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直線の傾きの求め方:2点・グラフ・式 y = ax + b から

執筆 Laura Bennett, MathIt · 公開日 · 読了目安11分
明るい机の上に、積んだ本に板を立てかけた小さな木の坂があり、上におもちゃの車、そばにノートとえんぴつが置いてある。

直線の傾きはどうやって求めますか?

直線の傾きは、yの増加量をxの増加量でわって求めます。2点からなら a = (y2 − y1) ÷ (x2 − x1) で、点(1, 2)と(4, 8)なら6 ÷ 3 = 2です。グラフでは2点の間の上へのマス数と右へのマス数を数えます。一次関数 y = ax + b では、xの前の数aが傾きです。

この記事の要点

  • 直線の傾きはyの増加量 ÷ xの増加量です。右へ3進む間に6上がる直線の傾きは6 ÷ 3 = 2です。
  • 2点を通る直線の傾きは a = (y2 − y1) ÷ (x2 − x1) で、点(1, 2)と(4, 8)なら(8 − 2) ÷ (4 − 1) = 2です。
  • 一次関数 y = ax + b の傾きはxの前の数aです。y = 3x − 4 の傾きは3で、y軸と−4で交わります(切片は−4)。
  • 右上がりの直線の傾きは正、右下がりは負、x軸に平行な直線は0で、y軸に平行な直線には傾きがありません。
  • 道路の勾配(%)は傾き × 100です。水平に100m進む間に8m上る道は8%の勾配です。

坂の手前の標識に「8%」と書いてあり、お子さんの宿題では方眼の上の2点を通る直線の傾きを聞いている。どちらも同じ問い、つまり「前に1進むごとにどれだけ上がるか」です。傾きの求め方に必要なのは、1つの公式、1枚の図、そして同じ順番でひく習慣だけです。2点からでも、グラフからでも、式からでも使えます。

傾きの意味:yの増加量 ÷ xの増加量

傾きは、直線がどれだけ急で、どちらに向かっているかを表す数です。OpenStaxの初等代数は「直線の傾きは、縦の変化と横の変化の比である」と1行で定義しています。縦の変化はyの増加量、横の変化はxの増加量で、傾きはyの増加量 ÷ xの増加量です。日本の教科書では、一次関数 y = ax + b の文字aで表します。

傾きが2なら、右へ1進むごとに2上がります。傾きが1/2なら、右へ2進む間に1上がるので、急さは半分です。傾きは比なので、6/3のような分数があやふやなら、比の解説を先に読んでおくと安心です。

傾きは中学校の関数の中心です。中学校学習指導要領は第2学年で一次関数を学び、表、式、グラフを「相互に関連付けて考察し表現すること」を求め、用語として「変化の割合」と「傾き」を挙げています。アメリカのCommon Coreの8.EE.B.6も、相似な三角形を使って、直線上のどの2点の間でも傾きが同じになる理由を説明することを求めています。どの2点を選んでも同じ答えになるのは、このためです。

正・負・0・傾きなし

傾きには4種類あり、直線の向きを見れば、計算する前にどれか分かります。OpenStaxは、左から右へ読んで上がる直線は「正の傾き」、下がる直線は「負の傾き」をもつと書いています。

x軸に平行な直線はyが変わらないので、傾きは0です。y軸に平行な直線はxが変わらず、OpenStaxは「垂直な直線 x = a の傾きは定義されない」としています。計算の前に「この直線は右下がりだから答えは負」と声に出すと、あとの符号のまちがいをほとんど防げます。

それぞれの傾きは、時給から壁まで、ちがう場面を表します。

傾きの種類直線の向き点の例式の例身近な例
正右上がり(1, 2)と(4, 8):傾き2y = 2x働いた時間に応じて増えるバイト代
負右下がり(0, 6)と(3, 0):傾き−2y = −2x + 6時間とともに減るスマホの電池
0x軸に平行(1, 4)と(5, 4):傾き0y = 4毎月変わらない定額の料金
傾きなしy軸に平行(3, 1)と(3, 6):xの増加量が0x = 3歩いて上れない壁
4つの小さな座標平面が横に並んでいる。右上がりの直線に+、右下がりの直線に−、x軸に平行な直線に0の印があり、y軸に平行な直線には印がない。
4つの小さな座標平面が横に並んでいる。右上がりの直線に+、右下がりの直線に−、x軸に平行な直線に0の印があり、y軸に平行な直線には印がない。

2点から傾きを求める手順

2点を通る直線の傾きの公式は a = (y2 − y1) ÷ (x2 − x1)、つまりyの増加量 ÷ xの増加量です。点(1, 2)と(4, 8)で求めてみます。

  1. 点に名前をつける。 (1, 2)を1つ目の点として x1 = 1、y1 = 2、(4, 8)を2つ目の点として x2 = 4、y2 = 8 とします。
  2. yの増加量を求める。 y座標どうしをひきます。y2 − y1 = 8 − 2 = 6。直線は6上がります。
  3. xの増加量を求める。 x座標どうしを同じ順番でひきます。x2 − x1 = 4 − 1 = 3。直線は右へ3進みます。
  4. わる。 a = 6 ÷ 3 = 2。まず6/3という分数で書いてから約分します。
  5. 符号を確かめる。 直線は右上がりなので、正の答えで合っています。
  6. 3つ目の点で確かめる。 傾き2なら、右へ1進むとyが2増えるので、(5, 10)も直線上にあるはずです。(10 − 2) ÷ (5 − 1) = 8 ÷ 4 = 2です。
座標平面の右上がりの直線上に点AとBがあり、コーラル色の横の3と青色の縦の6が直角三角形を作っている。右側に6/3 = 2、その下にm = 2と書いてある(mは英語圏で傾きを表す文字で、日本の教科書のaにあたる)。
座標平面の右上がりの直線上に点AとBがあり、コーラル色の横の3と青色の縦の6が直角三角形を作っている。右側に6/3 = 2、その下にm = 2と書いてある(mは英語圏で傾きを表す文字で、日本の教科書のaにあたる)。
ブラウザで無料で遊ぶxを求める小6〜

まちがえやすいところ:ひく順番がばらばら

y座標とx座標をちがう順番でひくと、答えの符号が逆になります。(1, 2)と(4, 8)で、(8 − 2) ÷ (1 − 4) と混ぜてしまうと 6 ÷ (−3) = −2 となり、右上がりの直線なのに右下がりと答えることになります。

上と下で同じ順番を守れば、どちらの点から始めてもかまいません。2つ目の点から始めると (2 − 8) ÷ (1 − 4) = −6 ÷ (−3) = 2 で、同じ傾きです。計算する前に、2つのひき算を同じ点を先にして1つの分数に書きましょう。

負の座標にはかっこをつけます。点(−2, 5)と(3, −5)なら、傾きは (−5 − 5) ÷ (3 − (−2)) = −10 ÷ 5 = −2 です。負の数をひくところでつまずくなら、負の数の解説でルールを確かめましょう。

グラフと式から傾きを求める方法

グラフから傾きを求めるには、直線が方眼の交点を通る2点を選んで数えます。上か下へ何マス(yの増加量)、右へ何マス(xの増加量)かを数えてわります。右へ4マス進む間に3マス下がる直線の傾きは−3/4です。

式から傾きを求めるなら、一次関数 y = ax + b の形がいちばん速く読めます。Common Coreの8.EE.B.6も、原点を通る直線の式と、縦の軸とbで交わる直線の式を導くことを求めています。y = 3x − 4 なら、傾きは3で、直線はy軸と−4で交わります。

どの方法が速いかは、何が与えられているかで決まります。2点なら公式、かいてある直線ならマスを数える、式なら y = ax + b で読みます。表が与えられたときは2点と同じで、好きな2行を選びます。

式が y = ax + b の形でないときは?

2x + 3y = 12 のような二元一次方程式は、yについて解くまで傾きが見えません。両辺から2xをひいて 3y = −2x + 12、すべての項を3でわって y = −2/3x + 4。傾きは−2/3です。

この式の変形は、方程式を解くのと同じ技術です。一次方程式の解き方で、両辺のたし算やわり算を元にもどす手順を順番に説明しています。

身近な傾き:道路の勾配、屋根、単価

傾きは、一定の割合で変わるものならどこにでも出てきます。道路の標識の「8%」は、水平に100m進むごとに8m上る勾配で、傾きは8/100、傾き × 100 = 8%です。OpenStaxも「道路の勾配は傾きを百分率で表したもの」としています。百分率への直し方は百分率の計算で説明しています。

車いす用のスロープにも傾きの決まりがあります。アメリカの2010年ADA基準405.2は、スロープの傾きを1:12より急にしてはならないと定めています。12進む間に1上がる、という意味です。高さ30cmの段なら、スロープは水平に30 × 12 = 360cm、つまり3.6m以上必要です。

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屋根の勾配と単価

屋根の勾配も傾きです。OpenStaxは「建物の屋根のピッチは屋根の傾きである」と書いています。英語圏では水平12インチあたりの上がりで表し、日本の大工さんは水平1尺(10寸)あたりの上がりを「寸」で表します。4寸勾配の屋根は、水平に10進む間に4上がるので、傾きは4 ÷ 10 = 0.4です。

グラフの単価も傾きです。Common Coreの8.EE.B.5は、比例のグラフで単価を傾きとして読むことを求めています。6時間働いて6,000円もらうなら、(0, 0)と(6, 6000)を通る直線の傾きは6000 ÷ 6 = 1000、つまり時給1,000円です。比例 y = ax も、b = 0 の一次関数です。

傾きの理解を確かめる方法

5つの短い問題で、傾きを理解しているのか、公式を写しているだけなのかが分かります。何も見ずに解いてから確かめましょう。

  • 2点: (2, 3)と(6, 11)を通る直線の傾きは? 答えは8 ÷ 4 = 2です。
  • 負の座標: (−1, 4)と(3, −4)を通る直線の傾きは? 答えは−8 ÷ 4 = −2です。
  • 式: y = −5x + 7 の傾きと切片は? 傾きは−5、切片は7です。
  • かくれた傾き: 4x + 2y = 10 の傾きは? yについて解くと y = −2x + 5 なので、傾きは−2です。
  • 平行な直線: y = 6 と x = 6 の傾きは? 1つ目は0、2つ目は傾きがありません。

10分間のセルフテスト

10分間のテストでは、2点、グラフ、式から1問ずつ混ぜて出します。計算する前に予想される符号を声に出し、答えだけでなく手順にも点をつけましょう。

手順は合っているのに計算でまちがえるなら、つまずいているのは関数ではなく計算です。Common Coreの8.F.B.4は、表やグラフから読んだ2組の(x, y)の値から変化の割合を求めることを求めており、どの手順も負の数のひき算とわり算をすばやくできることが前提です。大人が算数をやり直す方法では、毎日の短い練習で計算を取りもどす計画を紹介しています。

傾きのよくあるまちがいと特別な場合

傾きの答えをまちがえる原因の多くは4つで、どれも短い直し方があります。

  • わる順番の逆: 6 ÷ 3ではなく3 ÷ 6とすると、2ではなく1/2になります。「yの増加量 ÷ xの増加量」と唱え、いつもyを分子に置きます。
  • ひく順番がばらばら: 分子をy2 − y1、分母をx1 − x2にすると符号が逆になります。どちらも同じ点を先に書きます。
  • 負の数の符号ミス: 3 − (−2)は5で、1ではありません。ひく前に負の座標をすべてかっこでくくります。
  • bを傾きと読む: y = 4 + 3x の傾きは、xについている3です。順番がまぎらわしければ、y = 3x + 4 と書き直します。

特別な場合:y軸に平行な直線には傾きがない

y軸に平行な直線は、どの点でもxの値が同じなので、xの増加量が0になり、公式は0でわる計算になります。点(3, 1)と(3, 6)なら (6 − 1) ÷ (3 − 3) = 5 ÷ 0 となり、答えがありません。

傾きがないことと、傾きが0であることはちがいます。(1, 4)と(5, 4)を通るx軸に平行な直線は 0 ÷ 4 = 0 で、「平ら」を表すれっきとした傾きです。y軸に平行な直線は0でわることになるので傾きが存在せず、式は y = ax + b ではなく x = 3 と書きます。この直線は一次関数のグラフではありません。

傾きのチェックリストと次のステップ

  • まず符号: 直線を見て、傾きが正、負、0、傾きなしのどれかを言う。
  • 2点: a = (y2 − y1) ÷ (x2 − x1) を使い、上と下で同じ点を先にする。
  • かっこ: ひく前に負の座標をすべてかっこでくくる。
  • 約分: 傾きを分数で書いてから、6/3 = 2のように約分する。
  • 式: yについて解いて y = ax + b の形にし、aを読む。
  • 確かめ: 3つ目の点やグラフで答えを確かめる。

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よくある質問

傾きとは何ですか?

傾きは、直線がどれだけ急で、どちらに向かっているかを表す数です。直線上のどの2点を選んでも、yの増加量(縦の変化)をxの増加量(横の変化)でわった値になります。傾きが2なら、右へ1進むごとに2上がります。一次関数では、傾きは変化の割合と同じ値です。

一次関数 y = ax + b のaとbは何を表しますか?

一次関数 y = ax + b では、aが傾き、bが切片です。切片は、直線がy軸と交わる点のy座標です。y = 2x + 5 なら傾きは2で、直線はy軸と5で交わります。日本では中2の一次関数で学び、アメリカでは同じ式を y = mx + b と書いて、mを傾きとします。

傾きが負になるのはどんなときですか?

傾きが負になるのは、直線が右下がりのときです。傾きが−2なら、xが1増えるごとにyは2減ります。身近な例では、時間がたつにつれて100%から減っていくスマホの電池の残量のように、時間とともに少なくなる量が負の傾きで表されます。

x軸に平行な直線とy軸に平行な直線の傾きはいくつですか?

x軸に平行な直線の傾きは0で、y軸に平行な直線には傾きがありません(定義されません)。x軸に平行な直線はyが変わらないので、0 ÷ xの増加量 = 0です。y軸に平行な直線はxが変わらないので、公式が0でわる計算になり、答えがありません。

2点から傾きを求めるにはどうしますか?

2点から傾きを求めるには、y座標どうしをひき、x座標どうしを同じ順番でひいて、わります。a = (y2 − y1) ÷ (x2 − x1) です。点(2, 3)と(6, 11)なら、傾きは(11 − 3) ÷ (6 − 2) = 8 ÷ 4 = 2です。

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