速さ、きまりのある2段階の問題 | 部分と全体については何も言わない | 小3〜6 |
どの図を選ぶか
どの図にするかは、問題の形そのものが決めます。どちらが多いかという問題はテープ図をほしがり、道のりや時計の問題は数直線をほしがり、同じかたまりがくり返す問題は表をほしがります。3つ目が来る前に、2つを自分のものにしておきたいところです。

混ぜた練習が4つとも動かしておいてくれます。小学4年生向けのまとめプリントは四則を1枚に並べるので、同じ計算を20回くり返すかわりに、どれが合うかをお子さんが決めることになります。
無料で印刷できるプリント混合計算 — 4年生ワークシート · PDF家で名前をつけておきたい問題の型
問題の型に名前がついていると、お子さんに出発点ができます。たし算とひき算の場面は4つの家族に分かれ、それぞれ分からない数の位置が違います。ふえる、へる、合わせる・分ける、そしてくらべるです。
くらべる問題と、変わる問題
くらべる問題と変わる問題のちがいは、何かが動くかどうかです。変わる問題では時間の中で何かが起きます。けんたさんがビー玉を3こあげる、というように。くらべる問題では何も起きません。ゆいさんもさくらさんもりんごを持ったままで、問いがほしいのは2人の差です。
くらべる問題の差は目に見えません。だから難しいのです。学習の道すじの文書ははっきり書いています。差は場面の中に実物としてはなく、図の上で作り出さなければならない、と。テープ図がどこよりも効くのがここで、くらべる問題をまとめて解く前には大小をくらべるゲームが準備運動になります。
2段階の問題は小学3年に現れて、そのあとずっと消えません。2つの計算の順番が大事になり、ここから計算の順序が効いてきます。わり算は子どもがいちばん読みちがえる計算です。何人かに同じ数ずつ分ける等分除と、何個ずつかに分ける包含除が、どちらも「ずつ」という同じ言い方で出てくるからです。やり方そのものはわり算の筆算の教え方で扱っています。
身についたかどうかを確かめるには
手順が入ったかどうかは、5つの合図で分かります。どれもプリントの点数ではありません。問題を読んだあとの最初の30秒で、お子さんが何をするかを見てください。
- 数を使わずに問題を言い直せるか。 自分の言葉で場面を説明できる子は分かっています。文をそのまま言い返す子は、まだ分かっていません。
- 答えより先に見積もりが出るか。 計算の前に口に出た見積もりは、大きさについて考えている証拠で、式のまちがいをその場で拾います。
- 言われなくても図をかくか。 計算より先に、ひとりでに現れる図こそ、手順が習慣になったいちばんはっきりしたしるしです。
- 答えが何を表すか言えるか。 6は答えではありません。待っている6人が答えです。
- まちがった答えに気づくか。 この答えはおかしい、と言えて、その理由も言える子は、自分の作業を自分で見張っています。
食卓で2分のテスト
1つのテストで5つの合図が全部見えます。問題を渡して、解く前にその問題を説明してもらってください。計算がじゃまにならないように、学年を1つ下げた問題を選びます。説明がなめらかで、見積もりが言われなくても出てくれば、手順は働いています。
よくある間違いと、文章題のチェックリスト
小学2年から5年までのまちがった答えのほとんどは、5つの間違いで説明できます。どれも数秒で直せます。
- 出てきた順に数をつかむ。 24が先に出てきたから 24 − 6 と書く子は、場面をまるごと飛ばしています。直し方は手順2、数を使わずに話を言い直すことです。
- 合図の言葉さがし。 「ぜんぶで」「のこり」「多い」といった言葉は、決まりに思えるくらいよく当たり、点を落とすくらいよく外れます。直し方は、何が起きているか、そして何を問われているか、の順で聞くことです。
- ちがう問いに答える。 2段階の問題では、1回目の答えが答えのように見えがちです。座っている18人は、待っている人数ではありません。
- 単位を落とす。 6とだけ書いた答えは、まちがいを隠します。6台と6人は、同じ計算についてのまったくちがう主張だからです。
- 2つ目の段階を飛ばす。 小学3年から4年の2段階の問題は、2つ目の段階を読点のうしろに隠します。答えは、最後の計算とではなく、問いと照らしてください。
1つだけ、別に一文を割く値打ちのある場合があります。問題文の中に、一度も使わない数が入っていることがあり、合図の言葉についてのどんな決まりもそれを見つけられません。文中の数を全部使うように育った子は、余分な数を持った最初の問題でつかまります。
次の宿題のときに、このチェックリストを回してみてください。
- 2回読む。1回目は数字を指でかくして。
- 数を使わずに話を言い直す。
- 始める前に、問いを短い言葉で書く。
- 図を1つかく。同じ型の問題には毎回同じ図を。
- 声に出して見積もってから、計算する。
- 答えを単位つきで読み返し、問いとくらべる。
1晩10分で足ります。問題は印刷されていなくても、口で出したもので構いません。一緒に練習するための案は親子で遊べる算数ゲームのページにありますし、保護者のための分数の手引きは、文章題が次につまずく単元を扱っています。
よくある質問
計算はできるのに、文章題だけ固まるのはなぜですか?
文章題は2つの仕事を同時に求めていて、算数なのは2つ目だけだからです。お子さんは、文を読み、場面の絵を作り、どの式にするかを決めてから、やっと計算に入ります。読むのに時間がかかる子は、注意のほとんどを文を追うことに使ってしまい、算数に回す分が残りません。
文章題の「合図の言葉」は役に立ちますか?
合図の言葉は弱い手がかりで、最初の一手にしてはいけません。「ぜんぶで」はひき算を求めることがあります。あやさんはシールをぜんぶで12まい持っていて、5まいが星です。星でないのは何まいですか。「のこり」はたし算を求めることがあります。けんたさんはビー玉を3こあげて、のこりが4こです。はじめは何こでしたか。場面が分かったあとのヒントとして扱い、分かることの代わりにはしないでください。
2段階の文章題とは何ですか?
2段階の文章題とは、問いに答えるまでに計算が2回いる問題で、1回目の答えは答えではありません。学習指導要領は小学3年に「数量を□などを用いて表し、その関係を式に表す」ことを置き、小学4年で四則の混じった式とかっこを扱います。小学2年の時点で、たし算とひき算が使われる場面を式に表すことは始まっています。
プリントなしで文章題を練習できますか?
身の回りの場面を口で出す問題は、印刷されたものと同じくらい役に立ち、準備もいりません。買い物のレシート、材料を2倍にしたレシピ、バスが来るまでの分数、旅行のときの車の座席。1日1問を図をかきながら話し合うほうが、20問のプリント1枚より多くを教えます。
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