四捨五入をきまりより先に数直線で教える:がい数がすっと分かる教え方

がい数と四捨五入は、どう教えれば分かるようになりますか?
きまりより先に数直線で教えます。その数がはさまれている2つのきりのよい数を見つけ、まん中に印をつけて、どちらに近いかを聞きます。47は40と50の間にあり、まん中の45をこえているので、十の位までのがい数にすると50です。「すぐ下の位が5以上なら切り上げ」という四捨五入のきまりは、絵が分かってから教えます。
この記事の要点
- がい数にするとは、その数がはさまれている2つのきりのよい数のうち、近いほうに置きかえることです。47なら40か50です。
- 見るのはいつも、求める位のすぐ下の位です。4,782を四捨五入して百の位までのがい数にするなら、十の位の8を見ます。
- 45のようにちょうどまん中の数は、40にも50にも同じだけ近いので、学校では約束として切り上げます。
- 3.46を小数第一位までのがい数にすると3.5です。3.4と3.5のまん中の3.45をこえているからです。
- 四捨五入はいつも元の数から1回だけします。何回もくり返すと3.45が4になりますが、整数にした正しい答えは3です。
小4のお子さんのプリントに「47を四捨五入して十の位までのがい数にしましょう」とあり、クラスでは「4までは切り捨て、5からは切り上げ」と習ったのに、お子さんにはそれが何とも結びついていない。がい数は、算数が正確な答えではなく、ほどよい答えを求める最初の場面の1つで、きまりの暗記はその考えを隠してしまいます。封筒の裏にかいた数直線のほうが、どんな唱え言葉より早く四捨五入を教えてくれますし、小数が出てきてもそのまま使えます。
がい数にするとはどういうことか
がい数にするとは、ある数を、決めた位で区切ったいちばん近い「きりのよい数」に置きかえることです。十の位までのがい数にすると47は50になります。47は40と50の間にあり、50のほうが近いからです。問いはいつも同じで、となりの2つの数のどちらが近いか、です。
同じ問いはどの位でも使えます。百の位までのがい数なら、362は300と400の間にあって400に近くなります。小数第一位までのがい数なら、3.46は3.4と3.5の間にあって3.5に近くなります。
日本ではこの考えを小4で学びます。小学校学習指導要領は第4学年で「概数が用いられる場合について知ること」「四捨五入について知ること」「目的に応じて四則計算の結果の見積りをすること」をあげています。アメリカの州共通基礎スタンダードは3年生に、位取りの理解を使って整数を十や百の位までの数に丸めること(3.NBT.A.1)を求めます。どちらも、十や百が何なのかが分かっていてこそ四捨五入に意味が出ます。位の考えがまだあやふやなら、保護者のための位取りの解説が準備運動になります。
四捨五入は距離の問題
四捨五入は数直線の上での距離の問題で、決め手になるのはまん中の点です。40と50のまん中は45なので、41、42、43、44は40に近く、46から49は50に近くなります。

Illustrative Mathematicsの課題「十の位、百の位までの数に丸める」も同じように教えます。8、32、79を数直線に書きこみ、それぞれがどの2つの十の間にあるかを見つけて、近いほうを選びます。この絵がかける子は、43がどちらへ行くかを思い出すのに唱え言葉はいりません。
がい数の教え方の手順
四捨五入は、絵からきまりへと進む5つの手順で教えるとうまくいきます。手順4の近道を見せる前に、手順1から3に数日かけてください。
- 位を言う。 十の位まで、百の位まで、小数第一位まで、と何の位までのがい数にするかを声に出します。その位の数字に下線を引きます。4,782を百の位までのがい数にするなら、7に線を引きます。
- となりの2つの数を見つける。 下のきりのよい数と上のきりのよい数を書きます。4,782なら4,700と4,800、47なら40と50です。
- まん中に印をつける。 両はしにとなりの数を置いた短い数直線をかき、まん中に4,750や45の印をつけます。その数がまん中のどちら側にあるかを聞きます。
- すぐ下の位の数字を読む。 絵がしっかりしたら近道を見せます。下線を引いた数字のすぐ右の数字で決まります。4,782ならそれは8で、5以上なので下線の数字を1大きくします。これが四捨五入、4以下は捨て、5以上は入れる、です。
- 0でうめる。 がい数にした位より右の数字はすべて0にするので、4,782は4,800になります。0が数の大きさを保っていて、0がなければ48と読めてしまいます。
子どもがまちがえるところ:どの数字を読むか
いちばん多いのは、すぐ下の位ではなく、がい数にする位そのものの数字を読む間違いです。4,782を百の位までのがい数にするよう言われて7を見て、「5以上」だと5,000と書いてしまいます。日本の教科書には「百の位までのがい数にする」と「百の位を四捨五入する」という2つの言い方があり、見る位が1つずれるので、ここでさらに混乱しがちです。がい数にする位の数字に下線を、すぐ右の数字に丸をと、2種類の印をつけると1週間で直ります。
十、百、千、小数第一位、小数第二位までのがい数
どの位までのがい数にするときも、動きは同じ2つです。位を見つけ、そのすぐ右の数字を読む。変わるのは位だけで、日本では小4から小5でこれらの位を学びます。
| 何の位まで | 日本で習う時期 | 例 | 読む数字 | 答え |
|---|---|---|---|---|
| 十の位まで | 小4 | 47 | 一の位の7 | 50 |
| 百の位まで | 小4 | 362 | 十の位の6 | 400 |
| 千の位まで | 小4 | 4,782 | 百の位の7 | 5,000 |
| 小数第一位まで | 小4〜小5 | 3.46 | 小数第二位の6 | 3.5 |
| 小数第二位まで | 小5 | 2.734 | 小数第三位の4 | 2.73 |
何年生でどの位を習うか
日本では、十や百、千、万といった整数のがい数は小4でまとめて学び、上から1けたや2けたのがい数にする方法もここで出てきます。小数の商を四捨五入して小数第一位や上から2けたまで求める計算は、小4から小5の小数のわり算で使います。アメリカは3年生で十と百、4年生で何けたの整数でもどの位までも(4.NBT.A.3)、5年生で小数をどの位までも(5.NBT.A.4)と、3年に分けています。それぞれの学年で四捨五入がほかの位取りの目標とどう並ぶかは、学年ごとに身につけたい算数にまとめています。
数直線がしっかりしていれば、整数の位から位への移り変わりは小さな一歩です。小数への一歩はもっと大きくなります。となりの数が整数ではなくなるからです。
小数第一位までのがい数
小数第一位までのがい数も、同じ絵を細かい目盛りでかくだけです。3.46は3.4と3.5の間にあり、まん中は3.45、3.46はそれをこえているので、3.46は3.5になります。

きまりでも同じ答えになります。小数第二位は6で、5以上なので、小数第一位の4が5になります。3.4と3.40が同じ数である理由があやふやな子はここでつまずくので、先に保護者のための小数の解説でその考えを押さえてください。
答えの最後が0になるとき
小数のがい数では、右の数字を0にするのではなく取りのぞきます。整数は位を保つために0が必要なので4,782は4,800になりますが、3.46は3.5になり、5のあとには何も書きません。
保護者が驚く例外が1つあります。2.96を小数第一位までのがい数にすると3.0になり、この0は残します。答えが小数第一位まで正確だということを示しているからです。
5は切り上げ?切り捨て?
学校の算数では5は切り上げます。理由は数のきまりではなく、約束です。45は40と50のちょうどまん中なので、どちらのとなりも近くありません。教室ではこの引き分けを上へ送ることで決着させていて、日本語ではこれをそのまま「四捨五入」と呼びます。
この約束には、子どもが自分で確かめられるすっきりした筋があります。一の位になりうる10個の数字のうち、0、1、2、3、4は十の位をそのままにし、5、6、7、8、9は十の位を上げます。5個ずつです。Illustrative Mathematicsの課題「50や500に丸める」はこれをパズルにしています。十の位までのがい数で50になる整数は45から54まで、ちょうど10個です。日本の小4ではこれを「45以上55未満」と、以上と未満の言葉で表します。
偶数に丸める、大人のための例外
偶数への丸め(銀行型の丸め)は、大人が理科や金融、表計算ソフトで出会う2つ目の約束です。科学的な測定のためのNISTのガイドは、捨てる部分がちょうど5のあとに0が続く形のとき、5の前の数字が偶数ならそのまま、奇数なら1大きくするとしています。この決まりでは2.5は2に、3.5は4になります。
偶数への丸めは、引き分けのたびに切り上げて長い数の列が平均で上にずれないようにするためにあります。子どもには必要なく、先生は2.5 → 3を正解にします。電卓や表計算ソフトとちがう答えになった理由をお子さんに聞かれたときにだけ話してください。
毎日の生活のがい数と、伸びの確かめ方
がい数が役に立つのは、スーパーのレジと宿題の見直しです。385円、620円、249円の品物はおよそ400 + 600 + 200 = 1,200円で、正確な合計は1,254円です。レジに2,154円と出たら、明らかにおかしいと分かります。アメリカの州共通基礎スタンダードも、四捨五入を含む暗算と見積りの方法を使って答えが妥当か判断する力をはっきりあげています。
宿題の見直しも同じです。お子さんが38 × 21を筆算する前に、40 × 20 = 800というがい数での見積りを聞きます。正確な答えは798で、7,980と書いた答えはひと目でおかしいと見えるようになります。本当に使える暗算のコツにある見積りの習慣は、この動きの上に立っています。
2分でできるがい数の確認
週に1回2分の確認で、テストなしでお子さんの立ち位置が分かります。
- 絵の確認。 63を十の位までのがい数にしてもらい、答えではなく数直線を求めます。60、65、70を正しい順にかければ、がい数が分かっています。
- まん中の問い。 十の位までのがい数で50になる数はどれかを聞きます。「45以上55未満」と答えられれば、まん中の考えが身についています。
- 9の確認。 199を十の位までのがい数にしてもらいます。200と答えられれば、9が続くところでくり上がりを左へ運べています。
- 小数の確認。 小数を学んだら、3.46を小数第一位までのがい数に、次に3.44を聞きます。3.5と3.4の両方が10秒以内に出れば十分です。
- 買い物の確認。 レシートの3つの値段の合計をがい数で聞きます。速くて近い見積りが、生活の中でのゴールです。
がい数でよくある間違いと、チェックリスト
がい数の宿題の誤答のほとんどは4つの間違いから来ていて、どれも食卓ですぐに直せます。
- 何回も続けて四捨五入する。 3.45を整数にするのに3.45 → 3.5 → 4とすると、まちがった答えになります。四捨五入はいつも元の数からします。3.45の小数第一位は4なので、答えは3です。
- 9の扱いをまちがえる。 199を十の位までのがい数にすると、十の位の9が10になって百の位にくり上がります。答えは200で、190から200までの数直線をかけばはっきりします。
- 0を書かずに数字を消す。 4,782を百の位までのがい数にして48と書くと、数が100分の1になります。「4,782はだいたいどのくらいの大きさ?」と聞けば、4,800という答えにたどり着きます。
- 数直線なしできまりだけ覚える。 「5以上は切り上げ」は、どの数字に使うのかを忘れたとたんに役に立たなくなります。数直線はきまりを一から組み立て直してくれるので、先にそちらを教え、きまりは思い出すための合図として残してください。
がい数のチェックリスト
- 最初の1週間は数直線。 どの問題でも、となりの2つの数とまん中を、お子さん自身にかいてもらう。
- 下線と丸。 がい数にする位の数字に下線、そのすぐ右の数字に丸をつけ、丸の数字だけを読む。
- 整数は0で、小数は何も書かない。 4,782 → 4,800、3.46 → 3.5。
- いつも元の数から。 1つの問題で四捨五入は1回だけ、2回はしない。
- 1日1回、本物の見積り。 レシート、料理の分量、宿題の見直しを、正確な答えの前にがい数で。
絵が身についたら、短い練習をこまめにくり返すと、がい数は自然にできるようになります。ブラウザで遊べる位取りのゲームや無料のオンライン暗算ゲーム、3年生向けの算数ゲームにある問題のように位取りを中心にしたゲームなら、プリントなしで同じ動きをくり返せます。MathIt アプリは、約90種類のゲームで、難しさが答えに合わせて動く毎日の練習を加えます。
よくある質問
5は切り上げですか、切り捨てですか?
学校の算数では、5は切り上げます。45は40と50のちょうどまん中で、どちらにも近くないので、四捨五入という約束で50にします。理科や金融の一部では偶数に丸める方法も使われますが、小学校の宿題では5はいつも切り上げです。
小数第一位までのがい数にするにはどうしますか?
小数点の右の2つ目の数字、小数第二位を見ます。その数字が5以上なら小数第一位を1大きくし、4以下ならそのままにします。そのあと小数第二位から下はすべて取りのぞくので、3.46は3.5に、3.42は3.4になります。
がい数と四捨五入は何年生で習いますか?
日本では小4で、がい数と四捨五入を学びます。学習指導要領は第4学年で「概数が用いられる場合について知ること」と「四捨五入について知ること」をあげています。小数の商を四捨五入して求める計算は、小4から小5の小数のわり算で出てきます。アメリカでは3年生で十や百の位までの四捨五入を習い始めます。
なぜ数をがい数にするのですか?
頭の中で計算しやすくするためと、正確な答えが妥当かどうかを確かめるためです。385円、620円、249円の買い物は、およそ400 + 600 + 200 = 1,200円で、正確な合計は1,254円です。学習指導要領も小4で「目的に応じて四則計算の結果の見積りをすること」を求めています。
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